「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

立退き料

2013年06月30日 21時30分27秒 | Weblog

 今回の転居手続きの際、 ひとつ懸案がありました。

 取り壊しなど 大家の都合で退去する場合、

 大家から転居費用 (新居の初期費用や引っ越し代) が 何割か出るそうです。

 通常は 退去期限の6ヶ月以上前に、

 大家は文書で 立退きの通知をしなければなりません。

 でも うちのアパートの場合は、 何年も前から 取り壊しの話は聞かされていて、

 この法律が当てはまるのか分かりません。

 4月末に管理人から、 取り壊しの決定を 口頭で伝えられましたが、

 いつまでに出ていくかという 話はありませんでした。

 (1年半前に更新した契約書には、

 特約条項として、 立退きの金銭を要求しない と書かれていました。

 ただし更新の際、 これについての 説明はありませんでした。)

 僕は当初 転居費用が出るのは 期待していなかったし、

 いい物件があれば 先に決めてしまおうと思っていました。

 そして6月初旬、 新居に入居の申込みをしました。

 その約10日後に 契約書を交わす予定でした。

 ところが 申込みをした翌日に、 管理人の人から話を聞き、

 立退き料が出るかもしれないので、 弁護士と交渉をするから、

 契約は少し待ってくれと 言われたのです。

 管理人は住人のために、 お金が出るよう 尽力してくれると言います。

 そんなことで 管理人とやり取りをしながら、

 新居の契約を 2週間ほど待ってもらっていた結果、

 幸いにも お金が出ることになりました。

 しかも 転居の実費 (引越費用も含め) を 優に上回る金額が。

 普通は 全額出ることは余りないようなので、 とても幸いでした。

 そして、 新居の申込みが あと数日早かったら、 契約書も先に交わしてしまい、

 この話もなかったでしょう。

 その点も 非常にラッキーでした。

 今回の場合は 立退きの文書もなく、 かなり特例だったのではないかと思います。

 一般的には、 文書が出る前に 転居を決めてしまうと、

 退去勧告より先に 自分から出て行ったと見なされて、

 転居費用も出なくても おかしくないらしいですが。

 何にせよ、 余裕を持って転居できるわけで、 本当に助かりました。
 
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新居決定

2013年06月29日 21時42分38秒 | Weblog
 
 先日、 新しい住まいが決まりました。(^^)

 真新しくリフォームをして、 とても綺麗な所です。

 職を先に決めるつもりでいましたが、

 住まい探しのサイトから 新着物件のメールだけは 受けていました。

 たまたま 今の住まいから ほんの200mくらいの所にある、

 好条件の物件の情報が入り、 近くなので 一応見ておこうと 不動産屋に連絡。

 やはり良い部屋で、 気持ちが傾いていきました。

 不動産屋では その機会に、 他の物件も色々紹介してくれ、

 その中に 気になる物件がありました。

 でも資料で見ると 近くの物件のほうが良く、

 そちらにするつもりでいたのですが、 念のため 実物を見るだけ見ることに。

 すると 非常に綺麗な所で 気持ちが動きました。

 迷いましたが、 幾つもの条件を 色々考慮した末、 結局後者にした次第です。
 

 現在の部屋は 本当に長く、 何と 人生の半分を過ごしました。

 長い生活で だんだんと物が増え、 様々な物が 所狭しと配置されています。

 最初からの計画的な配置ではないので、 合理的に見ると 不便になってきていました。

 (慣れはありますが。)

 今度の部屋は 現在よりも結構広く、

 今から 家具のレイアウトや 収納を考えています。

 (引越のとき、 配置が決まっていないといけませんし。)

 これまで捨てられなかった 本なども少し整理し、

 VHSなど使わないものも 処分していきます。

 できるだけ整頓した 居住空間にしたいと思っています。

 引越しは 来月中旬の予定で、 今まで行ったことのない 地域なのですが、

 久方ぶりに変わる 新しい生活を 楽しみにしたています。
 
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マインドフルネス・エクササイズ

2013年06月09日 20時41分02秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
(1) ひとつの対象に焦点を合わせる

