茨城県立水戸第二高校(水戸市)の地学部員たちが、車いすで使える天体望遠鏡づくりに挑戦している。
難病を抱え、電動車いすで生活する同校1年中村 文美 ( ともみ ) さん(16)が今春、入学したのがきっかけ。0・1ミリの誤差も許されない精密さが求められるうえ、特別仕様なので試行錯誤の連続。それでも、部員らは協力し合い、根気よく作業に取り組んでいる。
中村さんは、筋力が衰えていく進行性の 脊髄 ( せきずい ) 性筋 萎縮 ( いしゅく ) 症。養護学校から今春、県内有数の進学校の同校に合格した。望遠鏡で星空を眺めるのが好きだったが、病気が進行し小学校低学年から難しくなったという中村さん。入学を知った部員や顧問の岡村典夫教諭(48)が、「自分たちにできることは望遠鏡を作ってあげること」と、製作を決めた。
同校の地学部は、英国の天文学者が18世紀に使った望遠鏡を復元するなど、これまで4台の天体望遠鏡を製作。その成果を2006年8月、チェコで開かれた国際天文学連合総会で発表し、注目を集めた。国立天文台の渡部潤一准教授(惑星科学)も「水戸二高の望遠鏡の精度の高さは、高校生としては世界トップレベル」と太鼓判を押す。
車いす仕様の望遠鏡は口径400ミリ。本体は木やアルミ製で長さ約1・5メートル、重さ約50キロ。台座を含めると150キロを超える。座ったままで観察できるよう、中村さんの目線に合わせて、本体の高さ93センチの場所にのぞき口を設ける。このため、反射鏡がこれまでより1枚多い3枚必要で、本体の板厚を倍にして強度を上げるなどの工夫も凝らす。
主に2年生が設計、1年生が製作を担当。先輩らのアドバイスを受けながら、「文美にきれいな土星の輪を見せよう」を合言葉に、放課後の作業に没頭する。
岡村教諭は「車いすの物理学者」として知られるホーキング博士も「車いすはハンデではなかった」として、「チャンスを与えれば子どもは伸びる。中村さんも自分の可能性を見つけてほしい」と望遠鏡作りに込める思いを話す。
完成は来年3月。養護学校で中村さんやほかの車いすの子どもたちにも星空を楽しんでもらうつもりだ。
難病を抱え、電動車いすで生活する同校1年中村 文美 ( ともみ ) さん(16)が今春、入学したのがきっかけ。0・1ミリの誤差も許されない精密さが求められるうえ、特別仕様なので試行錯誤の連続。それでも、部員らは協力し合い、根気よく作業に取り組んでいる。
中村さんは、筋力が衰えていく進行性の 脊髄 ( せきずい ) 性筋 萎縮 ( いしゅく ) 症。養護学校から今春、県内有数の進学校の同校に合格した。望遠鏡で星空を眺めるのが好きだったが、病気が進行し小学校低学年から難しくなったという中村さん。入学を知った部員や顧問の岡村典夫教諭(48)が、「自分たちにできることは望遠鏡を作ってあげること」と、製作を決めた。
同校の地学部は、英国の天文学者が18世紀に使った望遠鏡を復元するなど、これまで4台の天体望遠鏡を製作。その成果を2006年8月、チェコで開かれた国際天文学連合総会で発表し、注目を集めた。国立天文台の渡部潤一准教授(惑星科学)も「水戸二高の望遠鏡の精度の高さは、高校生としては世界トップレベル」と太鼓判を押す。
車いす仕様の望遠鏡は口径400ミリ。本体は木やアルミ製で長さ約1・5メートル、重さ約50キロ。台座を含めると150キロを超える。座ったままで観察できるよう、中村さんの目線に合わせて、本体の高さ93センチの場所にのぞき口を設ける。このため、反射鏡がこれまでより1枚多い3枚必要で、本体の板厚を倍にして強度を上げるなどの工夫も凝らす。
主に2年生が設計、1年生が製作を担当。先輩らのアドバイスを受けながら、「文美にきれいな土星の輪を見せよう」を合言葉に、放課後の作業に没頭する。
岡村教諭は「車いすの物理学者」として知られるホーキング博士も「車いすはハンデではなかった」として、「チャンスを与えれば子どもは伸びる。中村さんも自分の可能性を見つけてほしい」と望遠鏡作りに込める思いを話す。
完成は来年3月。養護学校で中村さんやほかの車いすの子どもたちにも星空を楽しんでもらうつもりだ。