山梨県障害者福祉協会の佐久間史郎副理事長らが14日、県庁に後藤斎知事を訪ね、県と県教委による障害者雇用者数の水増し問題で改善を求めた。佐久間氏は「県における不適正な障害者雇用は到底、看過できない」と厳しく批判。後藤知事は深く頭を下げ、「申し訳ありませんでした」と謝罪した。
県庁を訪れたのは、佐久間氏ら副理事長4人と理事2人。
県が臨時採用などで進める是正に対し、(1)法定雇用率達成の道筋や障害種別ごとの雇用状況の明確化(2)障害の軽重で雇用の差が生じない取り組み(3)採用基準の明確化(4)障害者が最大限、能力発揮できる環境整備(5)重度障害者の在宅就労などへの支援-を求めた。
知事は「できる限り対応する」と応じ、水増し問題について「障害者団体と積み上げてきた信頼関係が損なわれ、憂慮すべき事態と思っている。信頼される組織に生まれ変われるよう、最大限努力すると誓う」などと謝罪した。
佐久間副理事長は取材に応じ、県が障害者手帳の確認を怠り、職員を障害者に参入したことについて「障害者手帳は障害年金の申請時などに提示する。県が提示を求めても断る理由はない。県が確認しなかったところに問題があった」と県の対応を厳しく批判した。
さらに、「国民の理解が深まれば障害者の雇用率は上げられる」と指摘。「県には1日も早く具体的な道筋、計画を出してほしい」と適正な雇用を求めた。
県と県教委が先月公表した実際の障害者雇用率(6月1日時点)は、県2・04%、県教委1・64%。いずれも法定雇用率(県2・5%、県教委2・4%)を大きく下回った。
プライバシー配慮などを理由に障害者手帳などの確認をせず、県で17人、県教委では28人の職員を障害者として算入。法定を上回る水準に障害者雇用率を水増ししていた。
2018.9.14 産経ニュース