中央省庁が障害者の雇用数を水増ししていた問題を受け、政府は国家公務員の採用選考で障害者を優先的に採用する「障害者枠」を設ける検討を始めた。今後、再発防止策を検討する関係府省連絡会議で具体的な実施方法などを議論し、10月中に結論を出す方針だ。
全国の都道府県や政令指定都市は、障害者を対象に別枠で常勤職員に採用する障害者枠を導入している。一方、国にはこうした仕組みはなく、大半は非常勤職員として採用している。このため、働く障害者数を増やすだけでなく、活躍の場を広げてもらうため常勤職員に障害者枠を設けることも含めて議論する。人事院によると、障害者枠の導入は法改正せずに可能だという。
昨年6月1日時点の雇用者数の再調査結果で、国の33行政機関のうち27機関で水増しが発覚し、27機関が当時の法定雇用率2・3%に達していなかった。当時の法定雇用率を満たすには計3396人の障害者を新たに雇う必要がある。さらに今年4月から法定雇用率は2・5%に引き上げられており、政府は各省庁に対して可能な限り年内に、遅くとも来年中に達成するよう求めている。
2018年9月4日 朝日新聞