ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

極限まで「残された肉体」を追い込む、障害者のためのトレーニングジム

2016年09月29日 03時10分12秒 | 障害者の自立

リハビリ機能を名目にした施設ではなく、障害を抱えていても健常者と同じように肉体を鍛えるためのトレーニングジム。言われてみればこうしたジムは確かに少ない。ここにひとつの成功例がある。肉体を極限まで追い込むことで、彼らが得るものの大きさがよく分かる。

痛み止め中毒から現役引退
元NFL選手第二の人生は、
障害者ためのトレーニングジム

2008年、この年最後の指名(ドラフト7巡目252番目)を受けてセントルイス・ラムズに入団したデビッド・ボボラ。わずか5シーズン限りで引退に追い込まれた彼を最後まで悩ませ続けたのが右肩の故障(2011年)だ。

以来、不安を抱えながらのプレイに痛み止めの薬が手放せず、ついには重度の中毒症状を訴えるまでに。

リハビリにより回復後、現役を退いた彼と家族はダラスに移り住み、フィジカルトレーナーとして第二の人生を歩む決意をした。フィジカルエリートをさらに鍛え上げる設備を用意した彼だったが、ここである男性との運命的な出会いを果たす。

元米海兵隊のトラビスだ。

 四肢を失った元軍曹と
二人三脚で作りあげた
フィジカルトレーニング

退役軍人のトラビスは、アフガニスタンで負傷し四肢を切断する大ケガを追っていた。その彼にボボラはこう尋ねた。「最後に自分の力で動いたのはいつだい?」。トラビスでなくたって不躾な質問、と感じるに違いない。

だが、元NFLプレイヤーは本気だった。経験はないが、自分にトレーニングをさせて欲しい。可能性の限界に挑もう、と。四肢を失い希望を見出せずにいた元軍曹は、彼の熱意に負けたと語っている。

残された肉体を鍛えることで
取り戻した自信とつながり

2011年アフガニスタンに出兵していたブライアンは、地雷を踏み両足を切断した。退役した後も失ったはずの足の痛みが取れず、ヘロインに手を染め職を失い、自暴自棄にくれる日々が続いていた。

ある日、駐車場で車椅子にまたがったブライアンに遭遇したボボラ。相手の返答も待たずにこう声をかけた。「ボクにトレーニングさせてくれないか?」。この日初めて出会った身も心もボロボロ(ボボラ談)のブライアンに、在りし日の自分を重ね合わせていたのかもしれない。

だがブライアンは半信半疑だ。それもそのはず、鋼のような肉体を持っていても、わずか数年しかもほぼベンチ生活の元NLF選手をおいそれとは信用できなかった。それでも、その夜Google検索でヒットしたボボラの名を目にし、決意を固めた。

翌日、ジムを訪れたブライアンにボボラは一言。「キミを必ず歩けるようにしてみせるよ」。

 コミュニティ意識が自然発生

いつしか、ボボラのジムは障害を持つ人同士がサポートしあい、互いに切磋琢磨しながら残された肉体や残存機能を鍛えあげるコミュニティとして機能し始めている。

その様子にボボラはどこにでもある、けれどここにしかないトレーニングジムが形成されていく過程を、一人ひとりのチャレンジングスピリットに喩えた。

「彼らもまた、ボクと同じようにサイドラインの外側へと追いやられていたんだ。社会復帰への道がいくら用意されていたとしても、いつかは保険だってお金だって尽きていく。ここでもう一度自分自身を鍛えあげ助けあうことで自信を取り戻し、社会的なつながりを感じて欲しいんだ」。

フィジカルだけでなく、メンタルトレーナーとして第二の人生を歩みだしたボボラの元に、同じく再起を果たそうとトレーニングに励む人々が多く集まってくるのは、必然ではないだろうか。

