ゴエモンのつぶやき

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増える障害者の大学等進学 1万人を突破

2012年04月03日 01時17分24秒 | 障害者の自立
発達障害を含む特別支援教育の充実など、障害のある子どもたちへの教育の在り方が大きな課題となっています。しかし大学など高等教育における障害者への対応は、あまり話題に上りません。高等教育における障害者対応の現状はどうなっているのでしょうか。独立行政法人日本学生支援機構の調査結果によると、2011(平成23)年度に大学・短大などで学ぶ障害者学生の数が初めて1万人を突破したことがわかりました。

全国の国公私立の大学・短大・高等専門学校のうち、障害(診断書のある発達障害を含む)のある学生が在籍しているという学校は、大学が597校(76.9%)、短大が158校(42.4%)、高等専門学校が52校(91.2%)で合計807校(66.9%)となっており、大学の約8割に障害のある学生が在籍しています。障害のある学生の数は、大学が9,404人、短大が485人、高等専門学校が347人。合計1万236人(前年度比1,426人増)で、初めて1万人を突破しました。このうち大学の内訳を見ると、学部・通学が7,502人、学部・通信制が1,300人、大学院・通学が563人、大学院・通信制が37人、専攻科が2人となっています。

高等教育機関に在籍する学生を障害別に見ると、「肢体不自由」が24.3%、「病弱・虚弱」が20.0%、「聴覚・言語障害」が15.2%、パニック障害など「その他」が18.0%、「発達障害(診断書あり)」が14.2%、「視覚障害」が6.7%などとなっています。ただ、学生全体に占める障害のある学生の割合は0.32%に過ぎません。

また、障害のある学生のうち「ノートテイク(代筆)」「休憩室の確保」「パソコンの持込使用許可」など学校側が何らかの支援をしている学生は5,897人で、障害のある学生全体の57.6%となっています。言い換えれば、障害のある学生の約6割が学校から何らかの支援措置を受けている一方、残り4割は支援の申し出をしていないか、支援自体を受けていないということになります。

支援を受けている学生を障害別に見ると、「視覚障害」が77.1%、「発達障害(診断書あり)」が73.2%、「重複障害」が75.3%、「聴覚・言語障害」が66.8%などで、発達障害のある学生の7割以上が学校からの支援を受けていることが注目されます。発達障害のある学生への支援内容を見ると、授業の関係では「実技・実習配慮」「休憩室の確保」「注意事項等文書伝達」など、授業以外では「保護者との連携」「(対人関係など)社会的スキル指導」「専門家によるカウンセリング」などが挙げられています。

このほか調査では、障害のある学生には含めていませんが、医師の診断書がないものの発達障害と推察されるため、学校側が支援を行っている学生についても調べています。それによると、発達障害と推察されて支援を受けている学生は、大学が2,035人、短大が184人、高等専門学校が91人の計2,310人で、その内訳は高機能自閉症等が1,247人、不明が563人、学習障害(LD)が275人、注意欠陥/多動性障害(ADHD)が225人などです。

2012.3.26 15:00 (提供:Benesse教育情報サイト)MSN産経ニュース

障害者の被災状況 著書に…福島

2012年04月03日 00時54分47秒 | 障害者の自立
人工呼吸器つけ車椅子/玄関にスロープなし 県点字図書館長「支援あれば救助も」

 福島県点字図書館館長の中村雅彦さん(65)が、東日本大震災で被災した県内の障害者の状況を調べ、著書「あと少しの支援があれば」にまとめた。中村さんは「あと少し周囲の支援があれば、助かったかも知れない人がいる。この教訓を県内外で共有していきたい」と呼び掛けている。(小沼聖実)

 中村さんは、1972年から35年間、県内の特別支援学校で勤務した。いわき市の県立平養護学校には2度勤め、浜通りには、これまでの教え子が200人近くいる。震災後、その安否を訪ねて回るなかで、同市久之浜に住む卒業生の男性(35)が津波の犠牲になったことを知った。

 男性は難病のため、重さ約4・5キロの人工呼吸器と電動車椅子で生活し、わずかに動く指先でパソコンを使った仕事をしていた。

 「周囲に誰もいないはずがないのに、なぜ……」。自宅を訪ねると、近くでがれきを片付けていた住民から、「そんな障害のある人が住んでいたなんて。知っていたら助けに入ったのに」と聞かされた。津波が来る直前、男性宅へ救助に駆けつけた親族が、波にのまれながらも男性の手をつかんだが、男性は「もういい」と言って手を離し、流されたと知った。

 ほかの障害者についても気になり、浜通りの10市町に問い合わせると、震災による障害者の死亡率が一般の人に比べ3割ほど高いことがわかった。中村さんは半年間で約100人の障害者やその家族に話を聞き、31人の話を著書に記した。

 相馬市の10代の知的障害者の男性は、同居する祖母に家の中にいるよう言われ、祖母とともに津波にのまれた。双葉郡の60歳代の車椅子の女性は、玄関付近で遺体で見つかった。玄関にスロープがなく、自力で逃げ出せなかったとみられる。いずれも、「もし地域の人の手があれば、助けられた」と中村さんは強調する。

 避難生活で苦労する障害者も多い。中村さんの調べでは、昨年3月12日から8月31日に亡くなった身体障害者の人数は、沿岸部の2市2町で計630人で、昨年同期の1・1~6倍。聞き取りでは、段差の多い仮設住宅暮らしで外出もままならない現状が浮かび上がる。中村さんは「通院や買い物を我慢し、体調を崩したのでは」とみる。

 緊急時に障害者が孤立しがちな背景として、中村さんは障害を知られたくないという本人の思いと、個人情報を保護しようという自治体の考えがあると指摘する。中村さんは「名前や障害の度合いなど細かいことまで知らなくていい。せめて民生委員の間で、近所に障害者がいることさえ共有できればよかった」と振り返る。

 その上で、「災害時は特に障害者が後回しになってしまう。本を読んで、いざというときは助け合おうと思う人が少しでも増えてくれれば」と期待している。

 本は、1470円。問い合わせは出版元のジアース教育新社(03・5282・7183)へ。


「あと少しの支援があれば」を出版した中村さん(県点字図書館で)

(2012年4月2日 読売新聞)

脳障害まひ、回復の仕組み解明=後遺症治療に道―大阪大

2012年04月03日 00時09分21秒 | 障害者の自立
 血管障害や外傷などによる脳損傷を原因とする手足のまひが自発的に回復する仕組みを解明したと、大阪大の山下俊英教授(神経科学)らのグループが2日、発表した。新たな治療法の開発につながる成果という。

 グループはマウスを用い、運動を制御する大脳皮質運動野を損傷させる実験を行った。左右の運動野のうち片方を損傷させると、そこから伸びる神経回路である皮質脊髄路が破壊され、反対側の前後の足に重い運動障害が起き、数週間で運動機能は徐々に回復する。

 損傷していない方の運動野から伸びる皮質脊髄路を調べたところ、首の部分からまひしている筋肉までつながる神経回路が再形成され、足を動かしていることが分かった。さらに、神経細胞の中で作られる神経栄養因子「BDNF」が、この新回路形成を促していることも突き止めた。 

時事通信(2012年4月2日20時11分)