ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

障害者 優しさにじむアート…奈良で作品展

2013年10月10日 02時48分48秒 | 障害者の自立
 障害者の生活支援に取り組む、奈良市の「たんぽぽ生活支援センター」の利用者6人が手がけた作品を紹介する展覧会「凸凹な毎日」が、奈良市の「たんぽぽの家アートセンターHANA」ギャラリーで開かれ、約90点を展示している。26日まで。

 支援センターに通う中学生と高校生の計3人が、石こうや紙などを貼り付けたり、スポンジを絵の具に浸し、判子代わりに押したりした絵のほか、利用者がヘルパーと一緒に作った段ボール製のレジや、おでんの保温器などが目を引く。

 県立奈良西養護学校の中学部3年田辺晴香さん(15)は「きれいな色遣いを見てほしい」と話し、支援センターの浅井豊さん(28)は「利用者とスタッフのつながりがあって生まれた作品も多い。たくさんの人に楽しんでもらえたらうれしい」と語る。

 午前11時~午後5時。日、月曜、祝日は休館。19日午後1時30分~3時30分にはプラスチック板でブローチを作るワークショップを開く。1個300円。申し込み(16日まで)、問い合わせは支援センター(0742・40・1030)。

(2013年10月9日 読売新聞)

知的障害者らの芸術活動読み解く 美術館「NO-MA」が論集

2013年10月10日 02時44分01秒 | 障害者の自立
 美術の専門教育を受けていない人や知的障害者らの芸術活動「アール・ブリュット」を、美術や福祉、人類学などの視点から読み解いた論集「アール・ブリュット アート 日本」が平凡社から発売された。

 県社会福祉事業団が運営する美術館「ボーダレス・アートミュージアムNO-MA」(近江八幡市)が企画。東京国立近代美術館の保坂健二朗主任研究員が監修した。

 論集は全七章で構成。保坂研究員をはじめ、美術批評家の嘉納礼奈さん、県立大人間文化学部の亀井若菜准教授、NO-MAのアートディレクターを務めるはたよしこさんら八人がそれぞれの立場から寄稿した。

 筑波大学の斎藤環教授の講演会や動物行動学者で県立大の細馬宏通教授、人類学者の中沢新一さんと保坂研究員がそれぞれ対談した内容も収められている。

 知的障害のある作家と実際に接する立場から一つの章を書いたNO-MAの田端一恵さん(39)は「アール・ブリュットは美術、福祉、教育、医療など全ての人がなんらかの関連を見いだせる。今まで漠然としていたことが形として表せて、より客観的に分かった」と話した。

 絵画や陶芸作品などのカラー作品集三十二ページを含む全二百六十四ページ。税抜き二千円。問い合わせや買い求めはNO-MA=電0748(36)5018=へ。県内の主な書店でも買える。


論集「アール・ブリュットアート日本」を紹介する田端さん=大津市で

中日新聞-2013年10月9日

中村さん、谷本君(はまゆう支援学校)出場 全国障害者スポーツ大会(陸上競技の部)

2013年10月10日 02時39分17秒 | 障害者の自立
 東京都で12~14日に開かれる第13回全国障害者スポーツ大会の陸上競技の部に、和歌山県上富田町岩田のはまゆう支援学校高等部3年の中村早希さん(18)と2年の谷本真君(17)が出場する。2人とも初出場で予選突破を目標にしている。

 2人は、ことし春に和歌山市の紀三井寺陸上競技場であった県障害者スポーツ大会に出場。中村さんは、ソフトボール投げで37メートル45で優勝、谷本君は走り幅跳びで4メートル26で優勝して、全国障害者スポーツ大会出場の切符を手にした。

 全国大会には1人2種目が出場条件で、2人はそれぞれ得意の50メートル走にもエントリーしている。また、2人は400メートルリレーの県代表チーム(補欠を含めて5人)の一員に選ばれている。