 何か簡単な対象に 心の焦点を合わせ、

 今この瞬間に留まるのに 必要なエルギーに気付くことです。

 一人になることができて、

 テレビやラジオなど 気が散るものがない 場所を見つけます。

 くつろげる姿勢で、 目は開けたまま、 いつもと同じ呼吸を 行なってください。

 はっきり見ることができる、

 近くのもの (強い感情を引き起こさないもの) を 選んでください。

 3分間、 その対象だけに 注意を向けてください。

 あらゆる角度から 見つめてください。

 手に取って、 触れてみてください。

 においをかいでもいいでしょう。

 対象に関する 様々な感覚的な情報を 受け入れてください。

 心がさまよい始めたら、 自分自身をつかまえて、 対象に注意を戻してください。

 イライラしたり、 自分を批判する必要はありません。

 ただ対象に戻ってくることを 続けてください。

(2) 自らの考えを監視する

 自分自身の心と その考えへの気付きを 深めます。

 練習を重ねるにつれ、 特定の考えに行き詰まったり、

 ストレスを感じたり、 圧倒されることが少なくなるでしょう。

 気が散らない所で、 楽な姿勢で椅子に座り、 両足を床につけ、 背筋を伸ばします。

 通常の呼吸を行ない、 目は開けたままにします。

 5分間、 考えることをやめてください。

 考えが浮かんできて、 それが動き、 流れ去るのを見つめてください。

 それにしがみついたり、 押しのけようとしたり、 判断したりしないでください。

 ただやって来て、 去りゆくのに任せます。

 ある考えにとらわれてしまったら、 ただそのことに気付いて、

 静かに心を観察してください。

 批判的になっていることに気付いたら、 それに気付いたということだけで、

 心を観察する状態に戻ります。

 練習すれば、 脅迫的な考えや心配事に とらわれなくなってくるでしょう。

 重要な関心事や活動に対して、

 より良く 焦点を合わせることができるようになるのです。

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕

(以上)
 
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マインドフルネス

2013年06月08日 21時33分40秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
 弁証法的行動療法 (DBT) に欠かせないのが マインドフルネスです。

 このスキルは ノン・ボーダの人にも有効です。

 マインドフルネスとは、 判断を伴わない気付きです。

 判断したり、 自分自身や 自らの経験を批判することなく、

 自らの考え, 感情, 身体感覚, 行動に -- まさに今この瞬間に --

 気付いている能力」です。

 「中心いる」 状態, 「真の自己」 との出会い と言う人もいます。

 マインドフルネスの目標は、 強い感情と危険な振る舞いの パターンを認識し、

 より思慮深く、 より衝動的でなく 行動できるようにすることです。

 「賢明な心」、 すなわち 「理性的な心」 と 「感情的な心」 の

 バランスが取れた状態を 実践することです。

 人生をやってくるままに体験し、

 曖昧さやグレーの領域を 良しとして認めることができます。

 理性的な心の状態では、 感情は脇によけられ、

 計画に沿った コントロールされた反応をします。

 感情的な心の状態では、 事実は気持ちに合うように、

 または 気持ちを承認する形で 歪められてしまうかもしれません。

 懸命な心の状態では、 感情と思考は共に働き、

 適切に、 よりスムーズに行動します。

 マインドフルネスな状態にある時、 人生のありのままに対して心を開き、

 それぞれの瞬間を、 それが生じて過ぎ行くままに、 完全に意識しています。

 自分自身や 自分の状況や 他人を批判しないことです。

 今ここに 焦点を合わせ、 将来や過去にとらわれるのを 避けることができます。

 予測不能で混乱する行動に 対処するのに役立ちます。

 マインドフルネスによって、

 白か黒かの考えによる 感情のジェットコースターから 離れられます。

 痛みに耐えたり、 問題解決をよりうまく行ない、

 生活や人間関係で混乱したり ストレスが少なくなるようです。

 ただし、 マインドフルネスが目指すのは、

 深い幸福感や、 ストレスや困難のない 人生ではありません。

 マインドフルネスは 誰もが身に付けられるスキルです。

 神秘的なことは何もありません。

 心が騒いでも、 それが起こり、 消え去るに任せます。

 繰り返し、 今ここに 戻ってくるのです。

 マインドフルネスにより、 ストレスの多い状況に対して、

 よりバランスの取れた 健全なやり方で、 賢明に対処できるようになります。

 より良く決断し、 人間関係を向上させ、

 リラックスする能力を 最大限活用できるようになります。

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 
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境界性パーソナリティ障害の治療

2013年06月07日 22時10分56秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
 BPDの新しい治療法が 成功を収めています。

 ただし 本人自身が、 心から変わりたいと思うことが 大切です。

○ 薬物治療

 薬物は、 うつ, 気分変動, 解離, 攻撃性, 衝動性などの症状を

 緩和するのに役立ちます。

 医師には 特別な訓練が必要です。

 抗精神病薬 (ジプレキサ), 抗うつ薬 (ゾロフト, エフェクサー),

 気分安定剤 (デパコート, ラミクタール) などがあります。

○ 心理療法

 自ら問題に取り組もうとする ボーダーの人に、 構造化されたプログラムが有効です。

 臨床家は 特別な訓練が必要で、 同じ障害を持つ仲間と 交流の機会があることが、

 良い結果を生み出します。

 (それは他の治療法も同様です。)

