「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

弁証法的行動療法

2007年06月24日 20時13分48秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
 「パーソナリティ障害がわかる本」に 人格障害の治療として、

 境界性パーソナリティ障害の 治療を中心に 述べられています。

 その中で、最も有効な 療法のひとつとして

 注目されているのが 「 弁証法的行動療法 (DBT) 」 です。

[ 参考記事: http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/45269689.html ]

 弁証法的行動療法 (DBT) では、

 完璧な愛情か 完全な絶望かというボーダーの人の 二分化された見方を、

 弁証法的に乗り越えていく、思考や行動を 身に付けていくのです。
 

 DBTの 中核的な戦略として、 「有効化」 と 「問題解決」 があります。

 一般にボーダーの人は 自己評価が低いため、

 自分のやったことは 悪いことだ,価値がない,意味がないものだという、

 「無効化」 をしてしまいます。

 それに対して 「有効化」 は、ボーダーの人の 行動や感情の中にある、

 プラスの側面や 意味を見出し、ポジティブな価値を 認めることです。

 適切な言動では ないかもしれないが、現状への適応として、

 本人にとっては意義がある と理解するのです

 全てを丸ごと受け止める 受容ではなく、部分的な肯定です。

 それは、全か無かの 二分化した思考を 是正していくことになります。

 自分の愚行の中にも 一分の理があった と知ることで、

 全面的な否定に 陥ることを免れるのです。

 
 受容的な 「有効化」 に対して、「問題解決」 は 変化を求めるスキルです。

 支持的なアプローチと、自分を変えるアプローチの

 バランスを取ることが、DBTの要となります。

 変化を助ける4つの技法があります。

(1)不測の事態への対処

(2)行動スキルトレーニング

(3)暴露に基づく技法

(4)認知の修正

 特に、自殺企図のコントロールに関する 「不測の事態への対処」 について、

 学習理論による強化と、消去の作業を 徹底して続けることが、

 長期的な問題行動の 改善につながります。

 自殺行動によって 相手を操作しようとする人に対して、それに応えてしまうと、

 短期的には良くても、長期的には 事態をさらに 悪化させてしまうからです。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕
 
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妄想性パーソナリティ傷害の 原因と対応

2007年06月10日 09時32分02秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48153669.html からの続き)

 妄想性パーソナリティ障害の人の親は、

 怒りっぽく すぐに子供を 叱ることが多いと言います。

 すると子供は また怒られるかと びくびくし、非難に過敏に なってしまいます。

 いつも不安で 用心深く、疑り深くなりやすいのです。

 また 親の性質を引き継いで、

 人に対しても 批判したり 攻撃するようになってしまいます。

 
 このタイプの人と 接する時には、あまり懇意にしすぎないことが 求められます。

 適度な距離を持ち、平静に対応することが 相手のためにもなり、

 信頼関係を作ることができます。

 近づきすぎると 依存されたり、期待されすぎたりします。

 こちらが期待に反すると 相手は裏切られたと感じ、

 何とか応えさせようと 執念深く まつわりつき、

 非難や脅しに 発展することもあります。

 自分の中にあるものを 相手に投影してしまうので、

 第三者として ニュートラルな立場を 取ることが肝心です。

 
 このタイプの人は、人を信じられないために

 ルールを非常に重視する 傾向があります。

 相手に対しても 首尾一貫していることを 過剰に求めます。

 だから 約束は必ず守ることが必要です。

 親密にしたり 疎遠にしたり 曖昧な態度を取るのではなく、

 終始貫徹した言動を するようにしましょう。

 そうしているうちに 信頼を得られるようになっていきます。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕
 
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妄想性パーソナリティ・スタイル

2007年06月09日 13時33分14秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48130051.html からの続き)

 妄想性パーソナリティ・スタイルの人は 基本的に人を当てにせず、

 自分のことは自分でします。

 人に対しては用心深く、じっくり相手を見てから 関係を深めようとし、

 自分のことを 迂闊にしゃべったりしません。

 でも一度 信頼すると その関係を大切にし、

 胸襟を開いて とても誠意を持って関わります。

 相手に理想を求めてしまう こともありますが、

 固執しないよう コントロールし、猜疑心は持ちません。

 微妙なニュアンスを感知して 相手の感情を鋭敏に感じ取り、心遣いをします。

 傷つきやすくはありますが、自分を失うようなことはありません。

 ヒステリックにならず 平静に意見を述べられます。

 正義感が強くて 規則を重んじ、義理堅いので 人から信頼されます。

 反面 相手の不実には 厳しいですが、寛容さも持ち合わせています。

 
 妄想性パーソナリティ・スタイルの人は 物事に慎重で、

 口を滑らせることはないので、役人や法律,政治の仕事に適しています。

 人を見抜いて 配慮したり 動かす能力を持っており、

 非常時にも備えて 仕事をするので、

 管理職や経営者として 成功する人もいます。

 周到で 失敗が少なく、堅実に昇進していくことも多いのです。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48170423.html
 