 中村さんは「投げ方のこつを先生に指導してもらい、ボールを遠くまで飛ばせるように筋力トレーニングにも励んできた。50メートルを投げたい。リレーでは何も考えず、次走者にバトンをしっかり渡せるようにしたい」と抱負を述べている。

 谷本君は「猛暑の夏も練習に頑張ってきた。走り幅跳びではフォームをチェックして記録を伸ばすように取り組んでいる。練習では4メートル95を跳んでいるので、本大会では5メートルを跳びたい」と意気込んでいる。

 全国障害者スポーツ大会は、全国から約3500人が参加する。和歌山県選手団は計25人。陸上競技は12日から3日間、調布市の味の素スタジアムである。


【全国大会に向けてランニングをする谷本真君(左)と中村早希さん=上富田町岩田で】

紀伊民報-(2013年10月09日更新)

障害者の日常がITで“革命的”に変化

2013年10月10日 01時59分55秒 | 障害者の自立
 紙幣にスマートフォンをかざすと、その券種を読み上げる──。図1は財務省と日本銀行、国立印刷局が現在開発中の視覚障害者向けスマートフォンアプリだ。2013年内に、iOS向けアプリとして無償公開予定という

●アプリで紙幣の券種を識別

図1 財務省、日本銀行、国立印刷局が開発中のスマートフォンアプリ。紙幣にスマートフォンをかざすと、券種を識別して読み上げる(財務省が公開するイメージ動画より)

 スマートフォンやタブレットを利用した障害者向けのサービスやアプリが充実し始めている。カメラやマイクなどの機能を活用し、有益な情報を提供する。

 その一つが、iOS向けの無料アプリ「TapTapSee」(開発は米イメージサーチャー)。アプリを起動して写真を撮ると、それがアプリの開発元に送られ、何が写っているのかを音声で知らせてくれる。例えば図2のような写真を撮ると、「机の上にある白い表紙の雑誌と黒のラップトップです」と驚くほど正確な答えが返ってくる。コンピューターによる画像解析だけでなく、クラウドソーシングによる“人力”も活用しているのが特徴だ。アクセシビリティコンサルタントで、弱視の視覚障害があるCocktailzの伊敷政英氏は「缶詰の種類を確かめる際などに便利」と話す。

●目の前にあるモノを教えてくれるアプリ

図2 目の前にどんなモノがあるか、どんな人がいるかを教えてくれるiOS向けアプリ「TapTapSee」。音声読み上げ機能を有効にしてアプリを起動し、写真を撮ると(右図)、そこに何が写っているかを読み上げる。コンピューターによる画像認識と、人手による解析を組み合わせているという

 JR東日本が2013年6月から試験導入した「遠隔手話通訳サービス」も、タブレットを活用する(図3)。駅の案内所などに設置したiPadを、遠隔地にいる手話通訳者と接続。手話による問い合わせを受けられるようにした(図4)。

●JR東日本が遠隔手話通訳サービスを試験導入

図3 2013年6月から、東京、品川、上野などの各駅に導入。iPadを用いて、手話による問い合わせに対応する


図4 iPadのビデオ通話機能を活用。iPadに向かって手話で質問すると、遠隔地にいる手話通訳者がそれを見て、質問の内容を音声で説明する。駅の係員が質問への応答を音声で話すと、手話通訳者がそれを手話に置き換えて返す

 筆談には従来から対応していたが、生まれつき聴覚障害がある人には、日本語を書くことが苦手な人も少なくないという。「手話と日本語では、文法をはじめ言語の性質が全く違う」(JR東日本が導入した遠隔手話通訳サービスを提供する、シュアールの大木洵人社長兼CEO)からだ。「筆談では伝えにくい複雑な内容も、手話ならスムーズに話せる」(JR東日本 鉄道事業本部 サービス品質改革部の山根木和也副課長)という利点がある。

