(前の記事からの続き)
自殺に関して 不適切な言葉として、
「自殺のそぶり」 「助けを求める叫び」 「操作的」 などがあります。
いずれも 使ってほしくない言葉です。
1. 自殺のそぶり
「そぶり」 という言葉で 行動の深刻さが 薄れてしまうだけでなく、
本人の精神的苦痛も 軽く聞こえてしまいます。
どんな意図的な自傷行動でも (自殺企図であってもなくても)、
深刻に受け止め、 放っておいてはいけません。
「自殺のそぶり」 というのは、
単に 人の気を引こうとしているだけという 意味になってしまいます。
ほとんどの人は、 注意を引いたり 他の人に何かを伝えるために、
自分を傷つけているのではありません。
2. 助けを求める叫び
この言い回しも、
他の人の注目を得るために 自殺行動をしているという 意味になってしまいます。
他の原因を 基本的に無視し、 本人の精神的苦痛を 全く考慮していません。
自分を傷つける行動の 深刻さを弱めてしまい、
その行動によって 満たそうとしていることを 正しく評価できなくなります。
〔「境界性パーソナリティ障害 サバイバル・ガイド」(星和書店)より〕
(次の記事に続く)
「境界に生きた心子」 にも、
心子の自殺行動は 助けてほしいサインなのだと 書いています。
心子は あまりにも苦しくて、 その苦しみを分かってほしくて、
助けを求めていたのだと思います。
この場合の言い回しは、 心子の深刻さを 弱めるものではありません。