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妄想性パーソナリティ障害

2007年06月08日 11時38分00秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
 妄想性パーソナリティ障害は、強い猜疑心を特徴としており、

 人は必ず裏切るものだという 信念を持っています。

 その信念を証明するために 裏切りの証拠を探ろうとしたりし、

 逆にそれによって 人間関係を壊し、裏切られてしまうこともあります。

 権力者にもよく見られ、部下の忠誠を信じられず 不安になってしまいます。

 好意で近づいてくる人にも、自分を利用しようとしているのではないか、

 騙そうとしているのではないか と勘繰ります。

 そのため対人関係を作れず、チャンスも逃してしまいます。

 近親者の愛情や 友情も信用しませんが、表向きはそれを隠す 老獪さも持っています。

 
 もうひとつの特徴は 極度の秘密主義です。

 自分のことが人に知られて、悪用されないかと 常に危ぶんでいます。

 ささいなことでも 重要な秘密だと感じ、執拗に隠そうとするのです。

 時には気持ちを許し、自分のことを話すことがあります。

 しかし それを後悔したり、相手に依存したい感情と 裏切られる心配とで

 精神のバランスを崩してしまいます。

 
 また、傷つくことに過敏です。

 何でもない言葉でも邪推して 悪意や非難を感じ、怒ったり 侮辱されたと思います。

 何十年も前の言葉を正確に覚えていて、恨みを思い出したり 言い募ったりもします。

 妄想性パーソナリティ障害の人は、人を許すということが 最も困難です。

 自分の傷ばかりに捕らわれ、相手を許せないため 自分も苦しんでしまうのです。

 ジェラシーが極めて強いので、パートナーの浮気を 何の根拠もなく怪しみます。

 ストーカーのように相手を調べたり、DVに至ることもあります。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48153669.html
 
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スキゾタイパル・パーソナリティ障害の 原因と対応

2007年06月07日 11時54分52秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48084176.html からの続き)

 遺伝的要素は シゾイドと類似していて、

 幼い時に 温かなアタッチメントが 与えられなかったのではないか

 とも考えられています。

 シゾイドとの要因の相違は まだ良く分かっていません。

 
 スキゾタイパルの人と 接する時には、

 本人の特殊な世界を ある程度理解することが必要です。

 社会通念を押しつけると、相手は動揺し 攻撃的になったりしてしまいます。

 卓越した想像力や感性を 評価されれば、

 秘められたクリエイティブな力が 花開いていきます。
 

 スキゾタイパルの人は、自分のスタイルが尊重される環境で 生きることが重要です。

 ただし 社会的に成功するには、協調性や社交性も 身に付ける必要があります。

 自分の世界を求めていくことと、それを人に伝える努力の 両方が大切です。

 インスピレーション豊かな スキゾタイパルの人は、

 研究者,作家,宗教家,セラピストなどが 適しているでしょう。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕
 

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スキゾタイパル・パーソナリティ障害と スキゾタイパル・パーソナリティ・スタイル

2007年06月06日 11時10分52秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48046734.html からの続き)

 スキゾタイパル・パーソナリティ障害は 失調型パーソナリティ障害 とも言います。

 独特で奇妙な 思考や感覚に 支配された世界に 住んでいます。

 常に頭の中が 恐ろしく活発に動いており、自分と対話したりするので、

 独り言を言っているように見られます。

 統合失調症と近縁性が あるとされますが、幻覚や妄想が あるとまでは言えません。

 社交的でない点は シゾイド・パーソナリティ障害と似ていますが、

 シゾイドの人が エネルギーの低い おとなしいタイプであるのに対し、

 スキゾタイパルの人は 頭が働きすぎて、考えが限りなく広がっていきます。

 それが 現実を超越しているため、周りの人の目には 奇異に映ります。

 人間関係が不自然で、摩擦を起こしたりします。

 しかし 優れて直観的で、創造性やカリスマ性を 発揮することがあります。
 

 スキゾタイパル・パーソナリティ・スタイルの人は、

 独自の世界を持っており、自分の信念に従って生きています。

 けれども それに固執しすぎることはなく、他の人から学ぶ余裕もあります。

 観念的なことに優れていますが、現実能力も持ち合わせています。

 マイペースですが、過度に人を避けたり 恐れることはしません。

 信頼する人とは 安定した距離を保って 付き合っていくことも可能です。

 過敏ではあるけれど、感性が豊かで 直観的に人を見ています。

 でも 主観だけで決めつけず、客観的に見直すこともできます。

 精神世界や超常現象に 関心もありますが、幻想に浸ったりはしません。

 世間から恬然としていても、奇人ではなく マナーやエチケットも わきまえています。

 要するに、バランスを持っているのです。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48108043.html
 
