「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

心子を知る 臨床心理士の人(1)

2006年10月31日 22時23分09秒 | 心子、もろもろ
 
 僕の知り合いで、ありし日の心子を 知る人は、

 僕が心子に紹介した 主治医の先生以外、ほとんどいません。

 その 数少ない人の一人に、ある精神科の病院の 臨床心理士 Aさんがいます。

(少し年配の女性。)

 この病院には、患者さんとスタッフが 一堂に会して 話し合う会が 毎月あります。

(元々、スタッフミーティングで 患者さんのことを話す際に、

 患者本人がいない所で 自分のことを話されるのは おかしいと、

 ある患者さんが 申し出たことから 始まった会でした。)

 院外の一般人も 参加できる会で、以前 僕はそこに 顔を出していました。

 心子と僕が 初めて知り合ったとき この会の話が出て、

 彼女も 出席したいと言いました。

 その病院は たまたま 心子の住まいの近くでもあり、その一週間後、

 心子と一緒に その会のクリスマス会に 参加したのです。

 10年くらい前のことで、Aさんは そのとき 心子に一度会っただけでした。

 でも 拙著「境界に生きた心子」が発刊されたときに 連絡すると、

 ちゃんと 心子のことを覚えていて 彼女を偲んでくれました。

 Aさんも 臨床心理士として ボーダーの人と 深く関わったことがあり、

 身も心も ボロボロになるような 経験をされたそうです。

 そんな体験から、拙著を読まれて 息が詰まるような、

 しかし 澄んだ 切迫した空気に包まれたと 言ってくださいました。

 そして、病院で 拙著を10冊ほど購入してくれました。( ^^;)

 スタッフや患者さんが 読んでくれたそうです。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/41834024.html
 
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うつ病に 電気けいれん療法(2)

2006年10月29日 20時44分48秒 | 心理
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/41672485.html からの続き)

 治療後、再発することもあるので、予防のため 定期的に治療を続けたり、

 薬物療法と併用したりします。

 また、物忘れをするという 副作用もあり、

 治療直前の記憶が 消えることもありますが、大抵は一過性です。

 でも 改良された療法では 副作用が起きにくくなっています。

 ただ、何故 この療法が効くのか、詳しいメカニズムは 分かっていません。

 神経伝達物質の バランスが崩れている 脳の状態を、

 通電により修正する とも推測されているようですが。

 日本でも 大学病院などで行なわれており、保険も適用されます。

 麻酔科との連携が しっかりしていて、インフォームド・コンセントが

 充分になされる病院で 受けることが 望ましいということです。

 こうして 新しい療法が開発されていくのは、当事者の人たちにとっても朗報だし、

 今後も 臨床の現場が もっと進んでいってほしいものですね。

                   *

 ところで、僕は小学生の頃に、仮性近視を治すために

 電気療法を 受けていたことがあります。

 ヘッドホンのような電極を こめかみに当て、

 水を入れた洗面器の中の電極に 素足を付けて、電流を流します。

 ビリビリするのを感じて、それが我慢できる上限まで 

 看護婦さんが 電圧を上げていきます。

 1年以上 続けていた記憶がありますが、どのくらい効果があったのか、

 近視の進行が遅くなったのかは 定かではありません (^^; )。

 現在でも この療法を行なっている所も あるみたいです。
 
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うつ病に 電気けいれん療法(1)

2006年10月28日 15時50分59秒 | 心理
 
 昨日の読売新聞に、うつ病の人の脳に 電流を流して治療する

 という記事が 載っていました。

 脳に電気を流すというと、ちょっと ショッキングな気がします。

 精神病院の患者に 懲罰で電気ショックを与えた ということもあったし、

 医療者の間でも 間違った認識が持たれていた 時代がありました。

 しかし現在では、患者も了承の上で 全身麻酔して行なうという 標準的な療法で、

 WHOでも 認められているということです。

 患者に麻酔をかけ、筋弛緩剤を投与。

 これは、筋肉の強いけいれんによる 骨折を防ぐためだそうです。

 マウスピースも付け、両こめかみに 電極パッドを貼って 数秒間 電流を流し、

 数十秒から1分間 けいれんを起こさせた後、意識の回復を待ちます。

 これを週2~3回、合計で5~6回 ほどこすということです。

 
 この療法が適用されるのは 重傷のうつ病で、

・抗うつ剤が効きにくい

・自殺の危険性が高い

・幻覚や妄想を伴う

 という場合です。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/41711980.html
 

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オペラ落語を紹介してくれた臨床心理士

2006年10月27日 21時31分56秒 | 「境界に生きた心子」
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/41596129.html からの続き)