DATE:2016.09.27   

法定雇用率達成の企業は31% 障がい者雇用の実態調査2016から

2016年09月29日 03時04分26秒 | 障害者の自立

 「障がい者雇用率制度」では、従業員数50人以上の民間企業において全従業員の2.0%以上の割合での障がい者雇用が義務付けられている。制度が改正されて3年、障がい者雇用の現状はどうなっているのだろうか。人材採用のエン・ジャパン<4849>は、自社サイトを活用する企業に対して障がい者雇用についてのアンケート調査を実施、233社から回答を得た。同アンケート結果によれば、障がい者雇用の法定雇用率を「達成している」企業は31%、「雇用しているが、雇用率は未達成」は31%、「50名以上の企業だが、雇用していない」は38%となった。障がい者雇用をする理由は「法定雇用率の達成」(62%)、「企業としての社会的責任を果たす」(51%)が上位となり、雇用している職種や分野では「事務」(54%)、「軽作業」(37%)の順で多かった。障がい者雇用の今後については、「積極的に」(6%)、「法定基準に合わせて」(41%)、「(本人の)能力次第」(20%)、「受け入れ体制」(19%)となっており、各社様々な考えがありつつも86%の企業が「雇用したい」と回答しており、2015年調査時の73%より上昇している。一方、障がい者を雇用していない企業では雇用上の課題や懸念事項として「障がい者採用のノウハウがない」(41%)を挙げている。

 上記調査結果より、障がい者雇用に関して前向きな考えがありつつも、採用ノウハウがないことが理由で雇用に至っていない企業があることがうかがえる。障がい者雇用の取り組み手順については、「ステップ1.制度や社会資源、障がい者の特性を知る」「ステップ2.雇用の現場や訓練等の様子を見る」「ステップ3.障害者雇用を進める仕事、職場を決める」「ステップ4.実習等を通して仕事内容や環境が障がい者雇用に適しているか体験する」「ステップ5.トライアル雇用を試す」「ステップ6.雇用継続のための相談やジョブコーチを活用する」といったステップを経て、職場に障がい者雇用を根付かしていく。採用と雇用継続に成功している企業のなかには、仕事内容に合った障がい者の採用を進め、仕事に達成感を感じてもらうための工夫をしているところもある。いずれにしても、取り組みの各ステップにおいて、障がい者センター職員など障がい者雇用の専門家への相談・連携がポイントとなるようだ。

 従業員数300人未満の企業に関しては特に障がい者雇用率が低く(15年6月時点で0.96%)、人員に余裕のない企業では、必要性を感じつつ雇用体制の準備に至っていないと考えられる。障がい者雇用率の更なる改善のためには、専門機関との連携を深めるための取り組みが必要だと考えられる。

2016年09月28日 エコノミックニュース (編集担当:久保田雄城)


映画「聲の形」のヒットで注目集まる「手話」 ビジネスパーソンも身につけたい

2016年09月29日 02時58分03秒 | 障害者の自立

映画「聲の形」(山田尚子監督、京都アニメーション制作、映画聲の形製作委員会)が人気を集めている。「聲の形(こえのかたち)」とは、大今良時氏による漫画作品を原作としたアニメ映画だ。原作は読み切りで発表され、大きな反響があり2013年から14年にかけて週刊少年マガジン(講談社)で連載された人気作品で、第19回手塚治虫文化賞新生賞など数々の賞を受賞している。連載終了後も注目を集め続けていた作品が、2016年9月にアニメ映画となり公開されヒットしている。

ガキ大将の主人公・将也が先天性の聴覚障害を持つ硝子と出会い、子供じみたいじわるをして疎遠になるのだが、将也はそのことを後悔してこっそり手話を学ぶ。「聴覚障害」「いじめ」「親子関係」「人間関係」などをテーマにしたシリアス作品になっている。

最近、この映画のヒットもあってあらためて「手話」に注目が集まっている。

ビジネスパーソンと「手話」

ビジネスパーソンが「手話」を身につけるにはどのような理由があるのだろうか。その理由の一番にくるものは、全国に約36万人いると言われている聴覚障害者とのコミュニケーションをとるためだ。

普段の生活を振り返ってみると、手話を目にする機会は少ないと思わないだろうか。テレビで手話通訳がつく番組はとても少ない。多くの健聴者が手話と関わる機会がないということは、聴覚障害者の生活環境が窮屈なものであるということかもしれない。聴覚障害に限らず、誰もが働きやすい・暮らしやすい環境づくりは社会の優先課題だ。企業の中にもそう考えて、積極的に取り組んでいるところが少なくない。