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シゾイド・パーソナリティ・スタイルの 原因と対応

2007年06月04日 20時39分50秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48015317.html からの続き)

 シゾイド・パーソナリティ障害は、幼児期に豊かな愛情を 与えられなかったために、

 人からの愛情や庇護を 期待しなくなってしまったのではないか と言われます。

 ただ、大切に育てられても こういう性向を示す場合もあります。

 最近では、遺伝的,生物学的要因が 大きいとも言われます。

 ドーパミンが過剰で 過敏になってしまうために、

 人との接触が 苦痛になってしまうのではないか と考えられています。

 つまり シゾイド・パーソナリティ障害の人は、

 感情が鈍麻だからではなく、敏感すぎるので 人と接するのを避けるわけです。

 親がシゾイド的である場合も、子供はその環境を受け継いで

 同じ傾向を 示すようになってしまいます。

 ただし そういう親から生まれ育っても、シゾイドになるとは限りません。
 

 シゾイドの人と接する時に大切なのは、親しくしすぎないということです。

 シゾイドの人は 急に近づいて来られると、侵入されたように感じます。

 フレンドリーなのは良いことだ という “常識” で接すると、

 相手を混乱させてしまいます。

 なれなれしくせず 淡々と接し、少しずつ 距離を縮めていくのがいいでしょう。

 それから、本人のゆっくりしたペースを 大事にするということです。

 シゾイドの人は、スピードはなくても 驚くほど辛抱強く、

 堅実に歩んでいくことができます。

 外見からはイメージできないほど、創造的な面もあります。

 それを活かすためにも、本人のペースを 尊重することが大切です。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48084176.html
 
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シゾイド・パーソナリティ障害と シゾイド・パーソナリティ・スタイル

2007年06月03日 12時33分14秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/47700525.html からの続き)

 シゾイド・パーソナリティ障害は 統合失調質パーソナリティ障害 とも言います。

 他人への関心が低くて、元々孤独を好みます。

 感情が平板で、表情も豊かではありません。

 親しい友人は ほとんどおらず、人の目を気にしません。

 外見にも無頓着で、異性への関心も乏しいと言えます。
 

 シゾイド・パーソナリティ・スタイルの人は、

 一人でいることを好み、人に頼る必要性を感じません。

 人と付き合うことを 楽しいとは思いませんが、

 必要な交流は持って、周りから浮かないように 配慮できます。

 感情は穏やかで 落ち着いています。

 人と対立することがなく、質素で 安定した存在です。

 性的には淡白で、結婚が遅れたり 独身を通したりしますが、

 異性問題で失敗することはありません。

 世俗的な欲がないので、高潔なイメージで 尊敬されることもあります。

 自分の世界を大切にし、周囲に影響されることはありません。

 即物的なことより 精神性を求めています。

 独自の世界を作り上げたり、こつこつと努力して 成就することもあります。
 

 人間相手より、自然や機械を対象にした 仕事が向いています。

 地道な作業を 淡々と続けていく分野で 特性を活かせるでしょう。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/48046734.html
 
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強迫性パーソナリティ・スタイルに なるために

2007年01月30日 13時36分51秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/44660209.html からの続き)

 強迫性パーソナリティ障害を 克服していくには、

 自分の固い考え方を 解き放っていくことが大事です。

 人間として正しいと 思っていることも、実は 絶対的なことではないのです。

 「ねばならない」 ということに とらわれる必要はありません。

 人生をもっと おおらかに、色々な生き方に 目を向けましょう。

 人間は完全ではありませんし、自由で 束縛されない存在です。

 気楽に伸び伸びと 構えていても、案外それなりに やっていけるものです。

 無理をせずに、できないことは やらなくても構いません。

 独りで背負い込まなくても、人がやってくれたり 何とかなってしまうでしょう。

 適当でも 物事は進んでいくのです。

 
 強迫性パーソナリティ障害の人が 周りから嫌がれるのは、

 自分が正しいと思う基準を 人にも当てはめるためです。

 特に子育ての時には 留意しなければなりません。

 子供が正しく育つように しつけようとしたり、

 自分が獲得しきた価値観を 子供に伝えようとするでしょう。

 けれども 子供の人生と言えども、自分の人生とは異なるのです。

 人には人の正しさ、人生観があります。

 もし結果的に 自分と同じ結論に 辿り着くとしても、

 そこへ至る道のりを 歩むことのほうが大事なのです。

 自分のビジョンや 信条だけが絶対ではない と気付いたとき、

 逆に人は あなたの正しさを 敬うようになることでしょう。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕
 