 昨日の記事に書いたオペラ落語を 紹介してくれた人は、

 僕と心子が 最初に出会った場である

 サイコドラマ ( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/20897026.html )での知り合いです。

 「境界に生きた心子」 を クリニックのスタッフの人たちにも 紹介してくれ、

 皆で泣きながら 感想をシェアしてくれたそうです。

 心子も僕も見事だった、と言ってくれました。

 冥利に尽きる話です。(T.T)
 

 ボーダーの人が 拙著を読まれた場合、

 非常に感動してくれる 人たちがいる一方で、

 とても傷つく人がおり、両極に分かれるという話を 僕はその人にしました。

 すると、その人は 専門家として しなやかで大きな視野で、こう言いました。

 ボーダーの人が 拙著で何を感じても、それは その人自身が 向き合っていく問題、

 本は 出版されれば 独り歩きするのだし、

 ボーダーの人も 本に出会ったことを 引き受けなければ と。

 確かに、ボーダーの人が 自らの問題を解決していくには、

 ぶつかった壁に 自分自身で立ち向かっていく 必要があるでしょう。

 自分の問題には、自分で答を出していくしか ないのですから。

 そして その時 何よりも大切なのは、「とことん付き合う」 という、

 パートナーや専門家の 親身で 粘り強い 支えに他ならないでしょう。
 
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オペラ落語

2006年10月26日 09時50分39秒 | Weblog
 
 知り合いの人が勤める メンタルクリニックで、

 「オペラ落語」 というものが催されました。

 演ずるは、ウーロン亭ちゃ太郎さん。

 元々 オペラをやっている人で、落語の着物で 高座に上りますが、

 落語家ではないとのこと (落語協会には入っていない)。

 軽妙な話術で オペラの解説や 舞台設定の説明をし、

 落語調のセリフで ストーリーを進めていきます。

 そして要所要所で 本格的なオペラを歌うのです。

 観客とも 当意即妙のやり取りを交わし、会場は 爆笑の渦に包まれます。

 元々3時間くらいある演目を、しゃべりも入れて 1時間内にまとめて 飽きさせず、

 洒落や 流行のギャグなども 交えながらの舞台です。

 一人で 男性役も女性役も歌いこなし、男女二重奏の駆け引きも 演じて見せます。

 こんな面白いものがあったのかと、すこぶる堪能した次第です。
 

 1本目の演目は ヴェルディの 「アイーダ」、

 休憩を入れて 2本目は 開場からのリクエストで

 モーツァルトの 「魔笛」 を演じました。

 リクエストでできるということは、全ての演目、歌詞やメロディも

 きっちり 頭に入っているのですね。

 プロなら当然なのかもしれませんが、オペラの戦慄は 非常に難しく

 覚えにくいものだと思えます。
 

 ちゃ太郎さんは 大衆演劇に誇りを持ち、オペラを 多くの人に広めるために、

 日本で (世界で) たった一人の オペラ落語の公演 行脚をしています。

 しかし、もう 引退するとのこと。

 一人で 色々な声域,声質を 使い分けるため、喉を痛めてしまうのだそうです。

 後継者もいないので、もう誰も見ることが できなくなってしまうとは、

 本当に 残念なことでなりません。

 誰か 弟子入りする人は いませんか? (^^; )

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/41649704.html
 
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天然のサンショウウオ

2006年10月23日 19時46分23秒 | Weblog
 
 友人の長野の別荘で、 「男の手料理を味わう会」 という合宿がありました。

 そのとき、近くの滝のある川で、自然のサンショウウオを見つけました。

 全長 わずか2㎝ほどで、僕の手のひらに 載っているところですが、

 指の付け根の大きさと比べ、サンショウウオの小ささが 分かると思います。

 滝へ皆で行ったとき、何かいないかと思って 石の下を探していたら、

 魚だか何だか 分からないものを見つけました。

 よく見ると 小さな手足がはえていて、

 「サンショウウオだ!」 と歓喜した次第です。 (^o ^)

 小さい生き物や 虫,植物なんかを 見つけるのが得意なんです。σ (^^; )

 動きは遅いので 手に取ることができ、皆に見せて 写真を撮りました。

 天然のサンショウウオは 見たのも 触ったのも初めてです。 (^^)

 サンショウウオは 本当にきれいな水でないと 住まないそうですが、

 とても得難い収穫でした。

 ひとしきりサンショウウオを 皆で愛でてから、静かに 水に返してあげました。

 都会暮らしをしていると、自然や生き物に触れるのは

 本当に嬉しくて 心踊るものですね。
 
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雲取山登山(2)

