重度障害者をめぐる介護制度の問題をテーマにしたシンポジウム「重度の障害があったって自分のことは自分で決める!」が19日、高崎市内で開かれた。障害者や弁護士、支援者ら5人のパネリストは、障害者が自立するために必要な支援の在り方を議論した。
「夜寝ている時だけ人工呼吸器が必要な人がいれば、尿を出すのに時間がかかる人もいます」。会場となったビエント高崎。宮崎県など全国から集まった障害者ら四十人を前に、自ら重度障害があり、障害者を支援する自立生活センター「上州プロジェクト」代表でもある山田泰子さん(太田市)がパネリストの一人として訴えた。
重度障害者のニーズは個々に異なるのに、十分な公的支援が行われていないためだ。シンポジウムを主催した「介護保障を考える弁護士と障害者の会 全国ネット」の共同代表、藤岡毅弁護士(東京)は、重度障害者が「自宅で安心して暮らし、自由に外出したい」と望むのは正当と説明。憲法や改正障害者基本法など裏付けがあると強調した。
重度障害者の介護で問題となるのは市町村が支給する介護時間。その拡大を求める裁判を手掛ける長岡健太郎弁護士(和歌山)は、行政が「ほかの障害者と公平を保てない」「財政的に厳しい」として介護時間を出し渋る実態を紹介。
介護時間の拡大を勝ち取った事例を踏まえ「支給時間は個別事情に基づいて決めるべきだ。財政には影響されない。支給量は法に基づいて決まる。弁護士の役割は大きい」と述べ、介護申請の当初から法律の専門家がかかわる意義を話した。
知的障害の視点からの発言も。岡部耕典早稲田大教授は、重度知的障害者の息子(20)が二年前、介護サービスを利用して「自立生活」を始めたと報告。「重度知的障害者は親元か施設で暮らすのが当然と思われているが、息子の生活はむしろ落ち着いた」と語った。
<介護保障を考える弁護士と障害者の会> 全国ネット 重度障害者が公的介護を十分に受けられない現状を、弁護士の力を借りて打開しようと昨年11月に設立。東京や群馬など全国で15件、障害者に支給される介護時間などについて行政側と交渉している。県内では弁護士3人が加盟している。
東京新聞-2013年10月20日
「夜寝ている時だけ人工呼吸器が必要な人がいれば、尿を出すのに時間がかかる人もいます」。会場となったビエント高崎。宮崎県など全国から集まった障害者ら四十人を前に、自ら重度障害があり、障害者を支援する自立生活センター「上州プロジェクト」代表でもある山田泰子さん(太田市)がパネリストの一人として訴えた。
重度障害者のニーズは個々に異なるのに、十分な公的支援が行われていないためだ。シンポジウムを主催した「介護保障を考える弁護士と障害者の会 全国ネット」の共同代表、藤岡毅弁護士(東京)は、重度障害者が「自宅で安心して暮らし、自由に外出したい」と望むのは正当と説明。憲法や改正障害者基本法など裏付けがあると強調した。
重度障害者の介護で問題となるのは市町村が支給する介護時間。その拡大を求める裁判を手掛ける長岡健太郎弁護士(和歌山)は、行政が「ほかの障害者と公平を保てない」「財政的に厳しい」として介護時間を出し渋る実態を紹介。
介護時間の拡大を勝ち取った事例を踏まえ「支給時間は個別事情に基づいて決めるべきだ。財政には影響されない。支給量は法に基づいて決まる。弁護士の役割は大きい」と述べ、介護申請の当初から法律の専門家がかかわる意義を話した。
知的障害の視点からの発言も。岡部耕典早稲田大教授は、重度知的障害者の息子(20)が二年前、介護サービスを利用して「自立生活」を始めたと報告。「重度知的障害者は親元か施設で暮らすのが当然と思われているが、息子の生活はむしろ落ち着いた」と語った。
<介護保障を考える弁護士と障害者の会> 全国ネット 重度障害者が公的介護を十分に受けられない現状を、弁護士の力を借りて打開しようと昨年11月に設立。東京や群馬など全国で15件、障害者に支給される介護時間などについて行政側と交渉している。県内では弁護士3人が加盟している。
東京新聞-2013年10月20日