東日本大震災の被災地では、発達障害者が避難所で大声を出し、他の被災者との共同生活が難しくなるといった課題が浮き彫りになっており、アンケートを行って環境整備や本人らの備えに役立たせるほか、周囲などの理解を促すため、講演会を行う。センターは「障害の分だけ、本人や家族の負担は大きくなりやすく、周囲の理解が欠かせないことを知ってほしい」としている。
東日本大震災の発生後、国が被災3県で行った調査では、発達障害者が避難所で走り回るなどし、家族らが他の避難者に配慮し、避難所暮らしを断念するケースが相次いだ。その結果、被災した自宅や自家用車の車内などでの生活を余儀なくされ、救援物資を受け取れなかったり、自治体が発達障害者の居場所の把握ができなかったりする事態も起きたという。
センターは南海トラフ巨大地震などで、県内でも同様の状況が想定されるとして、8月に福祉、防災、教育の各分野の自治体担当者らと有識者でつくる検討会を発足。障害者本人や家族、関係者が利用できるマニュアルのようなものを作成するため、本人や地域の支援団体のメンバーら約500人に「避難所にあったら良いと思う支援や工夫」などを尋ねる調査を実施してきた。
また、周囲などに理解を深めてもらおうと、5日には、徳島市南末広町の「ろうきんホール」で「『発達障害』知って備える防災講演会」を開催。被災者の心理的支援などに取り組む徳島大の研究者が「災害後のこころの変化」をテーマにした講演などを行う。
センターの担当者は「発達障害者は、災害時は環境に適応できずにパニックに陥りやすい」と指摘。「一見、健常者と変わらないため、災害弱者としても妊婦や高齢者と比べても優先順位が低いと見なされやすい現状を変えたい」としている。
講演会は午後1時からで、参加無料。問い合わせはセンター(0885・34・9001)へ。
発達障害者への理解を深めてもらおうと、徳島市で5日に開かれる講演会のポスター(小松島市で)
(2013年10月4日 読売新聞)
東日本大震災の発生後、国が被災3県で行った調査では、発達障害者が避難所で走り回るなどし、家族らが他の避難者に配慮し、避難所暮らしを断念するケースが相次いだ。その結果、被災した自宅や自家用車の車内などでの生活を余儀なくされ、救援物資を受け取れなかったり、自治体が発達障害者の居場所の把握ができなかったりする事態も起きたという。
センターは南海トラフ巨大地震などで、県内でも同様の状況が想定されるとして、8月に福祉、防災、教育の各分野の自治体担当者らと有識者でつくる検討会を発足。障害者本人や家族、関係者が利用できるマニュアルのようなものを作成するため、本人や地域の支援団体のメンバーら約500人に「避難所にあったら良いと思う支援や工夫」などを尋ねる調査を実施してきた。
また、周囲などに理解を深めてもらおうと、5日には、徳島市南末広町の「ろうきんホール」で「『発達障害』知って備える防災講演会」を開催。被災者の心理的支援などに取り組む徳島大の研究者が「災害後のこころの変化」をテーマにした講演などを行う。
センターの担当者は「発達障害者は、災害時は環境に適応できずにパニックに陥りやすい」と指摘。「一見、健常者と変わらないため、災害弱者としても妊婦や高齢者と比べても優先順位が低いと見なされやすい現状を変えたい」としている。
講演会は午後1時からで、参加無料。問い合わせはセンター(0885・34・9001)へ。
発達障害者への理解を深めてもらおうと、徳島市で5日に開かれる講演会のポスター(小松島市で)
(2013年10月4日 読売新聞)