( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/54989981.html からの続き)
・「生まれ」 と「育ち」 の境界線
BPDも 遺伝的要素があるのは、ほぼ確かだと言われます。
複数の遺伝子が BPDに関係していて、
深刻な環境のストレスによって 発症する思われます。
例えば、「高報酬依存」 (誉められたいという強い願望) や
「危険性回避の低さ」 (危険を犯し続ける) という 生まれつきの特徴は、
特定の染色体に関係しており、多くのBPDの人の行動に 影響しています。
気分,攻撃性,衝動性といった 遺伝的な不安定さも、
BPDの発症に 結びつくかも知れません。
人格的特徴は 環境によって形成されると、広く認識されています。
早期の見捨てられ体験や 性的虐待が、BPDの発症に 関係していると思われます。
フラストレーションや、人間関係・心の拠り所の欠如も、
生まれつきの弱さと重なったとき、BPDを生み出すでしょう。
将来、気質的な脆弱さを示す 遺伝的マーカーが見つかれば、
BPD発症の前に 予防することが可能になるかもしれません。
家や学校で 注意することよって、不幸を防ぐことができるようになるのです。
・治療モデルの構想
理想的な治療施設には、次のような条件が必要です。
1.患者一人一人の ニーズに合わせた、継続的で個別的な 治療が施される。
入院,部分入院,外来施設などがある。
2.治療者は訓練を受け、経験豊富で 意欲を持っている。
3.個人療法,集団療法,家族療法がそろっている。
4.絵画・芸術療法,音楽療法,ダンス療法,サイコドラマ,運動・栄養の相談など。
5.新しい薬物療法が可能で、精神療法と組み合わされる。
6.専門家間で 定期的なミーティングを設け、協力体制が整っている。
7.スタッフの研修とスーパーヴィジョンが 継続的に行なわれる。
研修や情報交換があり、テクニックを向上させる。
8.患者のための 研究活動が行なわれ、雑誌や本が刊行される。
9.BPDの人のサポートグループが 地域社会で育てられる。
患者と家族,パートナーの教育がなされる。
10.早期治療の経済効果を認識し、社会的な協力体制を取る。
11.精神医療,BPDに対する 社会の理解を広める。
〔 「BPDを生きる七つの物語」 (星和書店) より〕
(以上)