APECで、日中首脳会談が行われ両国の関係改善で一致したと報じられている。
関係悪化は、主として中国の尖閣諸島に対する横暴や南京虐殺問題を発端として顕在化したものであるが、中国が両方の問題について軟化する兆しすら見せない現状にあっては、関係改善は絶望的と思われるしすべきではないと思う。中国がする関係改善のための要求は、尖閣諸島の権益を中国にひき渡す、南京虐殺を史実と認める、九段線の容認、一帯一路構想への参加等であると思うが、どれ一つとして日本の国益に合致する項目はない。関係改善を働きかける習近平の真意は中華思想・覇権主義の形を変えた微笑作戦で、日本に朝貢を求めるものではないだろうか。更には、陰に陽に日本の改憲を阻止しようとの内政干渉に至っては、李王朝に対する清の政治姿勢を彷彿させるもので、とても現代の国際感覚からは想像もできないものである。太平洋を東西に2分して、東はアメリカが西を中国が支配するという構想に至っては、大航海時代にスペインとポルトガルが植民地獲得の地域を2分した歴史の再来であり、時代と歴史と国際感覚を無視する中国の野望には戦慄を覚えるるとともに、中国は信頼できるパートナーたり得ないと思う。
自分は、日本が一歩身を引いた形で何らかの要求を受け入れて為されるであろう日中関係改善には、断固として反対するものである。今、早急な日中関係改善を主張する有識者の真意と、国家元首でなかった習近平を慣例を無視してまで陛下に拝謁させた小沢一郎氏の所感を知りたいところである。
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