手話を学ぶ企業 スタートトゥデイの「人自部」

「手話」を身につけようとしている企業の一つに、大手ファッションショッピングサイトZOZOTOWN(ゾゾタウン)を運営する「スタートトゥデイ」がある。

スタートトゥデイは6時間労働を実施している企業で時間短縮を求められており、朝礼は廃止されている。そんな中、人事を担当する「人自部」(人事部ではない)では朝礼を続けており、各自の報告は最小限にとどめ、朝礼として確保している時間で「手話」を学んでいる。

スタートトゥデイの人自部が「手話」を学ぶのには、聴覚障害を持つ人と一緒に働く機会が増えているからという背景がある。人自部は障害者の採用面接にも立ち会う。自らが手話をマスターできていれば、手話通訳や筆談に頼らなくとも、本人の気持ちを直接聞くことができ、採用の大きな判断材料を得ることができる。

朝礼の時間を利用し、毎日1フレーズの手話を覚えているという。スタートトゥデイの例を聞くと、企業の人事に関わるビジネスパーソンは手話を覚えておいて損はない。人としてはもちろん、ビジネスパーソンとしてスキルアップに繋がるだろう。

手話を広める企業ShuR(シュアール)の取り組み

また「手話」にまつわる事業を展開している企業がある。「ShuR(シュアール)」は手話サービスとITを融合させ、聴覚障害者と健聴者の社会における差をなくそうとしている企業だ。

シュアールはビデオチャット機能を利用した遠隔手話通訳サービスを生み出しており、そのサービスは障害者にも、雇用する企業などにもうれしい内容となっている。利用は無料だが有料契約で端末を設置する箇所(ホテルや行政窓口など)があり、ビジネスとして成立している。

シュアールではウィキペディア型のウェブを活用した手話辞典「Slinto(スリント)」というサービスも行っている。利用者と登録される手話数が増えればビジネスにも繋がるという。シュアールのサービスはこれから伸びていくビジネスだと言える。このようなビジネスを成功させるにも、サービスに関わるビジネスパーソンは「手話」を身につけることで、よりサービスの信頼性が高まることだろう。

「手話」を学ぶにはどうすればいい?

注目を集めている「手話」を学ぼうとした時、何か特別な講習が必要なのかと考える人もいるだろう。「聲の形」に出てくるように手話サークルなど人を集めて学ぶ機会もあるが、「手話」は本やインターネット、動画で自習することが可能だ。普段「手話」に関わることが少ない反面、情報社会である現代は自ら検索をすれば「手話」に関わるサイトにすぐに行き着くことができる。もちろん、単語の数は膨大だ。「手話」を覚えるには、普段よく使う言葉から覚え始めるといいだろう。そして付随する言葉を覚えていくと身につけやすいはずだ。

実は「手話」が法律上「言語」と規定されたのは2011年と日が浅い。こうした背景も「手話」が浸透しなかった原因だったのかもしれない。また、手話は世界共通ではないことを覚えておかなければならない、もっと狭い地域で見るのならば日本国内でも東日本と西日本で異なる手話単語があるのだ。先に伝えたシュアールの手話辞典サービスが今後、世界の手話統一につながることを願わずにはいられない。

©大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会


<な~るほど介護>車いすの家族と買い物 補助具を使い快適に

2016年09月29日 02時47分36秒 | 障害者の自立

 車いすを押しながら、買い物かごを片手に持って食品を選んでいく-。車いすが必要な家族と一緒に出かける買い物は大変だ。付き添い家族のそんな苦労を減らそうと、かごを据えられる特製車いすや補助具が発売されている。買い物は要介護者にとって良い気晴らしでもある。さあ、楽しい買い物に一緒に行こう。 

 愛知県春日井市の大型スーパー「アピタ高蔵寺店」で八月に行われた車いす補助具の体験会。「自分でほしいものを自由に取って、かごに入れられるからいいね」。

同市の主婦森鏡子さん(63)が話しかけると、車いすに乗った妹の大川美和子さん(60)が満足そうにうなずいた。

 車いすの前部には、スーパーの買い物かごが据え付けられており、大川さんが自分でシチューのもとに手を伸ばし、かごに入れた。車いすは日頃使っているもので、かごを置ける補助具を車体前部に付けた。