《 弁証法的行動療法(DBT) 》

 最も良く知られた、 構造化された BPDの治療法です。

 週1回のグループ・スキル・トレーニングに参加し、

 苦痛に耐えるスキル, 感情を調節するスキル, 対人関係のスキル,

 マインドフルネスを身に付けていきます。

 マインドフルネスは DBTの中核となるものです (後述)。

《 メンタライゼーション(MBT) 》

 一種の心理療法で、 次のことに焦点を当てます。

・ 自らの思考と 他者の思考を区別する

・ 思考, 感情, 願望, 欲求が、 いかに行動に繋がっているかを 認識する

 患者とセラピストの 交流を重視し、

 スキル・トレーニングを重視する DBTと異なる点です。

 目標は、 他者との良い関係であり、 感情や行動のコントロールを 向上させます。

《 スキーマ療法 》

 「スキーマ」 とは、

 子供時代に 生存に関わるニーズが 満たされなかった場合に起こりうる、

 自滅的で 確立された 生活パターンです。

 スキーマは 生活の中で引き金を引かれ、

 その感情的引き金に過敏になり、 自分を傷つけてしまいます。

 スキーマ療法の目標は、 真の感情にアクセスし、

 自滅的なスキーマ・モードの スイッチを切り、

 対人関係の中で 感情的なニーズが満たされるようにすることです。

《 STEPPS グループ治療プログラム 》

 「感情の予測と 問題解決のための システムズ・トレーニング」で、

 伝統的な治療に 追加して使われます。

 病気への気付き, 感情を扱うスキル・トレーニング,

 行動を扱うスキル・トレーニングの 3段階があり、

 家族が 重要な役割を果たします。

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 
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境界性パーソナリティ障害を引き起こす 危険因子

2013年06月06日 22時20分44秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
 BPDには 単一の原因があるのではなく、 幾つかの危険因子があります。

 生物学的な脆弱性に、問題の多い環境が組み合わされると、

 BPD発症の可能性が出てきます。

○ 生物学的な要因

 神経伝達物質レベルの機能不全は、

 衝動性や不安定な感情などの 問題を引き起こすことがあります。

 脳の組織に 障害が起こることもあります。

 扁桃体は 感情のコントロールを司りますが、

 ボーダーの人は この働きに支障があります。

 BPDを引き起こす 単一の遺伝子があるわけではありません。

 BPDのリスクを高める遺伝子は、

 双極性障害, うつ病, 物質使用障害, 外傷後ストレス障害などを持つ

 人々の間で 受け継がれているようです。

 BPDは 脳の神経経路の不安定性によるものであり、

 問題行動は 意図的でも計画的なものでもありません。

○ 環境的な要因

 BPDは 子供時代に受けた 虐待の結果だという神話があります。

 確かに ボーダーの人の多くが、

 虐待, 見捨てられ, ネグレクトなどの 犠牲者である場合がありますが、

 全てのBPDの人ではありません。

 研究されているのは 自殺や自傷傾向のあるBPDの人で、

 高機能の人々が抜け落ちています。

 また、 虐待を受けたというのは 自己報告であり、 客観性が欠けています。

 しかし 環境的な要因は、

 遺伝学的にBPDになりやすい人の、 発症のきっかけとなるようです。

 これを 「環境的な負荷」 といいます。

 環境的負荷には 以下のものが含まれます。

・ 効果的でない子育て

  不適切な育児スキルや 精神疾患など、 あらゆるもの

・ 安全でない、 混沌とした家庭環境

・ 子供と親の気質が 衝突すること

・ 養育者が突然いなくなったり、 世話されなくなること

  新しい赤ちゃんが 生まれることなども含む

  子供は 自分が見捨てられたと感じる

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 
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いま決断すること (6)

2013年06月03日 21時08分31秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
 「ここは私の居場所じゃない」 の レイチェル・レイランド (BPD) が

