小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

小笠原凧作り!!(為朝凧)

2018年01月29日 | 島のイベント
■今年は小笠原諸島がアメリカから日本に返還されて50年の節目の年になります。
それに向けて様々なイベントが企画されているのですが、
今回実施された「小笠原凧作り教室」に僕と次女で参加してきました!

小笠原凧は戦前から島で作られていた伝統的な凧で、
八丈島から小笠原に伝わってきた為朝凧(ためともたこ)が基礎となっています。

「源為朝(みなもとの ためとも)」は平安時代末期に活躍した武将のひとりです。
古今無双の弓の名手として知られ、勇士として様々な伝説などを残しています。(結構すごいです!)

しかし、【保元の乱】 に破れ、伊豆大島に流されてしまいます。
ですが、さすがの為朝。
そこでも国司に従わず、自慢の武力で伊豆諸島を事実上、すべて支配下においてしまいます。
そして乱暴狼藉が訴えられ、追討を受け、最後は自害した伝説の武士です。

為朝凧は、八丈実記をあらわした流人・近藤富蔵 が図案を考案したものとのこと。
今も伊豆諸島で慕われている為朝を凧に描いたのが始まりのようです。
強弓の名手であることから、背中に矢が見えるのも特徴です。

※これは母島に残っていた小笠原凧です。為朝の絵が描かれていますね☆


凧の形は、風力にあった縦横の絶妙な寸法、
軽くて丈夫な竹の骨組み、
糸目の長さが緻密に計算されていて、
尾なしの色鮮やかな凧として芸術的にも評価が高くなっているそうです♪

島のおじいちゃんやおばあちゃんに聞くと、
昔は島のあちこちで作られ、
正月にはみんなが凧揚げをし、
小剣先の頂上で凧を揚げては、木に縛ってそのままにして、
集落からみんなで見上げていたといいます。

今回は島で10年ぶりに凧作りが企画されたので、
ずっとやりたいと思っていた僕は娘を誘い、参加してみました!

これは子供たちが作った凧を母島小中学校の学習発表会で展示してもらった写真です☆(完成の翌日!!)


■まずは凧作りは3日間の予定で作成から揚げるまでを組まれてありました。
が、母島小中学校の授業参観と日程が重なってしまい、
なんと金曜の夜と土曜の1日で仕上げることに!

そもそもこんなに時間をかけるのに、
大人も子供も集中力を維持し耐えられるのか心配でしたが、
結果を見ると見事、素晴らしい仕上がりだったのです!

準備、運営をしてくれたスタッフの皆さん、
本当にありがとうございます♪


■そんなこんなで早速金曜の夕方に集まり、
早速制作が始まりました。


まずはのりしろを含めた線を寸法を測りながら和紙に書いていきます。
今回は40cm×90cmの凧を作ります。
のりしろは3cm~3.5cmを周りに書きます。
まっすぐに描かないと後で困るので、
2年生の次女も必死に線を引いていきます。


線を引いた後は表に好きな絵を描きます。

次女は大好きなシロハラミズナギドリ、ヤツガシラ、りんごを描き、


僕はカツオドリを書いてみました。

とにかく、他の子どもたちの絵もほんとうに素晴らしい!!

下書きをした後、墨と筆でラインを引き、
その後は色塗りをする前に色の混ざりを防ぐために、
熱して溶かした蝋を墨で描いた周囲に塗ります。

この蝋はその後、透明に近くなるので、
凧から光が透けて綺麗に見えるラインにもなるのです♪

とても熱いので注意が必要です!

蝋をぬった後は、楽しい色塗りです☆


みんなおもいおもいの色を塗って仕上げていきます。

そのあとは竹を組んでいきます。
以前は竹を削るところもやっていたそうですが、
それをやると1週間はかかってしまうので、
今回は用意してもらいました。

この竹組みは、出来上がり後の折れや破損に繋がるシビアな部分です。

竹の固さや節を良く見極めて、
長さをよく合わせながら組んでいきます。
今回はグルーガンを使って繋いでいきました。

竹を組んだ後は、
周囲の竹の合わさったところを和紙で補強して(竹が絵を突き抜けない様にするため)、
その後、描いた和紙とドッキングさせていきます。

ペタペタと糊付けをしていく作業です。
速く塗らないと先に塗った糊が乾いてしまいます!

周囲を糊付けしたら、
今度は中心付近の竹の合わさっている部分を和紙と糊で補強して行きます。


補強したあとは千枚通しで糸を通す穴を空けていきます。

これが結構気持ちがいい♪

そのあとは凧に付ける糸を作っていきます。
凧から伸びる糸は凧の長辺の6倍の糸を6本作ります。
一つ一つ長さが異ならない様に慎重に作っていきます。
糸は伸びるので、張って測るのではなく、
たるませて、同じたるみで見極めるのがミソでした!

組穴(糸穴)を空けたら、
今度は糸を通し、結びながら、
凧を湾曲させていきます。
強引にしては折れてしまうし、
へたにバランスが悪いと、
凧はまっすぐ飛ばなくなるので、
ここも難しい所です。

結ぶ時の約束ごとは、2本の糸のうち長い糸を持っている手は糸から離さないで、
短い糸の方を2回巻いて、長い糸を引き、
根元を締めていくことが大切です。


上は狭く、
下は広めに絶妙に調整していきます。
(上の部分は凧を空高く揚げる為に必要な風を受ける部分です)

個人的にはこの作業が難しかったのですが、一番好きでした♡

このあとが一番職人芸な部分。
凧から伸びる12本の糸の調整です。

均等にしなるように、
集めた時に凧の3分の2の高さで、しかも中心に来るように、
そして張った時に凧がまっすぐ斜めに上昇するのを確かめながら、
糸を一組ずつ調整していきます。

これが本当に職人芸で難しい!!
父島から教えに来てくれた講師さんが最終調整やらないと、
なかなか凧はうまく上がってくれないらしいです☆
※これは馴れと感です!←講師・談

なんやかんやして、
2日間かけて無事に凧は完成しました!

左が僕が作った凧で、右が小2の次女が作った凧です。
本当にお疲れ様でした!

みんなの凧を並べると、ほんとうに素敵な光景でした♪

最後に感想や挨拶をして、
長い長い2日間がこれで終わりました。

作っても想像以上に大変で難しく、
びっくりしましたが、
それを教える側はもっと大変だったと思います。

貴重な経験をさせていただき、本当に有難うございました!!


■翌日は学校の学習発表会&授業参観だったのですが、
急きょ凧の展示もさせてもらうことになり、
子どもたちの凧をみんなにお披露目することが出来ました!

そして、参加したパパ達は授業で来れない子供たちに代わって、
こっそり凧揚げを習う機会を得ました!

講師のAさんはこの日に父島に帰ってしまうので、
今日習わないといけない!と数人が評議平グラウンドに集まり、
ビックリするほど冬なのに風がない中、
最低限、凧を揚げて、壊さないコツを習う事が出来ました。

自分の凧がまっすぐ空に向かって上がった時は、
凄く嬉しく、
何とも言えない感動がありました♪

その日の夕方、
次女はなんと発熱してしまい(インフルではなかったです)、
まだ次女が作った凧は揚げれていませんが、
元気になった次の休日にはぜひ凧を揚げたいと思います♡

わ~い!!小笠原凧万歳!!
どうもありがとうございました!!!