海上保安庁による海中の捜索が 15日から始まっていますが、
遺体の収容は 困難を極めているようです。
当初から僕は、 津波に持って行かれてしまった 人を探すのは
大変だろうと思っていましたが、 具体的な現実が分かると 深刻さが増します。
海保が28日までに 収容した遺体は、 まだ76体だそうです。
がれきが積もったり 海底がえぐられたりしていて、
今の海の状態は 常識が通用しないといいます。
予測できない水の流れのため、
行方不明者がどこに漂流するのか 目星がつかないのです。
しかも 三陸のリアス式海岸は、 陸地に近くても すぐに水深が深くなるため、
少し沖合に流されると 水圧が高くなり、
流された人が 浮かび上がる可能性も 低いといいます。
30人の潜水士が 二人一組で潜りますが、
津波の影響で海は濁り、 視界はほとんどききません。
二人が手をつなぎ、 海底の泥を巻き上げないよう 注意深く手探りで捜します。
海面には 建物の破片や漁具などが 数多く漂い、 極めて危険な状態です。
漂流物に潜水服が引っかかれば 浮き上がれず、 命にも関わる作業です。
また 遺体の傷みも激しく、 強烈な腐敗臭で、
ある隊員は 何回も顔を背けて 吐いてしまったそうです。
それでも海保は、 一人でも多くの人を 家族の元に戻してあげたいと、
困難な捜索に 立ち向かっているのです。
ここにも、 被災者のために 身を削って 奮闘している人たちがいます。
〔 参考資料 : 朝日新聞 〕