もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

西太平洋に空母3隻

2017年11月13日 | 社会・政治問題

 西太平洋(インド洋を含む)海域に、米空母3隻が展開されている。

 空母1隻を中核とする艦隊群をCVBG(空母打撃群)と称し、通常CVBGは、攻撃空母1隻に護衛のミサイル巡洋艦・駆逐艦・攻撃型潜水艦及び艦隊随伴型補給艦(AOE)で構成される。更に、海兵隊を乗艦させた強襲揚陸艦が加われば、保有しているであろう戦術核を除いても1個CVBGで日本の自衛隊の戦力に匹敵する攻撃力を持っている。2個CVBGが連携して作戦行動を行う場合はCVBF(空母打撃団または空母打撃艦隊)と称することもあるが、CVBFを編成・展開することは稀で、極東海域では台湾海峡が緊迫した時以来と思う。それが、今回は3隻の空母すなわち3個CVBGが展開しており、アメリカの本気度を測るに十分である。CVBGの全貌と言えば空母を中心に密集して編隊航行する報道写真を思い浮かべるのが一般的であるが、写真は報道用に対艦距離3~500メートルの範囲に一時的に集合したもので実際の陣形は空母を中心として直径100マイル(約180Km)の広範囲に展開しており、空母直掩のミサイル巡洋艦以外が空母を視認することは稀である。このような広範囲の陣形にあって各艦は、GPSで艦位を維持し、指揮官とのLINK装置で攻撃目標を受け取る。現在、日米韓が共同訓練を繰り返して行っているのは、このLINKによる情報伝達と配布された情報に基づく行動を演練しているのであり、集団的自衛権の概念なくしては本土防衛に不可欠であるCVBGの戦力を利用できないのである。

 森友・加計に特化した感がある野党諸氏は、単独では近代戦を戦い得ない現状と、現状補完のためには何が必要かを理解していないか、若しくは意図的に目を閉じているのではないだろうかと思うところである。


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