「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

TBS 「境界性人格障害」 を見た ボーダーの人の感想

2008年11月22日 21時23分28秒 | ボーダーに関して
 
 11月8日の TBS 「報道特集NEXT・ 境界性人格障害」 を見た、

 ボーダーの人が書いたブログを たまたま見つけました。

 記事を読んで 目頭が熱くなりました。

 ボーダーの方本人の 心の叫びを聞き、 周りの人間には知り得ない

 ボーダーの人の 本当の気持ちを 知ったような気がします。

 「私を理解しろ」 「育ちすぎた赤ん坊」 など、 胸に迫る言葉です。

 「ボーダーの人が パニックを起こしたときは、

 逃げた方が 本人も早く落ち着く」

 「人の目があるほど 張り切ってしまう」 ということも、

 そういうものかと思わせられます。

 下記のURLなので、 ご覧になってみてください。

http://nekotamahime.blog55.fc2.com/?no=22

 ボーダーの人は 落ち着いているときは 客観的に自分を見つめ、

 人のためを考えているものです。

 それだけに パニックを起こしてしまったときの 自分を嫌悪し、

 本当に治りたいと 願っているのでしょう。

 僕の知るボーダーの人は 純粋で、 真摯な人が多いです。

 そういうことが理解されていけば、

 ボーダーの人に対する 誤解も薄れていくのでしょうが。
 
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まとめ -- TBSで境界性人格障害の特集 (8)

2008年11月15日 21時49分22秒 | ボーダーに関して
 
(前の日記からの続き)

(以上でビデオは終わり、 スタジオでのトーク)

重松 「本当にショッキングだし、 社会の常識から 逸脱した行動も多いが、

 彼女たちの一番訴えたい 心の悲鳴は、

 そのショッキングなところに 現れていると思う。

 そこから目をそらしたり、 彼女たちを否定すると、

 わがままだとかいうことになってしまう。

 心の闇という 言い方があるが、 そう言っているうちは 孤立するだけ。

 本当に病気なんだと捉えて、 専門的な治療を 受けなければいけないと思う。

 感情の起伏が激しいから、

 それに全て 付き合ってしまうと、 周りまで大変になってしまう。

 無理をせず、 できる範囲で 気長に考えることだと思う。

 一人ぼっちではなく、 周りとのネットワークが大切。

 そこから変わっていく。

 人間関係を 広げていってほしい 」

〔 以上、 TBS 「報道特集NEXT」 より 〕
 
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家族会 -- TBSで境界性人格障害の特集 (7)

2008年11月14日 22時43分47秒 | ボーダーに関して
 
(前の記事からの続き)

 助けを必要としているのは、 患者ばかりではない。

 自殺をほのめかす我が子に 苦しむ家族を救おうと、

 7年前、 神奈川に 家族会が結成された。

患者の父親 「言い方は悪いけど、 この子がいなくなったら 自分も楽になる。

 どっかにそういう気持ちが ふと湧いてくることがある。

 一緒に死ねば 楽になる 」

 孤立する家族が集まり、 互いの苦悩を 分かち合うことで、

 ほんのひとときだが 救われる。

患者の母親 「娘が 『死ぬ!』 と言って 暴れたときに、

 『じゃあ 一緒に死のうか』 と言ったら、

 娘が 『死にたい』 と 言わなくなった。

 私たちが ふらふら動揺していると、 子供たちは ますます動揺する 」

 家族会をサポートする 看護師は、

 親が 一人で抱え込まないことが 大切だと指摘する。

看護師 「他人に話せないと、 気分的には どんどん視野が狭くなる。

 話す場所は あったほうがいい。

 それで 親が変わることで、 子供も変わっていく 」


 リストカットに苦しんでいた 愛知県の麗さんから、 突然の連絡が入った。

 大量の薬を 飲んだのだという。

 幸い 命に別状はなかったが、

 服薬から 丸1日たっても、 意識が朦朧としている。

 麗さんが 大量服薬したのは6度目。

 薬の量は これまでで最も多く、 200錠を超えていた。

 母親は 朝早く仕事に出たため、 発見が遅れた。

麗 「とにかく ゆっくり寝たかった。

 何も考えたくなかった 」

 境界性人格障害の治療には 時間が必要だ。

 その間、 家族や友人が無理をせず、

 できる範囲で 患者と関わり続ければ、症状が改善することも あるという。

〔 TBS 「報道特集 NEXT」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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接し方 -- TBSで境界性人格障害の特集 (6)