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強迫性パーソナリティ・スタイル

2007年01月29日 11時39分09秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/44639178.html からの続き)

 強迫性パーソナリティ・スタイルの人は

 物事をいい加減にせず、きちんとした仕事をします。

 小さいことも考慮して パーフェクトを求めようとしますが、

 時間や制限の中で 適度に要領よく こなすことができます。

 自分の価値観を大事にする一方、それ以外のものも 認めることができます。

 正義感が強く、主義や信念を しっかりと持っていますが、

 自分が正しいと思うことを 人に押しつけはしません。

 厳正であると同時に、寛容で フレキシブルでもあります。

 仕事に精進しつつ、家族や私生活を 犠牲にすることはしません。

 堅苦しいことだけでなく、身の回りの他愛ないことを 楽しむゆとりも持っています。

 計画などは周到に考えても、考えすぎて決められない ということはありません。

 倹約はしても、ケチケチしすぎはしません。

 大切なものは ちゃんと取って置きますが、

 何も捨てられずに 溜め込むことはありません。

 的確さや綿密さ、責務や信用を 重んじる仕事が 天分とも言えます。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/44696379.html
 
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強迫性パーソナリティ障害

2007年01月28日 14時27分42秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
(実はσ (^^;)は このタイプだと思います。)

 強迫性パーソナリティ障害は、 秩序や価値観に対する 執着が強いため、

 かえって自分も周囲も 辛い思いをしてしまうものです。

( いつまでも手を洗い続けたり、鍵を何度も確認せずにはいられない

 「強迫性障害」 とは別のものです。)

 几帳面で義務感が強く、潔癖で 完全主義的です。

 道理や理念などを大事にし、「ねばならない」 という考え方が 強すぎて、

 それに縛られてしまいます。

 ある意味では正論で 真剣なのですが、それが極度になると

 周囲からも 疎まれてしまいがちです。

 本人から見ると 周りの人は いい加減すぎるので、

 妥協できずに トラブルが起きたりします。

 自分の価値観を 人にも要求してしまうのです。

 
 前もって決めたことや 規範を重要視するため、

 ひとつひとつ その通りにしないと気がすまず、鷹揚(おうよう)にできなくて、

 やっていることを 楽しめなくなってしまいます。

 細部にこだわりすぎる結果、全体のバランスが 取れなくなってしまったりもします。

 締め切りがあるのに 細かいことまで念入りに やらずにはいられないため、

 間に合わなくなってしまうこともあります。

 適当にやったり 融通を利かせることができないのです。

 そのため 時間ばかり食ってしまったり、オーバーワークになりがちです。

 また 使命感が強すぎて、人に頼らず 自分独りで抱え込んでしまい、

 心身を壊したり 無残な事態に 陥ったりしてしまうのです。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/44660209.html
 
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依存性パーソナリティ・スタイルに なるために (2)

2007年01月27日 21時12分30秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/44591667.html からの続き)

 人として正当な 怒りの感情を 表明するのも大切なことです。

 今まで自分を 呪縛していたものが、解き放たれる きっかけになります。

 それには 長期の年月がかかるでしょうが、

 心の中で 本音を訴えようとする働きが 少しずつ強くなっていき、

 あるとき 怒りをあらわにして、一皮むけることになります。

 「怒ってもいいんだ」 ということに 気が付くのです。

 本心をぶつけることで、かえって親しい関係に なれることが分かります。

 事を荒立てないでいることは、本当は偽りの付き合いであり、

 自分も相手をも 大事にしていないことになります。

 裏表の感情が鬱屈して、いつのまにか 不満や怨みが溜まり、

 結局 関係を壊してしまうのです。

 
 このタイプの人は、人にサービスする仕事が 適しています。

 職業という枠組みの中で、人に尽くす欲求を 適度に満たすことができるのです。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕
 
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依存性パーソナリティ・スタイルになるために (1)

2007年01月26日 20時50分02秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/44009523.html からの続き)

