◇学光さん貸し出し きょう徳島でオープン
徳島市住吉に1日、地域の高齢者や障害者、認知症の人たち、その家族ら誰もが気軽に集える「ミックスカフェ」が誕生する。時間がある時にふらりと立ち寄り、居合わせた人とお茶を飲みながら何気ない会話を楽しんだり、悩みや思いを打ち明け合ったり。関係者は、地域の人たちをつなぐ場所になればと期待している。
公益社団法人「認知症の人と家族の会県支部」(徳島市)が設立。当面は毎週火曜の午後2~4時に、木造2階建ての民家の1階の和室(6畳)と台所を開放する。茶やコーヒー、菓子を用意するが、特別なプログラムはなく、出入りは自由。同支部のメンバーらが常駐する。
カフェの名前「ミックス」には、様々な立場の人たちが集う場所になればという願いと、「『み』んなで 『つ』くろう 『く』ふうして 『す』てきな場所にしましょうよ!」という意味が込められている。同支部の大下直樹代表世話人(52)は「ここに来れば誰かがいて、社会と接していることを実感できる地域の縁側のようなスペースにしたい」と話す。
活用する民家は、県出身で大阪を拠点に活動する落語家・笑福亭学光さん(59)のもので、徳島に戻った時にしか利用しないため、「地域の人が高齢者らを見守っていく場所になれば」と、貸し出しを決めた。将来的には、学光さんが養成する私的資格「お笑い福祉士」のメンバーらが出演する寄席を開くなどして「大人から子どもまで、気軽に訪ねられるスポットになれば」と思い描く。
カフェを整備する際、庭の草むしりなどを手伝った若年性認知症の男性(57)は「リラックスして、わいわい集える場所ができた」と歓迎。同支部は利用状況をみながら、開設時間を延ばしたり、日数を増やしたりすることも検討する。
20日にあった開所式には飯泉知事も訪れ、「活動の輪を広げ、認知症の人たちだけでなく、高齢者を地域で支え、助け合うモデルになってほしい。地域活性化にもつながれば」と期待した。大下代表世話人は「今は1か所だが、いろんな地域にカフェを開きたい」と話している。問い合わせは同支部(088・678・8020)へ。
ミックスカフェとして活用される民家。多くの人が気軽に集える場所を目指す(徳島市で)
(2013年10月1日 読売新聞)