2008年11月13日 23時54分16秒 | ボーダーに関して
 
(前の記事からの続き)

 境界性人格障害の人々に どう接すればいいのか。

 それを知るために、 重松清さんが ルカさんと会うことになった。

 症状がひどかった1年前の ルカさんの日記。

「 私の未来に希望はない。

 悪いところを直すように 考えろと言われる。

 胃が痛い。 苦しい。

 首を絞めて。 殺して。

 苦しい 」

「 汚してほしい。

 堕としてほしい。

 誰か壊してくれ 」

重松 「性的な行為というのは、 一番きついことだから してしまうの? 」

ルカ「 そうです 」

重松「 それをやると、 一番きついときから 立ち直れる? 」

ルカ「 もっと落ちます 」

 感情の波に翻弄されずに 生きていくには、 どうすれば良いのか。

重松「 どんな対応をしてもらうと、 一番楽になった? 」

ルカ「 ……単純に、 話を聞いてほしい 」

重松「 聞いてるだけでいいの? 」

ルカ「 はい、否定しないでほしいです 」

 心の叫びを 聞いてくれる人がほしい。

 それは 境界性人格障害の人に 共通する感情だ。

重松「 もうこの辺で充分だよ。

 充分 君は思いやりがあるし、 もう充分 君は頑張ってるんだよ。

 そう言ってくれる存在が 周りに増えて、

 自分を責める声を かき消すくらい 沢山増えたらいいのにと思う 」

〔 TBS 「報道特集NEXT」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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依存 -- TBSで境界性人格障害の特集 (5)

2008年11月12日 11時17分51秒 | ボーダーに関して
 
(前の記事からの続き)

 見捨てられることに脅える 境界性人格障害の人々。

 都内の大学に通う ルカさん。 (仮名・22才)

 寂しさに苛まれるたび、

 自分を必要としてくれる 人を探すため、 歓楽街に足を運ぶ。

 この日も、 わずかな時間で 何人もの男性から 声をかけられた。

男 「地方から出てきた? 」

ルカ 「もともと東京 」

男 「体を売ってるの? 」

ルカ 「そういうのじゃないです 」

 自分に自信が持てず、 小学3年のとき リストカットを始めた。

ルカ 「自分は 罪深い人間だと思ってる。

 さっさと死ななければと、 常に思って 生きてきた。

 価値がない。

 何もできない 」

 今 ルカさんには、 心を許せる パートナーがいる。

 2年前に知り合った マサトさん。(仮名)

 ルカさんはマサトさんに 執拗にメールを送り、

 自殺をほのめかすなど、 振り回してきた。

マサト 「薬を大量に飲んで 病院に運ばれたと、 留守電に入っていて、

 病院へ行くと ベッドで寝ていた。

 それを見たとき、 パニックになりましたね 」

ルカ 「見捨てられて、 自分は一人になって、 そのまま全てが終わる 」

スタッフ 「全てというのは? 」

ルカ 「全てのこと。 例えば命とか 」

 マサトさんは、 独学で学んだ 病気の対処方法を 携帯電話に書き込み、

 ルカさんとの接し方の 参考にしている。

 マサトさん自身も 性同一性障害を抱え、

 理解されないことの 苦しみを知っているからだ。

マサト 「病気でつらいのは 本人だから、

 苦しみながらも 頑張っている本人を 否定する言い方はいけない 」

 しかしそれでも、不特定多数の男性と 性的関係を持つ ルカさんの行動は、

 なかなか理解できない。

 だがそれは ルカさんにとって、

 見捨てられる不安を 打ち消すための行動だった。

マサト 「本当は 性的なことに対する 嫌悪が強いのに、

 自分を傷つけたくなると してしまうのには驚いた」

〔 TBS 「報道特集 NEXT」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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見捨てられ不安 -- TBSで境界性人格障害の特集 (4)

2008年11月11日 10時48分11秒 | ボーダーに関して
 
(前の記事からの続き)

 境界性人格障害は、 感情の起伏の激しさから 他人を振り回し、

 孤立していく 対人関係の病でもある。

 大阪のマンションで 独り暮らしをする 美鳥(みどり)さん。(仮名・31才)

