ゴエモンのつぶやき

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障害者虐待防止法:成立に暗雲 政局余波で頓挫4年

2009年11月29日 01時49分15秒 | 障害者の自立
 野党側が法案を提出し民主党も趣旨に賛意を示している障害者虐待防止法は、国会の会期末が迫ったことでその成立が危ぶまれている。与野党は4年以上前から立法化に取り組みながら、政局の余波で頓挫を繰り返してきた。虐待を受けた障害者が国などに損害賠償を求めている裁判では、国側が「(裁判で争われている)関係法に障害者を特別に扱う規定はない」などと主張。障害者や支援者は防止法の早期成立を切実に願っている。

 「自分と同じような目に遭っている人を助けたい」。今月22日、東京都内で開かれた防止法を考える会合で、奈良県大和高田市の湯浅勇さん(54)は参加者約100人を前に訴えた。

 知的障害を抱える湯浅さんは、81年から26年間勤めた家具製造販売会社(倒産)で社長らに長年、給与や障害年金を横領された。「頭ごなしに怒鳴られたり、大勢の仲間が殴られたりした」。年金の被害総額は1000万円以上。元社長は刑事事件で実刑が確定したが、湯浅さんは元同僚と共に被害回復を求めて国や自治体、元社長らを相手取り損害賠償請求訴訟を闘っている。

 その裁判に提出した書面で国側は「(湯浅さんら労働者からの被害の)申告で労働基準監督機関に監督権行使の義務が生じるものでない」「労働基準関係法で事業所への監督について知的障害者を特別に扱う規定はない」などと主張した。

 湯浅さんたちを中心になって支えてきた県内の知的障害者施設の渡辺哲久施設長は「虐待が表面化しても法律がないことを理由に行政が動かない現実がある。『虐待は絶対許されない』と明記し、役所に対応を義務づける法律が不可欠だ」と強調する。

 障害者虐待防止法は04年の福岡の知的障害者施設での暴行事件を機に、05年に自民、民主、公明各党が法案作りを模索。しかし、郵政解散で流れ、08年も提出が検討されたが福田康夫首相の退陣で立ち消えに。09年7月には与野党がそれぞれ法案を提出し、ほぼ同じ内容だったことから協議が始まり成立の可能性もあったが、衆院解散で廃案となった。今国会では25日、自公などが法案を衆院に改めて提出。民主党も「党派を超えて成立を目指す」との意向だが、会期末という時間切れが近づいている。

 ◇ことば 障害者虐待防止法
 7月に当時の与野党がそれぞれ提出した障害者虐待防止法案は、いずれも虐待を身体的、性的、心理的、経済的な虐待および放置(ネグレクト)と定義。家庭内、施設内、職場の虐待を対象とする。発見者に通報を義務付け、通報を受けた行政機関は立ち入り調査や被害者の一時保護、行政処分などを行い救済や再発防止に当たるとしている。


:「こんちくしょう」 障害者の自立描く--来月5日、久留米で上映 /福岡

2009年11月29日 01時46分31秒 | 障害者の自立
 ◇パネルディスカッションも
 障害者の自立生活をテーマにした映画の上映会とパネルディスカッションが12月5日午後1時から、久留米市御井町の久留米大御井学舎学生会館ミーティングルームで開かれる。

 今年で創立13年目を迎えた同市御井旗崎の共同作業所「NPO法人 ごろりんハウスの会」が障害者週間(12月3~9日)に併せて初めて企画した。

 上映作品は「こんちくしょう 障害者自立生活運動の先駆者たち」。戦後間もない1950年代、差別と偏見と闘い、障害者の生活権を訴えた脳性まひがある3人の障害者の生き様を描いたドキュメンタリー映画。

 パネルディスカッションは「こんちくしょう」総監督で阪神障害者解放センター長の福永年久氏や社会就労センター、大牟田恵愛園・たんぽぽ施設長の叶義文氏らが「障害者が地球で暮らしていくために」のテーマで意見発表する。

 自らも脳性まひの障害がある、ごろりんハウス理事長、中山善人さん(56)は「現在も障害者が地域で自由に生活するには多くの困難がある。障害者の自立生活への理解を深めるきっかけにしたい」と話している。

 定員200人。資料代500円。問い合わせは、ごろりんハウス(0942・44・0159)。

裁判員と自治体支援で格差

2009年11月29日 01時44分33秒 | 障害者の自立
 刑事裁判に参加する犯罪被害者と裁判員を比較すると、地方自治体の支援体制に格差があることが分かった。「犯罪被害者団体ネットワーク」(愛称・ハートバンド)が調査し、28日に東京都内で開いた犯罪被害者週間全国大会で結果を公表。支援体制の充実を訴えた。

 犯罪被害者は08年12月に始まった被害者参加制度に基づき、一定の事件で刑事裁判に参加でき、検察官の隣に座って被告に直接質問したり、独自の求刑ができる。ハートバンドは関東1都6県の202の全市区にアンケートを郵送、78市区から回答を得た。