2006年10月22日 16時34分55秒 | Weblog
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/41430818.html からの続き)

 この日は 途中休憩した場所で、何と 野生の鹿と出くわしました。

 木立の向こうから 鹿がこちらを覗いており、

 何と5メートルほどの距離で 目と目が合いました。

 真っ黒くて、大きく澄んだ瞳です。

 そっと木立のほうへ行くと、鹿はゆっくり離れていきました。

 すると 10~20メートル向こうの斜面にも、もう一匹の鹿が こっちを見ています。

 そして 2匹は踵を返し、急斜面をピョーン、ピョーンと

 高く飛び跳ねながら 去っていきました。

 輝くような 真っ白な尻尾でした。

 自然の鹿との対面も、この登山の嬉しい収穫です。
 

 下山する時は、爪先に体重がかかって 足を痛めないよう、

 体を斜めにして ジグザグに下りたりしました。

 友達の一人は すっかり爪を痛めてしまい、その後 治るのに一ヶ月もかかったといいます。

 σ (^^; )は頭脳の勝利です。

 この日は 無事に地上へ帰還してきて ふもとの温泉に浸かり、

 下界で味わうビールは また格別でした。

 翌日や翌々日は 筋肉痛に悩まされるのではないかと 心配しましたが、

 意外にそれもなく、体力に結構 自信を持ってしまいました。 (^^)

 また機会があれば、ぜひ再挑戦してみたいものです。
 
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雲取山登山(1)

2006年10月21日 19時05分22秒 | Weblog
 
 中学の同級生と、東京都最高峰だという雲取山に 登ったときの写真です。

 僕は 山登りは初めての経験ですが、誘われて挑戦したのでした。

 登山前日の夜は ふもとの民宿に泊まって 一杯やり、

 翌朝早く 出発しました。

 登り口までは車で行き、そこから 一本道の登山道を登ります。

 もう何年も運動をしておらず、登る前は不安もあったので、

 体力を温存しながら 注意深く登っていきました。

 僕は人並みはずれた汗かきなので、途中 何枚もシャツを着替えながらの 道のりです (^^; )。

 かなり険しい坂道や 濡れた所もあり、

 まさに獣道のような 急峻な斜面は 結構危険も感じます。

 大自然の山懐に抱かれて、岩を乗り越えていきました。

 頂上近くになると さらに勾配はきつくなり、

 初めから飛ばしていた 友達の一人は すっかりバテて、

 約100メートルごとに 息が上がって休んでいました。

 σ (^^; )はエネルギーを保っていたので、まだまだ余裕です。

 そして、頂上を制覇したときの 記念写真が上の画像です。

 東京で 一番高い所ですね。

 やはり ちょっとした征服感です。

 日頃 自然と接する機会がほとんどないため、実に貴重な体験でした。

 澄んだ空気に 心身を洗われるようで、リフレッシュされます。

(友達の一人は かなり懲りたようでしたが (^^; )。)

 健康のためにも、また時には 自然の威容に 挑んでみたいものです。

(続く)
 
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通り道にカルガモの親子

2006年10月20日 11時47分25秒 | Weblog
 
 少し前のことです。

 家のすぐ側の道を、お母さんカルガモと 数羽の子ガモが ヨチヨチ歩いていました。

 こんな所に 本当にかわいい珍客です。

 近くには カルガモのいる川があるのですが、人の足で歩くと 最短距離でも5分あまり。

 子ガモが歩いて来られる距離なのかと 訝りました。

 見ていると、母ガモは住居の庭に入って、また出てきたり、ウロウロしています。

 また別の家の庭に 入ったかと思うと、しばらくすると出てきて……。

 どうやら 子ガモが1羽迷子になって、お母さんは一生懸命 探しているらしいのです。

 猫に襲われでもしないかと 気がかりでしたが、やがて 子ガモは見つかったようでした。

 それにしても 親子はこんな住宅街に 何をしにきていたんでしょうね? 