 3年前に アパレル関係の仕事をやめ、 今は療養中だ。

 美鳥さんは、 身近な男性に 見捨てられる不安から 逃れるため、

 あえて 無理な要求を突きつけ、 結局 破滅的な結末を 迎えてしまう。

美鳥 「最初に出たのが、 試し行為。

 ありとあらゆる 試し行為。

 急に噛みついたり、 殴っていいかと ひたすら聞いたり。

 どれだけ自分を 可愛がってくれるか、 どれだけ要求 に応えてくれるか 」

 その奇妙な行動は、 会ったばかりの 取材スタッフにも向けられた。

 取材のあと、 一人になるのを恐れたのか、

 部屋から出てきて スタッフのあとを追ってきた。

 何でもない質問をしながら、 エレベーターに 一緒に乗り込む美鳥さん。

 全ての階の ボタンを押し、わざと 時間がかかるようにして、

 引き止めようとする。

 自分は他人から どう見られているのか、

 極度な不安が 美鳥さんを 非常識な行動に駆り立てる。

 美鳥さんは エレベーターの中で うずくまってしまい、

 スタッフが帰っていっても そのまま動かなかった。


 美鳥さんの症状が現れたのは 7年前、 ある男性との別れが きっかけだった。

 いま 美鳥さんを支えてくれる人は 周囲にいない。

 その孤独と不安が、 ときに彼女を パニックに陥れる。

 畳に倒れて 震えながらあえいでいる 美鳥さん。

美鳥 「(泣きながら) 頑張っているのに、 なんでダメなの?」

 見捨てられることを恐れ、 必死で 他人にしがみつく。

 そのことが 自分を孤立させる。

〔 TBS 「報道特集 NEXT」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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自傷行為 (2) -- TBSで境界性人格障害の特集 (3)

2008年11月10日 10時57分41秒 | ボーダーに関して
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/56610434.html からの続き)

 今、 境界性人格障害を患う人は およそ250万人。

 その8割が 女性だという。

 ギャンブルや過食, セックス依存, 浪費など 自己破壊的行動が特色。

 その根底には、 身近な人に 見捨てられるのでないかという、

 極度の 「見捨てられ不安」 が あるとされている。

 麗さんは 母親に付き添われて、

 月に2回、 車で1時間かけて 通院している。

 対応の難しいこの病気を 治療してくれる病院は 多くない。

 診察室。

 麗さんの自傷行為が 止まらない背景には、

 境界性人格障害特有の  「虚無感」 があるという。

ドクター 「心の穴があって、 埋められないものが 虚しさにつながる。

 その心の穴は ふさがらない?」

麗 「ふさがらない。

 他人と比較したり、 世の中と自分を考えると、 自分はポツンとしている」

 40~50人に一人は 境界性人格障害になる。

ドクター 「誰かに常に 関心を向けてもらうことで、 心の欠損を補える。

 常に自分に 関心が向いていないと、 不安になってしまう」


 年間3万人を越す 日本の自殺者。

 自殺を図った人は その10倍で、

 繰り返す人は 20~30代の女性が 圧倒的に多い。

 彼女たちの6割以上が、 境界性人格障害をあわせ持つ 疑いがあるという。

ドクター 「客観的に 評価してもらえないなかで、

 周りから疎外され、 孤立する。

 だから自殺行動を 衝動的に取ることが多い」

〔 TBS 「報道特集 NEXT」 より 〕

(次の記事に続く)
 
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自傷行為 (1) -- TBSで境界性人格障害の特集 (2)

2008年11月09日 15時50分31秒 | ボーダーに関して
 
(前の記事からの続き)

 乱立する自殺サイト、 今の日本では 死にたいと訴える若者が 少なくない。

 そんな彼らの多くに 関わりのある心の病、 それが境界性人格障害だ。

 愛知県の麗(うらら)さん。 (仮名・21才)