 依存性パーソナリティ障害の人は、

 管理的な親の 言われる通りにしてきたり、過保護に育てられた人に多く、

 自分で自分のことを決める力が 身に付きませんでした。

 独りで何かをしようとすると、親から否定されたり ばかにされたりしてきたため、

 自信をなくしてしまっているのです。

 これからは 自分で決断し、実行する訓練をしていく 必要があります。

 初めは失敗もするでしょうが、自分自身が欲することを やってみるのです。

 自分のやりたいことさえ 分からないという場合も あるかもしれません。

 最初ははっきりしなくても、迷いながらで構いませんから、

 自分で決定する ということが大切です。

 小さいことを 積み重ねていくうちに、意志や選択の力が 付いていきます。

 周りの人も、何を選ぶか助言するのではなく、

 自分で結論を出すように アドバイスしてください。

 そして その人が決めたことを重んじ、評価してあげてください。

 
 依存性パーソナリティ障害の人は、人から嫌われることに過敏で、

 迎合したり 自己否定してしまったりします。

 親の顔色を うかがってばかりいたので、大きくなっても

 人の機嫌を取り、「いい人」 を演じるようになってしまったのです。

 けれども、ずっと本心を押し隠していると、

 無意識の内に フラストレーションや恨みが 蓄積されていきます。

 それは 心身を少しずつ傷めたり、薬やセックスなどに 逃避したりしてしまいます。

 子育てにも影響が及んで、子供の心を 抑圧することがあります。

 そこから回復するには、人と波風を立てないだけでなく、

 本音で関わり合える関係を 築いていくことが大事です。

 葛藤やあつれきがあっても、心から向き合える 抵抗力を付けていくのです。

 「NO」 と言うことができたら、周りの人も それを尊重してあげてください。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/44620719.html
 
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依存性パーソナリティ障害と 依存性パーソナリティ・スタイル

2007年01月08日 08時37分01秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
 依存性パーソナリティ障害は、

 自己の無力感と 他者への依存を 特徴とする障害です。

 人に頼らなければ生きていけない と思い込んでいるので、

 自分を殺してでも 相手に同調したりします。

 そのため この障害の人は、人当たりや愛想がよく 相手に尽くします。

 素直で如才がなく、非常に 「いい人」 なのです。

 受動的な 「赤ん坊型」 「ペット型」 と、

 能動的な 「献身型」 のタイプがあります。

 前者は 自分が無力なので、相手に頼りきって 守られて生きていきます。

 主人が理不尽なことをしても、我慢するしかないと 思い込んでいます。

 後者は 独立して 経済力などもあるのですが、

 独りでは不安で 生きていけないという思い込みのため、

 ダメな男に貢いだり、新興宗教に搾取されたりしてしまいます。
 

 依存性パーソナリティ・スタイルの人は、

 大切なことを決めるときには 人のアドバイスを聞きますが、

 最後は自分で 結論を出せます。

 人に好感を与え 人付き合いが上手ですが、

 自分を卑下したり 必要以上に 人の機嫌を取ったりはしません。

 相手の気持ちを損ねないよう 気を付ける一方、

 大事なことは 「NO」 と抗弁することもできます。

 正当な怒りを 表明することもできます。

 安定した組織の中にいたり、人のためになることを 好みながら、

 自分独りの 活動や時間も大事にします。

 人との関係を大事にし、そこから 生きるエネルギーを得るのです。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/44591667.html
 
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回避性パーソナリティ・スタイルになるために

2007年01月07日 14時05分08秒 | 「パーソナリティ障害がわかる本」 より
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/43949035.html からの続き)

 回避性パーソナリティ障害の人は、

 何かをすることを 初めから避けてしまいます。

 でも、とにかく試しに やってみることが大切です。

 すると 案ずるよりも産むが易しだったり、

 うまくいかなくても 別段どうということもないというのが 分かってきます。

 経験することによって やって良かったと思えたり、

 心配や脅えが 薄らいでいくのです。

 実行を戸惑うときには、まず やってみることです。
 

 そして、成功だけを期待しないことです。

 失敗は成功よりも 貴重な体験となります。

 失敗があるから 人は成長します。

 うまくいかなかったら またやり直せばいいと 気軽に考えればいいのです。

 チャンスが隣にあるのに、勇気がなくて 手放してしまうこともよくあります。

 踏ん切って 運をつかんでみてください。

 傷つくことを どうか恐がらないでください。

〔 岡田尊司 「パーソナリティ障害がわかる本」 (法研) より 〕
 
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