 人間がいる都会の池や川は 天敵から身を守れるため、カルガモが飛来するそうですが、

 昼下がりの ちょっと微笑ましい光景でした。
 
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高橋由美子のポスター

2006年10月19日 18時13分47秒 | 心子、もろもろ
 
 心子が 僕の部屋のポスターを ゴミ箱に捨ててしまった というエピソードを、

 拙著 「境界に生きた心子」 に書きました。 (p.41)

 そのポスターは 実は高橋由美子です  (^^; )。

 当時 僕は部屋に 高橋由美子のポスターを 何枚も貼っていました。

 心子は ポスターに見つめられているみたいで 嫌だと言うので、

 仕方なく ポスターをはがすことになりました。

 ポスターは 押し入れに仕舞っておこうと 僕は思っていましたが、

 心子はふざけて 何とゴミ箱にねじ込んでしまいました。

 僕が 慌てふためいて怒ると、彼女は 途端に落ち込んで

 抑鬱状態になってしまいました。

 そうなるともう、全てを許して、

 ただただ ひたすら 慰めなければなりませんでした。
 

 その後、何かにつけて このとき僕が怒ったことを

 心子に あげつらわれたものでした。(・_・;)

 今は ポスターのない 僕の部屋の壁には、

 亡くなった お袋が描いた 油絵やちぎり絵が飾られています。
 
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「サッドムービー」

2006年10月18日 20時47分00秒 | 映画
 
 これも韓国映画。

 4組の男女 (母子を含む) の、別れを描く話です。

 別れと言えば 悲しいものですが、何故かこの映画は

 どのエピソードも すがすがしさのようなものが 感じられ、

 心が清らかになる 気持ちがしました。

 男女の別れ話を 代行する 「別れさせ屋」 などという 仕事を始めた男がいて、

 何てバカなことをしているんだ と思いながら見ていましたが、

 最後は この設定が巧みに活かされ、泣き笑いを誘います。

 遊園地で 着ぐるみのバイトをしている 聴覚障害の女の子と、画学生の、

 言葉のない 出会いと別れは、ロマンチックさをかもしだしています。

 言葉を話せないことや 顔に傷があるハンディを、

 まっすぐに相手に伝える さわやかな演出に 好感を持ちます。

 また、常に命の危険にさらされる 消防士と、

 その仕事を理解しながらも 事故を恐れて出動してほしくない 恋人の関係は、

 いつでも 葛藤の絶えないドラマになりますね。

(ただ、ラストの この消防士のビデオだけは、

 消防士として あるまじき行為で 遺憾でしたが。)

 次々と 新しいラブストーリーを生み出す 韓国映画は、

 これからも躍進するようです。
 
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「トンマッコルへようこそ」(2)

2006年10月16日 00時10分34秒 | 映画
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/41170182.html からの続き)

 村の少年が イノシシに追われる場面では、兵士たちは 少年を助けるため、

 敵味方の立場を忘れて 協力し合い イノシシを退治します。

 見事な連携プレイが コミカルなスローモーションで映され、

 会場のそこかしこから 笑い声が起こりました。

 
 この映画で 何といっても印象的なのが、紅一点とも言える 村娘・ヨイルです。

 ちょっと頭が弱いけれど、まさに天真爛漫そのものの 娘を、

 カン=ヘジョンが演じます。

 「オールド・ボーイ」(2003年)で、相手の男が実の父親だとは知らずに

 関係を持ってしまうという、ショッキングな役どころを見せた カン=ヘジョンが、

 この作品では 打って変わって、とってもチャーミングで かわいらしい。

 若い兵士は彼女に 恋心を抱き、その純真無垢さには 誰もが心を洗われます。

 作品の柱のひとつでしょう。

 
 ところが、この話は 単なるファンタジーや ハッピーエンドでは終わりません。

 戦争という、個人ではどうしようもない 巨大な力が、

 村人や兵士の上に 襲いかかってきます。

 その中で、過去の心の傷を抱えた 兵士のエピソードも描かれ、

 その傷を癒すドラマもありました。

 最後は 悲しさを伴う物語でしたが、それだけに、

 ほのぼのとした 夢のような村・トンマッコルの 人々の心持ちが、

 いつまでも胸に残り いとおしくて忘れられません。
 
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「トンマッコルへようこそ」(1)

