もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

当地の会釈事情

2025年01月18日 | 世相・世論
 買い物に行く途中、歩道上の前からくる3台の自転車に遭遇した。
 丁度離合するであろう地点に電柱があるので、自転車をやり過ごすために立ち止まった。自転車の主は東南アジア系と見受けられる若者であったが、驚いたことに3人とも道を譲った自分に会釈して走り去った。彼らの会釈がお国の風習か、はたまた郷に入らばの故かは分からないが、清々しく感じた。
 当地に越して早10か月、首都圏とは混雑の程度が低いとはいえ、公共交通機関の優先席に居座って寝たふりをする若者の姿を目にすることも少なく、席を譲られたことも首都圏の10年分くらいある。また若者に何かを譲れば、必ずに会釈や笑顔が返ってくる。
 流石、長幼に序を求める九州の風土と感じ入る半面、些かに残念に思うところがある。それは、老人に何かを譲っても、会釈が返されることは極端に少なく、皆無と云っても差し支えない程である。スーパーでカート道を譲ったり、病院で席を譲ったり、デパートのドアを支えて先に通したりしても、老人は平然と、当然のことと受け取るのか、会釈はおろか仏頂面を崩すことも無い。
 順送りの文化で、自分は若年時に老人に譲ったため、今その返礼を受けるのは当然ということであろうと推測しているが、些か寂しい思いがする。
 自衛隊では、高官の入室にはしかるべき隊員がドアを開けて待機し、入室前には「誰誰入られます」と室内に知らせることが一般的である。その際入室する高官はドア前に待機する隊員に会釈までには至らぬが「頷く」ことで謝意を表す。しかし、中にはそれらをしない高官もいるにはいるが、概ね統率力に難ある人と見られている場合が多い。
 会釈は集団生活の潤滑剤であり、決して卑屈の所作や自分の優位を損なう所作ではないと思うので、老人が会釈すら返さない九州文化と雖も一考に値する側面があるのでは無いだろうか。
 古来から、行違う人への心遣いとして「傘かしぎ」の美風があり、山本五十六提督は、兵卒の敬礼に対しても美しく答礼されたとされる。


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1 コメント

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こんばんは (あほうどり)
2025-01-18 20:53:02
九州の一部地域の方たちだけが使う話し言葉の『離合』って、ほぼ意味不明の方が多いかもしれません。
 九州全県に同期生がいる私はたまたま意味が分かりましたけど・・・

山本五十六提督は
単なる平民に国葬に付すことを強硬に異議を述べた昭和天皇以外
の国民は総じて偉人と認識されています。私も歴史上で二番目に尊敬しています
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