標準機能やアプリも便利

 こうした障害者向けのサービスやアプリを使う以前に、そもそもスマートフォンやタブレットは、障害者にとって便利な機能を標準で備えている(図5)。代表格が、iOSの音声読み上げ機能である「VoiceOver」。表示中のWebサイトの文字情報や、タップしたメニューの名称、ソフトキーボードのキーなどをその都度読み上げる。このため、全盲の人でも文字を入力したり、読んだりできる。


図5 iOSは、障害者を意識した補助機能を標準搭載する。代表的なのが、メニュー名やメール、Webページの内容などを音声で読み上げる「VoiceOver」。画面の一部をズームしたり、背景と文字の色を見やすいように反転したりすることもできる

 Androidの場合も、富士通の「らくらくスマートフォン」など一部の機種で日本語の音声読み上げに対応する。それ以外の機種でも、KDDI研究所などが公開する音声読み上げアプリを利用できる。

 広く一般向けに提供されている機能やアプリにも、有用なものが多い。iOSが搭載する「FaceTime」などのビデオ通話アプリは、遠隔地との手話に便利だ。手話通訳士の資格を持つシュアールの河野真衣氏は「電話が難しい聴覚障害者とも、手軽に話せる」と評価する。

 前出の伊敷氏がフル活用するのは、iPadのカメラ機能(図6)。「時刻表などの小さな文字も、撮影して指で拡大すれば読めるようになる」

●標準搭載の機能や定番アプリも大活躍

図6 カメラ機能は拡大鏡として活用できる。駅の看板や時刻表など細かな文字も、カメラで撮影して拡大すれば読めるようになる

 電子書籍アプリも便利という。「Kindle」などでは文字サイズを手軽に拡大可能で、拡大鏡がなくても読める(図7)。単純な画面拡大ではページ全体を読むのにスクロールが発生するが、Kindleでは文字サイズに応じて1ページの範囲に文字が再配置されるため、快適に読書できる。


図7 「Kindle」などの電子書籍アプリの多くは文字の拡大機能を備えており、拡大鏡などを使わなくても読書ができる。iOS版のKindleは、2013年5月にVoiceOverに対応し、手軽に音声読み上げができるようになった

 全盲の人も、電子書籍ならそのまま音声読み上げができる。慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任助教で、視覚障害がある中根雅文氏によれば「これまでは、各ページをスキャンしてOCR処理する苦労があった」という。電子書籍の普及で、その手間が激減した。

 その中根氏は、位置情報を基に他人と交流する人気SNS「foursquare」の情報を活用する(図8)。対応アプリや音声読み上げ機能を組み合わせれば、現在地周辺にどんな店舗や名所があるかを把握できる。目的地にたどり着くためには必ずしも必要な情報ではないが「こういう“どうでもいい”情報にどれだけ触れられるかが、人生の楽しみ。街歩きが楽しくなった」


図8 位置情報を基に他人と交流するSNS「foursquare」のアプリ。中根氏は、視覚障害者にとってより便利な形でfoursquareの情報を提示するアプリ「BlindSquare」を利用しているという

 「生活が一変する」「“革命的”な変化が起こる」──伊敷氏や中根氏は、スマートフォンやタブレットの威力をこう表現する。今後求められるのは、これをさらに多くの人に広げるための工夫だ。既に取り組みも進んでいる(図9、図10)。「患者にiPad活用を指導する眼科医が増えている」(iPad活用に取り組む眼科医の三宅琢氏)など、着実に広がりを見せているという。

●利用者を増やすための取り組みも

図9 「ドコモショップ丸の内店」内にある「ドコモ・ハーティプラザ」では、店員と手話で話せる。聴覚障害者向けのスマートフォン活用セミナーなども開催する


図10 眼科医の三宅氏が開催する弱視者向けのiPad活用セミナー。三宅氏は、視覚障害者支援などを手掛けるGift Handsの代表を務める

nikkei BPnet-2013年10月9日