川勝平太知事は静岡新聞社の新年インタビューに応じ、2017年はスポーツ振興をさらに推進するとともに、健康寿命延伸に役立つ新たな研究拠点づくりを検討する考えを述べた。7月4日の2期目任期満了まで残り半年となる中で、県政運営の道しるべとなる県総合計画後期アクションプラン(計画年次14~17年度)を引き継ぐ次期計画の展望も語った。
―16年はリオデジャネイロ五輪・パラリンピックをはじめ県勢選手が活躍した。
「世界クラスの選手がたくさんいる。特にリオ・パラリンピックは日本のメダル24個のうち、3分の1近くは本県の選手だった。障害者スポーツは大いに推進していきたい。19年ラグビーワールドカップ、20年東京五輪・パラリンピック自転車競技が本県で開催されることを知り、『スポーツの静岡』というイメージを持つ海外の人も増えている」
―伊豆市が会場となる東京五輪・パラリンピック自転車競技の準備状況は。
「県の役割として、アクセス道路は予算を組んで進めている。会場の伊豆ベロドローム自体は県の所有物でないが、当初言われていたよりも大きな改修は必要としないのではないか。日本自転車競技連盟の橋本聖子会長は伊豆ベロドロームを『自転車のメッカにする』と言った。伊豆半島にとどめず、静岡県全体をサイクリングの聖地にしていきたい」
―スポーツと併せ、健康維持は県民の関心事。県としてどう取り組むか。
「健康寿命の延伸は人類の希望。社会保障費もうなぎ上りで『ピンピンコロリ』が一番いい。いかに長く健康でいられるか、静岡県として社会健康医学の研究を進めて科学的にきちんとする。研究の拠点づくりには大いに前向き。場所もだいたい決めている」
―10年度から10年計画で進める県総合計画はどう進捗(しんちょく)しているか。
「総合計画の後期アクションプランは順調に推移し、(前期と合わせて)10年計画を2年9カ月前倒しで達成できる見通し。今、次のプランを作っている。世界から憧れを呼ぶ『ジャパニーズ・ドリーム』が軸だ。人々の生活の基礎は家、家庭。つまり、ライフが一番大切。多様なライフスタイルの提供は東京ではできない。その理想郷を静岡県が実現する。具体的には、県内全市町に推進区域を指定した『内陸フロンティア』を隣県に広げていく取り組みなどを考えている」
―自身の3選出馬の見極めは。
「役人は先例主義。私の場合は初出馬の時、選挙の1カ月前に決めたのが先例だ。任期残り1年とか1年半前に出馬を表明して選挙に向けた運動をするのは見苦しい。静岡県(の政治家)は少なくともやめてほしい」
―知事にふさわしい人材とは。
「世界クラスの人がいい。1期目の時は静岡県を日本一にしようとやってきた。2期目で世界クラスであることが確証された。次はジャパニーズ・ドリームで上がり。私は68歳だから、あと4年たったら72歳。どちらにしてもいずれ譲らないといけない」
2017/1/1 @S[アットエス] by 静岡新聞