もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

米国の有力シンクタンクに中国の影

2018年08月27日 | アメリカ

 米議会の「米中経済・安全保障検討委員会」報告で、米国の有力なシンクタンク等が中国共産党中央統一工作部から資金提供を受けていることが明らかとなった。

 米国のシンクタンクは、内政・外交・経済等の主要政策に関する主張が世論に大きな影響力を持つのみならず、下野した高級官僚や明日のホワイトハウス入りを目指す人材が多く集まっているため、単なる研究機関ではなくアメリカにおける政治経済の人的補給源ともされていると認識している。孔子学院で大学に浸透し、有力シンクタンクには資金で影響拡大を図り、各議員へのロビー活動は特定の広告代理店が一括して行う、中国のハイブリッド戦略がアメリカ社会で成功しつつある実態が、ようやく明らかにされつつある。アメリカのリベラル紙も象牙の塔の汚染に警鐘を鳴らし始め、国防総省のプログラム(軍事研究の共同・委託開発)に組み込まれた大学における孔子学院閉鎖も実現しつつある。知的財産権保護のために関税障壁を設けたり、受注等の経済活動に制約を設けたトランプ大統領にとって、知的財産の宝庫である大学・シンクタンクからの中国ウィルス汚染除去は、是非にも完遂したいことと推測する。日本政府もようやく重い腰を上げて、政府機関の受注業者指名から中国の2社を外すことを検討中とされているが、いかにも遅い対応で、しかも具体的な対象(社名)を明示しない不徹底かつ及び腰な内容になるとも報じられている。この対応の遅さを見ても、日本の中枢にも中国の魔手が伸びているのではないだろうかと疑心案議に駆られる。同一行政区域内に存在する問題にも拘らず、尖閣諸島については無言、米軍基地撤去のみ主張するオール沖縄運動と運動の中核をなす共産党に関しても同等以上の思いがする。

 アメリカ東部のボストン・ヘラルド紙は社説で「大学は、保守的な思想家が構内にいることを許さないが、中国共産党が「かれら」の言葉で話すことは許している」と皮肉っているそうである。日本のテレビに登場する中国問題の専門家や研究者にも同じ臭いを嗅ぐのは、果たして自分だけだろうか。