 5年前、 境界性人格障害と診断された。

 境界性人格障害の人に よく見られる行動が 自傷行為。

 麗さんも5年にわたり、 リストカットを繰り返してきた。

麗「 絶望の真っ只中で、

 社会全体に絶望していたし、 自分自身にも絶望していた 」

 孤立することの恐怖が、 麗さんを 自傷行為に駆り立てる。

 袖をまくると、 腕には無数の リストカットの傷痕。

麗「 深い傷ができない。

 それが不満なので、 深い傷ができるまで また切る。

 気分が沈むと 切りたい。

 切って 我を忘れたい 」


 麗さんは 母と兄、 いとこと暮らしている。

 父親は、 リストカットを繰り返す 麗さんをなじり、 3年前に家族を捨てた。

 責任を感じた麗さんは、 自己嫌悪に陥り、 さらに腕を切る。

 そんな娘を見る 母の神経は、 いつも張りつめたままだ。

母「 本当に恐いのは トイレの中と、 風呂場と、 一人になる所。

 自分の部屋に 閉じこもっているときも、 扉を空けるときは恐怖です 」

 麗さんは 生きていることに虚しさを感じ、

 深夜一人になると リストカットの衝動を 抑えられなくなる。

 その様子を、 本人の了解を得て 無人カメラで撮影した。

 頭を 掻きむしるように抱え込んで、 唸っている麗さん。

麗「 抑えきれない、 衝動が…… 」

 不安と焦りから 逃れる方法が 薬だ。

 麗さんは 安定剤と睡眠薬を 服用したあと、

 さらに薬をすりつぶして、 ストローで鼻から吸入する。

 それで 即効性が増すと 思い込んでいる。

 薬の量が 前日よりも増え、 足元もおぼつかない。

 午前3時、 自ら カメラを持って移動し、 トイレに向かった。

 腕を縛り、 リストカットの 準備を始める。

 このあと、 31針縫う 怪我を負った。

(カメラの映像は ここで途切れる。)

〔 TBS 「報道特集 NEXT」 より 〕

(続く)
 
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TBSで 境界性人格障害の特集 (1)

2008年11月08日 20時37分09秒 | ボーダーに関して
 
 今日 TBSの 「報道特集NEXT」 (夕方5:30) で、

 境界性人格障害を特集していました。

 僕も 全く偶然に見て、 慌てて録画をした次第です。

 実際に ボーダーの人3人を 半年にわたって取材したというもので、

 ついにテレビも ここまできたかと驚きました。

 3人のうち二人は 顔を完全にぼかしていましたが、 一人は素顔でした。

 ボーダーの人が テレビ画面に登場するのは 相当抵抗があるでしょうから、

 TVで このテーマを取り上げるのは、

 非常に難しいだろうと 僕は思っていました。

 でも この人たちは、

 ボーダーを 理解してほしいという気持ちで 取材に応じたそうです。

 ボーダーに少しずつ 光が当てられてきて、

 社会的に 認知され始めるように なってきたのかと思うと、

 驚きと共に とても感慨深いものがあります。

 これからきっと、 他の場でもだんだん

 取り上げられるように なるのではないでしょうか。

 昨年は 日テレの 「世界仰天ニュース」 で、

 ボーダーと猟奇殺人を結びつけた、 とんでもない誤解を与える 

 興味本位の描き方をされて、 多くの人が傷つきました。

 今後は 良心的な、 ボーダーを正しく理解するための

 報道がされていくことを 期待しています。

 「報道特集NEXT」 では、

 「境界性パーソナリティ障害」 ではなく 「境界性人格障害」 という言い方で、

 自傷行為に重点を置いた 構成がされていました。

 特に心子の 一番の特徴であった 感情のアップダウン、

 理想化とこき下ろしは あまり触れられておらず、

 ボーダーの紹介として 偏った感はあります。

 しかし こういう対人関係においての トラブルを、

 TVで取り上げるのが 難しいのではないかと 僕は思っていたのです。

 親しい人との 感情的なぶつかり合いというのは、

 他人には見られたくない 最もプライベートなことでしょうから。

 もしかすると この番組でもそのために、

 対人的な 感情のトラブルのエピソードを 扱いにくかったのでしょうか。

 以後、こういう面も理解されるように 伝えていってほしいものだと思います。

 番組の内容を 順を追って 紹介していこうと思います。

(作家の重松清が 一部レポーターを勤めていました。)

(次の記事に続く)
 
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適切な行動を強化する (パワーツール〈8〉) --ランディ・クリーガー氏講演会 (14)

2008年10月17日 22時28分47秒 | ボーダーに関して
 
(前の記事からの続き)

◇適切な行動を強化する

 正の強化と 負の強化がある

 適切な行動を 強化することと、 不適切な行動が 強化されてしまうこと

 適切な行動を 強化していくようにする

 大切なのは 言葉ではなく行動

 境界が試されることを 予期しておく

 間違った行動が 強化されるのを避ける

 境界を破る行動を 強化しない

 議論をすると 論争を強化するので、 議論しない

 自分の境界を崩さないよう、 毎回はっきりさせる

 小さな目標を果たすことを 積み重ねていく

 変化することは難しい. 少しでもできたら、 それを大事にしてあげる

(以上)
 
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愛のある境界 2 (パワーツール〈7〉) --ランディ・クリーガー氏講演会 (13)