2006年10月14日 14時34分15秒 | 映画
 
 韓国で 6人に一人が見たという 記録的なヒット作です。

 「トンマッコル」とは “子どものように純粋な村” という意味。

 舞台は 朝鮮戦争の真っ只中、連合軍,韓国軍,人民軍の兵士 計6人が、

 山奥深くの村 「トンマッコル」 に偶然 迷い込んで 鉢合わせになります。

 ここに住む 村人たちは、いつも笑顔で 争うこともなく、互いに助け合いながら

 自給自足をし、ユートピアのように平和な 生活を送っています。

 戦争が起きていることも知らず、生まれてから 武器など見たこともありません。

 兵隊が銃口を向けて 「手を挙げろ!」 と叫んでも、

 その意味さえ分からないのです。

 一触即発でにらみ合う 兵士たちの間に はさまれても、

 イノシシに 畑を荒らされたことのほうが、はるかに重大事でした。

 兵士たちは、そんな拍子抜けの 村人たちに接し、傷の手当てをしてもらったり、

 食事をもてなされたりしているうち、次第に気持ちが変化してきます。

 双方敵対して 争うことの無意味さを感じ、

 本来の人間らしい交わりや、素直な感情を 取り戻していきます。

 そして、村人と一緒に ジャガイモを収穫したり、草原でソリ遊びをしたり、

 祭りで歌を歌って はしゃいだりするようになりました。

 兵士たちも 戦争の場で出会わなければ、普通の善良な市民同士、

 お互い親しみをもって 友人として知り合うことができたのです。

 そんな、誰もが心の底で望んでいる 優しいハートを、

 トンマッコルの人々は 思い出させてくれます。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/41222575.html
 
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「16ブロック」

2006年10月13日 21時48分14秒 | 映画
 
 明日からロードショーですが、先日 試写で観ました。

 「ダイハード」をはじめ、最も不運で手ごわい 刑事を演じてきた

 ブルース=ウィルスが、またしても 最悪の日を迎えます。

 うだつの上がらない 刑事・ジャック(ブルース=ウィルス)は、

 裁判の証人を 16ブロック(約1.5km前後)護送する 仕事を命じられます。

 それは 簡単な任務の はずだったのに……。

 その証人は ニューヨーク市警の 刑事の悪事を目撃しており、

 刑事たちは 証言を阻止するため、証人を強奪して 抹殺しようとします。

 ジャックは 決して熱血の正義漢では ありませんでしたが、

 それを知った 瞬間、黙認できる限界を 超えてしまいます。

 たった独りで ニューヨーク市警を敵に回し、証人を裁判所まで送る

 短くて長い 至難の道が始まります。

 雑然として 猥雑な ニューヨークの街が、ドラマの舞台仕立てになっています。

 ジャックは、何度も 絶体絶命のピンチに立たされながら、

 見事な機転と度胸で 乗り越えていくのです。

 スリルとサスペンス、アクション映画の基本が 絶妙に作られていました。

 そして 終盤では、ジャックの良心の ドラマも展開され、

 どんでん返し、大団円を迎えます。

 丹念に練り上げられた シナリオの秀逸さに 感服します。
 

 下腹の出た ブルース=ウィルスは、メイクなのか 本当に腹をたるませたのか、

 くたびれた 中年刑事の雰囲気を 漂わせていました。

 職務に対する 気概もなく、だれ気味だった男が、

 悪を許してはならないという 使命に目覚めていく一瞬は 見物でした。
 
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「手紙」

2006年10月12日 10時02分11秒 | 映画
 
 東野圭吾の原作を 映画化、試写で観てきました。

 直貴(山田孝之)の 兄・剛志(玉山鉄二)は、

 直貴の学費のために 盗みを働き、誤って 家人を殺してしまいます。

 兄弟は 塀の中と外で ずっと手紙を交わし合います。

 しかし直貴は、身内に殺人犯がいることが 周りに知られると、

 仕事もやめさせられ、住居も追い払われ、

 そんなことを 何度も繰り返す 羽目になります。

 お笑い芸人を目指していますが、やはり兄の存在のために、

 夢を諦めなければならず、

 恋人とも 別れざるを得なくなってしまいます。

 兄がいる限り、直貴の人生は 決して日の目を見ることはない。

 そして 兄との手紙を絶つことに……。

 直貴に思いを寄せる 由美子(沢尻エリカ)は、そんな直貴を 力づけようとします。

 現実から逃げるのではなく、ここで 生きていかなければならないのだと。

 抗いがたい 厳しい現実の重み。

 けれども それにつぶされずに、あくまでも 立ち向かっていこうとする勇気。

 それを 作品は描いていきます。

 人の繋がりと 希望を 感じさせる映画だと思います。
 

 沢尻エリカの由美子は、最初は軽そうな、

 何を考えているのか 分からないような女に 感じられましたが、

 地面に根を張った、性根の座った 女性のようでした。

 陰ながら 兄弟の絆を支えていたのです。

 一方 山田孝之は、お笑い芸人には 向きませんでしたね。

 やっぱり 暗い。 (^^;)

 殺人犯の弟が お笑いという設定にも 無理があるのかとも思いますが。

 でも ラストシーンの、お笑いを活かしたシチュエーションは

 とても上出来で効いており、感涙をそそられる 名場面でした。
 
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