(前の記事からの続き)
*「BPDの人の行動を 個人的に受け取ることは やめましょう。」
(BPDがさせる行動であって、
その人個人が、 あなた個人に していることではない。)
ここでは、 BPDの人の 過剰で非現実的な 反応を扱います。
ただし、 BPDだけが原因と 決める前に、 次のことを考えてみてください。
起こった出来事に対しては、 双方が役割を演じています。
あなたの言動の 責任を無視して、
BPDの人の感情を 否定することは反生産的です。
また、 BPDの人は 非常に勘がいいので、
あなた自身が気付いていない あなたの思いを 見つけることがあります。
それが真実かどうか、 自問してみてください。
物事を個人的に受け止めるな という助言は、
与えるのは易しくても、 従うのは難しい助言です。
では、 救急医の場合を 想像してみてください。
交通事故に遭った 子供の命を 救おうとしますが、
運び込まれてきた時点で すでに瀕死の状態でした。
懸命の努力の甲斐もなく、 子供は亡くなってしまいます。
父親は 医師に向かって叫びます。
「この無能の馬鹿野郎! お前が殺したんだ! 当局に訴えてやる!」
救急医は、 父親が 子供の死のショックで 罵倒していると認識するでしょう。
彼の反応は 過酷な状況のなせるもので、 医師とは無関係なのです。
反応の刺激となったのは、 子供の死という 外的なものでした。
けれども BPDの場合、 刺激は 出来事への BPDの人の内的解釈です。
外的現実とは 似ても似つかないか、 全く異なっているかもしれません。
刺激はBPDの人には 明白で劇的かもしれませんが、
私たちにとっては 目に見えない (故に非論理的な) ものです。
〔 「BPDのABC」 ランディ・クリーガー/E・ガン (星和書店) より 〕
(次の記事に続く)