2008年10月16日 22時13分31秒 | ボーダーに関して
 
(前の記事からの続き)

・境界について 話し合う計画をする

 実際に BPDの人と話し合う前に 準備をする. セラピストと話す

 BPDがキレたときには 去っていくと、 明確にしておく

 境界を設けなかったときの 代償を考える

 崖から落とされる?  そこまで追い詰められる前に 設定する

 境界が守られなかったときの 対応策を考える

 他の家族とも同意する. BPDが子供の場合は、 父と母が合意する


 長期的結果を考える. 最悪を考えて 最善を尽くす. 頭を整理しておく

 話し合う場所と タイミングを選ぶ

 話し合うとき 怒鳴り散らしたら、 その場を離れる

 まず、うまくいっていない現状を 説明する

 感情的にならず、 落ち着いて客観的に話す

 自分がつらかったときの 感情を伝える

 「あなたがこうしたから」 ではなく、「私はこういう経験をした」 と、

 「私」 を 主語にして話す (私メッセージ)

 「あなたのせいで」 と言うと、10倍になって返ってくる

 目的は 関係性を大事にすること. 自分の感情は 別の場で発散する


 お互いの関係が 良かったときの利益を 強調する

 BPDの人が 関係を受け止めてくれたら、 二人とも 共有した目的に進める

 関係が重要でない と言ったら、 別の対応をする

 そのときも脅すのではなく、非言語のコミュニケーションが大事

 相手に 「感情的になるな」 と 押しつけない

 相手を否定しない. 相手の感情を無視しない

 自分がされたくないように、批判したり レッテルを張ったりしない


 境界を設定するときは、 許可を求めるのではなく、 こちらから言う

 自分の限界を主張する. 細かく説明しすぎない

 優しく、 しっかりと、 繰り返し言う (壊れたレコードのように)

 頭の中で ポジティブな自己対話をする

 ロールプレイをする. ブラスとマイナスを 自分の中で言い聞かせる

 交渉が必要なときもあるし、 できることもある. お互い了承できるようにする

(次の記事に続く)
 
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愛のある境界 1 (パワーツール〈6〉) --ランディ・クリーガー氏講演会 (12)

2008年10月15日 21時58分23秒 | ボーダーに関して
 
(前の記事からの続き)

◇愛をもって 境界 (限界) を設ける

 境界を守ることは、 BPDの人を守ること

 私が自分の 境界を設ける権利がある. 自分のためのものでもある

 境界をしっかりさせて、 BPDの人との 関係を守る

 境界は BPDの人が 楽になるための道具

 BPDの人は 愛とサポートを必要としている

 初めは 前より悪くなることを 覚悟する

 専門家でも 初めはうまくいかない. 優秀な人でも失敗する

 BPDの人は ニーズが深い.

  ex. 映画 「危険な情事」 …… 恋人との関係の 最初に失敗した

  初めに 何でも助けてしまった. 要求がエスカレートしていく

  BPDとパートナーの 関係を表した映画


・傘のエクササイズ

 生計を共にする BPDの人が、 傘の収集癖があるとする

 傘にお金を使い、 家中に傘が溜まってくる

 あなたは 月に何本まで、 いくらまでなら許せるか? 

 一人一人 限界は全く違う. 基準はない

 実際の限界設定は もっと複雑. 色々な条件が 混ざっている

 ひとつの答が あるのではない.  ex. セックスの平均数が あるわけではない

 限界は 私にとって独自なもの. 正しいものはない

 自分の限界は 自分で決める

 私が持つ限界の 第一の権利は、 私が限界を 持てるということ


・境界を設定するとき、 恐れ, ~すべき, 罪悪感を避ける

 自分の恐れに気付いて、 それを避けて 境界を設ける

 自分の知覚, 感情, 思考を尊重する

 自尊心が低くなっていることが、 それを難しくする

 他の人と 話すことが必要.人と同感することで 救われる

(次の記事に続く)
 
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理解される表現 3 (パワーツール〈5〉) --ランディ・クリーガー氏講演会 (11)

2008年10月14日 22時51分44秒 | ボーダーに関して
 
(前の記事からの続き)

・目的を持って コミュニケーションをする

 落ち着いて 相手の話を聞き、 話し合おうという目的

 思ったことを そのまま口にする前に、

 BPDの人や自分に 何が起きているかを整理する

 まず自分の頭の中で 自分と会話して、 どう話せばいいか 自分に言い聞かせる

 状況を俯瞰的に見て、 自問自答する

 「 私はここで 何をしようとしている? 」

 目的は 一旦話を止めること. 怒りを和らげること. BPDを理解すること

 BPDの人が 理解された気持ちにすること


・話を先に延ばす. 気をそらす.