 大川さんは要介護4。一人で買い物に行くのは難しく、姉妹で週一度の買い物を楽しみにしている。ただ、補助具を付けたのはこの日が初めて。これまでは車いすに乗った大川さんの膝の上にかごを置いていた。このため「妹の膝にかごの痕がくっきり残ってしまったこともある」と、森さんは話す。

 体験会は、車いす利用者とその家族に楽に買い物をする方法を知らせようと、家族介護者を支援するNPO法人「てとりん」(同市)が企画。大川さん姉妹らが参加した。かごが重くなっても操作がしやすいか、かごに商品を入れやすいかなどの点を確認した。

 補助具を製品化しているのは、東京都葛飾区の補助具開発メーカー「あい・あーる・けあ」。車いすの足元の左右の金具に、あらかじめホルダーを取り付けておき、買い物の際に特製金具を差し込んでかごを引っ掛ける。

 かごを要介護者の前に置く形になるので、要介護者自身が商品を出し入れできる。同社の落合克良社長(69)自身が車いすの利用者で、一人で買い物をするために二十年以上前に考案した。

 同社担当者は「両手が使え、買い物中も自力で車いすを操作できる。車いすの人が自分の意思で、なるべく人の手をわずらわせずに外出できるようにしたかった」と話す。

 今回試した製品は、高いもので約二万円。介護保険の適用はなく全額が自己負担。補助具を常備しているスーパーもあるが、要介護者の体形や車いすのタイプによって使えない場合もある。「てとりん」は、体験会で出された意見を各メーカーに送った。

◆専用タイプ 店頭で貸し出しも

 買い物専用の車いすを開発したのは、店舗備品企画販売会社「スーパーメイト」(岐阜県笠松町)。車いすの背面にかごを置けるようになっている。主に全国のスーパーなどへ販売し、店頭で貸し出してもらっている。

 同社担当者は「十年以上前に商品化したが、目立たない存在だった。最近は体の不自由な高齢者や障害者が外出することが多くなり、買い物に便利な車いすへの需要が高まってきた」と話す。

車いすの前に取り付けたかごに商品を入れる大川美和子さん(右)。後ろで車いすを押すのは森鏡子さん

2016年9月28日   東京新聞


「心の壁」打ち破れ J1浦和がサポーターとブラインドサッカー体験会

2016年09月29日 02時39分05秒 | 障害者の自立

 浦和は今夏、視覚障害者らによる5人制サッカー(ブラインドサッカー)の体験会を開いた。選手やサポーターら約60人が参加。発起人のMF平川忠亮(37)は「目の不自由な方との壁をなくすために今後も続けていきたい」と意欲的に話す。

 平川は昨年3月、練習中にボールを顔に受けて数時間、視力を失っている。「このまま見えなくなるかもしれないと考えたらサッカーどころじゃなかった」。失明も頭をよぎったという。

 約1週間後に実戦復帰するまでに回復したが、その後も視覚障害者の力になりたいという思いを持ち続けた。そして同じ埼玉県内で活動するブラインドサッカーのチーム「埼玉T・Wings」との交流が始まった。

 体験会では参加者はアイマスクを着用し、ボールの中に入った鈴の音を頼りにプレーした。選手同士のコミュニケーションが鍵で、講師を務めた5人制サッカー日本代表の加藤健人は「言葉の大切さを感じていただけたと思う」と述べた。

 2020年東京パラリンピックでも実施されるが、平川が目指すのは競技の普及だけではない。「最初は彼らに気を使ってしまい、気付かないうちに壁をつくっていたが、触れ合うことで壁がなくなる。そうすれば街中でエレベーターのボタンを押してあげたり、少し手助けできるようになる」と心のバリアフリーへの願いを口にした。

ブラインドサッカーの体験会で参加者を誘導する浦和のMF平川忠亮(右)

2016年9月28日   東京新聞