 「ようこそオズへ」 に 投稿した文章を紹介します。

 「セラピーなんて受けないほうが 良かったんじゃないかって思った。

 生まれつき 不安定なアイデンティティに 苦しんでいる人間にとって、

 自分の考えを 一旦壊して、 新しい考えが 身に付かない間は、

 恐怖で押しつぶされそうになるの。

 何も存在しない 闇の穴を覗き込んで、

 自分にはアイデンティティなんて あるのかと思った。

 幸い 素晴らしいドクターや 家族に支えられて、 私はBPDから回復したの。

 この旅路を 歩きたがらない人もいるでしょう。

 全てのノン・ボーダーの人が、 ボーダーの人との関係を 続けるべきだとも思わない。

 多くの場合は、 自分を守って、 人生を先に進むことが必要でしょう。

 でも、 もっと親密で幸せな関係に なれることもあるの。

 人には 驚くほど優しくなれる 能力がある。

 憎しみと同じくらい、 愛情と優しさに満ちているわ。

 苦痛や葛藤には すごく意味があったの。」

 知識を得るのは 比較的たやすいことです。

 今度は、 知恵です。

 以下のことや、 様々なことが起こるでしょう。

・ 長年の信念や価値観に 疑問を投げかける

・ ずっと避けてきた 問題に直面する

・ ボーダーの人との間の 暗黙の取り決めを見直す

 それらの過程で、 あなたは 自分が本当は 何に価値を置いているのか,

 自分が 本当はどういう人間なのか、 見つけることができるでしょう。

 自分の気付かなかった強さを 発見するでしょう。

 これ以上に大切なことは、 人生にほとんどありません。

 「自分自身に忠実になれば、 必ずや 人にも忠実になれる」 (シェイクスピア)

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 
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いま決断すること (5)

2013年06月02日 21時13分40秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
○ 選択の余地のない関係

 ボーダーの人の親, 子供, 兄弟姉妹がいる場合などは、 決めるべきなのは、

 境界を設定して守ること, 自分が押しつぶされないようにすることです。

 その人とどれだけ接するか、 どれだけエネルギーを費やすかなどに、

 境界を設けることができます。

 一貫した手本と、 ボーダーの人の行動に対する 一貫した反応を示し、

 境界を強化してください。

 関係が大きな苦痛をもたらし、 相手に変化する気がないなら、

 一時的または永久に 関係を絶つ選択肢もあります。

ex.

 私は ボーダーの息子のことに集中しすぎて、 自分や夫や娘のことを 見失っていた。

 私は、 息子が引き起こす混沌から 身を引かなければならなかったの。

 息子には この境界が不服だったみたいで、 3年も連絡を絶ったの。

 でも彼も、 境界があっても 何の関係もないよりましだって 思ったみたい。

 今はちょっと不自然だけど、 何とかやっていけるの。

 彼は私たちなしでも 生きていけるって学んだ。

 私も、 息子を変えることはできないって 認められるようになったの。

○ 癒しと希望

 あなたが何を決断しようと、 そこには希望と癒しがあります。

 ひとつの関係が 終わる際の癒し、 愛する人が BPDから回復する希望です。

ex.

 ボーダーの夫と 離婚して10年、 私は自分自身について 沢山学んだ。

 それまで避けてきたことや、 認めようとしなかったことを。

 前より意識的に生きてるわ。

 彼を責めても意味がないし、 状況が良くなるわけじゃない。

 彼は 私を傷つけた以上に、 彼自身を傷つけてたのよ。

 彼が感じていた孤独, 恐怖、 それが 彼に対する私の怒りを 鎮めてくれるの。

 私は彼を見捨てた。 酷い罪悪感を感じていたわ。

 でも それを手放さなくてはならなかった。

 私は彼を助けられなかったけど、 自分を破滅させることもできなかったのよ。

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 
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2013年06月01日 21時10分57秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
○ 選択した関係

 選択した関係ならば、 ボーダーの人が 本気で回復を約束した時、

 ノン・ボーダーの人は 喜んで彼らを支えます。

 ボーダーの人が 責任を取らない場合は、

 ノン・ボーダーの人が どんなに頑張っても、

 結局 その関係は終わってしまいます。

 幾つかの例を紹介します。

ex.

 彼女は 僕が愛している女性で、 たまたま精神疾患を 持っていただけなんだ。

 治療を受けたり入院したりして、 彼女との関係は もっと親密なものになったよ。

 彼女に誠意を尽くした ご褒美は素晴らしいものだ。

 恋に落ちた時と 全く同じ明るさ, 情熱, 美しさなんだ。

 BPDの 恐怖や混乱は消え去っていた。

 彼女も僕も成長したんだ。

ex.

 彼とは何度も別れたけど、

 彼が謝って、 どう変わるか言ってくれたら、 元に戻るの。

 彼は 親切だしかっこいいし、 気前もいい。

 怒りを爆発させたり、 暴力を振るったりしない。

 自分の行動を改めようと 真面目に合張ってる。

 リスクも承知だけど、 彼を愛しているし、 彼との人生を 楽しもうと思ってるの。

ex.

 コミュニケーションする努力は 私の仕事だった。

 境界線を引くのも、 病気を理解するのも私。

 でも片方の人が 何でもする関係なんて、 そんなのありかしら? 

 勇気が要ったけど、 私は切ったの。

 彼の苦悩は 彼に返してあげた。

 そんなことができる力が 私にあったなんて 思ってなかった。

 でも 私が自分の気持ちを取り戻したって、 全然問題ないんだわ。

 誰にでも こういう選択の自由があるのよ。

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 
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