来春の発売を目指す「釜石ワイン」を仕込むためのブドウの収穫が、岩手県釜石市甲子町の釜石あまほらファームで始まっている。
NPO法人「遠野まごころネット」(岩手県遠野市)が障害者や高齢者の雇用を生み出し、6次産業化で地域を活性化させようと始めた。鉱山跡地約2000平方メートルを借りて、2014年からヨーロッパの醸造用ブドウの苗木1050本を植え、障害者らが栽培してきた。昨秋は初めて約30キロを収穫し、ワインを試作。少量で販売はできなかったが、三陸の魚介類に合う辛口に仕上がった。
今年は、相次ぐ台風で一部の落果はあったが、収穫量は昨年の10倍近くに増え、ワイン約100本を販売できる見込みという。
18日には、計画を支援するイオングループや英国を本拠地とするバークレイズ銀行グループの社員、地域住民らが加わり、約50人で白ワイン用のブドウ約200キロを一房ずつ丁寧に摘み取った。残る赤ワイン用品種は10月に収穫する。
まごころネットの小谷雄介副理事長は「3年目で、順調に進んでいる。来年には遠野市に醸造施設を整備する計画で、本格的に障害者の雇用を進めていきたい」と話していた。
収穫したブドウを手作業で選果した