 気持ちを鎮める表現をする. 協力できる雰囲気を作る

 BPDの人は衝動的なので、 先に延ばすのは 意味がある

 理屈で説得しようとしない. 討論するのではなく 時間を置く

  ex.コーヒーを入れる. トイレに行く. 一服する

 目の前の問題を解決すれば 大きな問題にはならない

 相手を治める -- 目的を持った コミュニケーション

 「言いたいことは分かる. でも 私の言いたいのはこう」

 言葉の調子, 態度が大切

 非言語的なものは コミュニケーションの93%を占める

 言葉にするより簡単

 顔をゆるめる, 前かがみになって 興味を示す (猫背にならないよう)

 身体的接触は一番いい. 時計を見たり、 足を鳴らしたりしない

・コミュニケーションを 取らないほうがいいときもある. それを見分ける

(次の記事に続く)
 
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理解される表現 2 (パワーツール〈4〉) --ランディ・クリーガー氏講演会 (10)

2008年10月13日 21時51分12秒 | ボーダーに関して
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/56247943.html からの続き)

・共感的承認

 共感…… 相手の痛みを 理解しようとする.

        その人の立場に 身を置いて理解する

 同情…… かわいそう, 残念ねと思うこと

 相手の話の腰を折らず 最後まで聞く. 積極的に傾聴する

 言い争っていることの 底流には何があるのか? 

 相手が何を 言おうとしているのか、 聞きながら理解する

 視線を合わせて頷く. 「つらいのね」 とか 相手の気持ちを反映させる

 受け入れにくい感情も 否定しない. 「つらいなんて思わないで」 はダメ

 負の感情と思考 区別する. 共感を持って 感情だけを認める

 歪んでいる考えと気持ちを 分けて考えると、 気持ちのほうは受け止められる

 「つらい気持ちは 分かるわ」

 見えない気持ちを 受け止める. 一緒になって考えてみる


 BPDの感情は歪んでいるが、 それも持つ権利がある. それ受け止める

 二人の関係性を 大切にする

 BPDの人は 話が飛ぶことも多いが、うまくいったときの例を 持ち出してみる

 BPDの言葉を 自分に向けられたものと捉えない

 それは元々 BPDの心の底流に あるものである

 BPDの人は小さい子供. 自分のニーズに囚われている

 母は良い母か 悪い母か ふたつにひとつ. 原始的防衛

(次の記事に続く)
 
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理解される表現 1 (パワーツール〈3〉) --ランディ・クリーガー氏講演会 (9)

2008年10月11日 20時46分52秒 | ボーダーに関して
 
(前の記事からの続き)

◇BPDに理解されるように 表現する

・普通は当たり前だと 思っていることでも、

 互いの関係によって 複雑になってしまう

 そこで コミュニケーションが必要

 でもBPDの人は そのスキルを持っていない

 相手がどう思っているかを 考える余裕がない

 だから こちらが言うことを理解できない

 ノンバーバル (非言語) のサインを 出しても気付かない

 BPDの人は 自分のことで精一杯

 見捨てられ不安や 分裂思考にとらわれている

 BPDの人は 相手が 自分と違う意見を持つと、 けなされたと思ってしまう

 それだけで距離が空いて、 恐怖を感じてしまう

 BPDの人は 考えてから動くことが難しい

 だから 瞬間的に言ってしまったことで 後悔する

 BPDの人は 突発的に間違ったことも言うが、 こちらはそれは許されない

 いつ爆発するか 分からないので、 今この一瞬の 関わりにかかっている

 自分に向けられた言葉でも 流すことが必要なときもある

 しかし 暴力的になったら 警察などに助けを求める


・BPDの人の怒りを 1~10点として、 5点以上になったら その場を離れる

 5点を超えると BPDの人は 自分を抑えられないので、 安全を守る

 その時の見捨てられ感を 避けるため、優しく、落ち着いた声で言う

 「あなたのことは大切だけど、 今は感情的になっているので あとで話そう」

 「もっと じっくり話せるときにしよう」

 「私がいま 興奮しているから、 落ち着いてから話そう」

 「10分ください」 「また2時間後に」 など

 BPDの人は 引き止めて非難する. 「感情 = 事実」 になっている

(続く)
 
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