 調査の結果、裁判員の子供の一時保育については東京都千代田区など10区と横浜、さいたま、埼玉県朝霞、吉川の4市の計14自治体がサービスを実施していたが、法廷に出向く犯罪被害者に同様のサービスを行っているのは横浜、朝霞、吉川の3市にとどまった。

 高齢者や障害者の家族を介護施設で一時預かるサービスは、裁判員では新宿や横浜、さいたま、朝霞など10市区が行っていたが、被害者は横浜、さいたま、朝霞の3市だけ。障害などで移動困難な裁判員の送迎支援は新宿、文京両区が実施していたが、被害者を送迎する自治体はなかった。

 結果について、大会運営委員の鴻巣たか子さんは「市や区は被害者にとって最も身近。住む地域により支援サービスが異なってはならない」と話した。【

知的障害児らに家庭教師を派遣 高いニーズ「学びは生きていく基本」

2009年11月29日 01時42分22秒 | 障害者の自立
 知的障害児や発達障害児の親にとって、放課後の学習は悩みの種だ。受け入れている進学塾や家庭教師は少ない。そうした中、10年前から知的障害児らを専門に家庭教師を派遣してきた会社があると聞いた。

 ◆手作り教材を用意

 「1たす4はいくつ?」

 「14!」

 週に1度、家庭教師の派遣会社「ガッツソウルカンパニー」(東京都中央区)から派遣された川口恵さん(23)の質問に、男児(8)が元気良く答える。「本当に14かな」。そう言って川口さんは、用意していたあめ玉を学習机に「一つ」「二つ」「三つ」と並べていく。

 「分かった。5だ!」

 「そう、よくできました」。男児に笑みが広がった。

 男児は2歳半のころ、自閉症と診断された。現在は神奈川県内の特別支援学校に通う2年生。平仮名は大体読めるが、10以上の数字が苦手。電車が大好きで、「東京」「横浜」といった漢字を行き先や駅名として覚えているが、それを「東」と「京」と分けると読めなくなる。

 川口さんは担当する子どもそれぞれの理解度や興味に合わせた手作り教材を毎回用意してくる。この日は「カタカナを読めるようにしてほしい」という保護者の要望で、テレビやパソコンなど、身近にある電化製品の写真を厚紙に張った教材を作ってきた。写真の下に「テ」「レ」「ビ」とパズルのように1文字ずつはめ込めるようにし、うまく解けると思い切り褒めて好きな電車のイラストを描いてあげるのも興味と集中力を引き出す方法の一つだ。母親(36)は「褒めてもらうことで『僕もできるんだ』という自信につながっている。親ではうまく褒められない」と言う。

 ◆先生来る日を心待ち

 「先生が来る日が楽しみ」。中度の知的障害がある東京都の宇野恵利加さん(20)が家庭教師を依頼するようになって7年目に入った。現在の担当者はやはり川口さん。特別支援学校の高等部を卒業後、都内の工房でパン作りの仕事に就くようになってからも毎週続けている。

 母叔子さん(52)が特に力を入れて指導してほしいと願っているのが国語力や文章読解力。「障害を持っている子にとって学習は生きていくために必要。学校を卒業したら終わりではない。それなのに大きくなればなるほど機会がなくなる」と叔子さんは言う。

 ◇接し方や教え方を重点研修 毎回保護者に理解度伝える--専門派遣事業、大阪と東京で展開中
 ガッツは99年に大阪府で設立された。代表の高田成啓さん(39)が大阪府枚方市で兄らと経営していた小さな学習塾に、小学5年生のダウン症の男の子を持つ親から「家庭教師をしてほしい」という依頼があったのがきっかけだった。この依頼を引き受けたところ、新聞で取り上げられ、問い合わせが相次いだ。ダウン症や自閉症、知的障害といった医師の診断がある子どもだけでなく、学習障害など何らかの困難を抱えている子の家庭教師の需要が多いことに気付いた。そこで、こうした子に特化した家庭教師の派遣会社として本格的に事業を始めた。

 高田さんは当初、進学塾と同じ感覚で、有名大学や教員養成系大学の学生を中心に家庭教師を採用した。だが、やがて保護者が求めているのは偏差値の高い家庭教師ではなく、障害を持つ子とうまく信頼関係を築いて、コミュニケーションを取れるかどうかだということに気付いた。

 「何とか高校には行かせたい」。「小学生レベルの知識だけでも得させたい」。「一人で電車に乗れるようにさせたい」。障害に応じて、保護者の願いも目標も千差万別だ。高田さんは採用に際して大学名を考慮しないようにする一方で、採用希望者を対象とした研修に力を入れるようにした。

 先輩の家庭教師に何度か同行して、徐々に障害がある子たちとの接し方や教え方を学び、社内での勉強会ではそれぞれの障害の特徴や対応の仕方、教材の作り方などを学ぶ。こうした研修の間に希望者の半数程度が不合格になったり、自ら断念するという。

