神戸・ポートアイランドで11、12日に開催されるG7神戸保健大臣会合を前に、英国アルツハイマー病協会のジェレミー・ヒューズ専務理事(58)が9日、障害者に対する地域ケアの実態を視察するため、兵庫県たつの市のNPO法人「いねいぶる」の事業所を訪れた。
同NPOは障害者の就労・生活支援に取り組む。ヒューズ氏は、同市龍野町で弁当の配食サービスを行う就労支援事業所など、5カ所の活動拠点に足を運んだ。
精神障害者や若年性認知症者らが、JR姫新線本竜野駅舎を清掃したり、コミュニティーカフェで働いたりしている様子を見学。「どうやって仕事を探したか」「他地域でも同様の業務があるのか」と矢継ぎ早に質問した。
宮崎宏興(ひろおき)理事長(43)は「利用者同士がどんな仕事が必要か、話し合いから始める」と説明。自主性を重んじ、スタッフがサポートに徹することで利用者の仕事への姿勢が変わった-など経験談を交えて答えた。
同会合で世界保健機関(WHO)事務局長らと意見交換するというヒューズ氏。「障害者自身で何をしたいかを決め、それが達成可能であることが分かった。他の自治体でも優良事例を展開できないか提案したい」と話した。
障害者らが配食サービスを行う事業所を視察するヒューズ氏(左端)
2016/9/9 神戸新聞NEXT