 03年には東京にも進出した。大阪から東京に引っ越した子の保護者から「新幹線代を出すから今まで通り来てほしい」と要望されたのがきっかけだ。

 家庭教師代は東京6250円、大阪6000円(1時間)。始めたころは「障害者から金を取るのか」といった批判の声も寄せられたというが、高田さんは「ボランティアではないからこそ保護者は本音で要求できるし、スタッフも責任を持って指導できる」と説明。学習時間とは別に毎回30分程度、保護者と話し合う時間を設けて、その日の学習内容や理解度、今後の計画などの説明、相談も行っており、「決して高くはないと思う」と自信を見せる。

 家庭教師派遣は原則として東京都と大阪府の周辺。派遣地域以外の保護者を対象に、12月1日から学習の方法や教材の選び方などの有料の電話相談(30分2500円)を始める。問い合わせは、いずれも電話050・3735・8499。

 ◇公文は障害児ら対象に直営教室 大人になっても継続多く
 ◇学校卒業後に減る「読み書き計算」補う場
 決して多くはないが、障害児を受け入れている学習塾もある。広く知られているのが公文だ。首都圏と大阪府内に計5カ所、知的障害児らを対象にした直営教室「つくしんぼ教室」を開設しているほか、全国各地にフランチャイズ展開している教室の中にも、健常児と一緒に障害児を受け入れているところがある。また、年に1回、「障害児指導研究大会」を開催して、指導方法などの改善を続けてきた。

 「スモールステップ」と呼び、その時の力に応じたプリントを使って繰り返し学ぶのが公文の学習法だ。子どもたちは自分の好きな時間に教室に通って配布されたプリントを各自で解き、指導者に見てもらう。仮に学年が同じでも、プリントのレベルも、1回に与えられる枚数も異なる。理解力に差がある知的障害児や発達障害児にとっても受け入れやすい学習法だ。

 東京都千代田区の東京本社内で週に2回開かれている、つくしんぼ教室を訪ねた。スタッフの近くで生徒が机に向かって問題を解く姿は、他の公文の教室と大きな違いはない。一般の教室では小中学生が大半なのに対して、ここには成人した人も数多く通ってきているのが特徴だ。

 指導歴が40年近い工藤美智子さん(67)は「特別支援学校では、高学年になると就業に向けた作業訓練などが中心になる。卒業後はますます読み書きや計算を学ぶ機会が少なく、大人になっても続ける障害者が多い」と語る。

 障害児を受け入れている教室などの問い合わせは、日本公文教育研究会電話0120・372・100。

発達障害の環境整備を 豊かな成長支援が必要 /和歌山

2009年11月29日 01時40分31秒 | 障害者の自立
 自閉症やアスペルガー症候群、ADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)などの発達障害。先天的な脳障害が原因とされるが、外見上分かりにくく性格や子育てが原因と誤解され、診断まで時間がかかるケースも少なくない。早期発見・療育を行政の責務とし、孤立しがちな発達障害児者や家族を支えようと、05年4月には発達障害者支援法が施行された。海南市日方の同市民病院小児科医長、重里敏子さんに注意点を聞いた。

 発達障害を考える上で、正常な発達、特に人格形成の観点から、心の発達を踏まえなければならない。

 ◆正常発達を考えた育児

 乳児期は完全に無力な時だ。できないことをだれかに頼り、満たしてくれる周りの大人に対する信頼が強くなる。また、一緒に笑い、喜びを分かち合う共感力を得る時期である。欲求をだれも満たしてくれないと信頼ではなく不信が育ち、「要求してもだめなんだ」という無力感に支配される。幼稚園時代には探索行動を発揮して、反抗期の後に自発性が養われる。

 ◆発達障害とは

 幼児期には育てにくさを、幼児期・学童期には適応障害から問題行動を起こしてしまう。集中力が強すぎて呼んでも振り返らないこともある。一般に、病気が原因の障害は、正常にある能力が失われることを言う。けれども発達障害の場合、それぞれの症状の特徴が強く、社会の中で適応できずに本人も周りも困るという場合を障害と考える。そこで、うまく適応できて社会で問題がなければ、特徴が残っていても障害ではなく、性格になる。

 ◆自閉症・三つの症状で診断

 自閉症の特徴の一つは社会性の障害で、他人との距離の取り方を理解しづらい。このため人と付き合うより、道具やおもちゃなどへの興味が強い。二つ目は、創造性や関心の広がりの障害で、強いこだわりとなって現れる。三つ目は、コミュニケーションの障害で、言葉の障害がある。

 ◆ADHD(注意欠陥多動性障害)

 ADHDは、学校に入学してからがさがさして勉強にならなかったり、不注意でうっかり忘れたりする。うまく適応できないため周りから認めてもらえず、本人も自己否定をしてしまう。

 ◆失われた発達に必要な環境

 現代社会では、発達に必要な環境が失われつつある。祖父母・親世代の考え方や行動が変化し、便利になったために忍耐を発達させられない。子どもたちを取り巻く環境も日々変化し、豊かな成長を遂げるための支援が必要とされている。

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 ■人物略歴

 ◇じゅうり・としこ
 80年、県立医大卒。86年から現職。小児神経専門医。