(チエミの)婦人靴と文通
nhkラジオ 新日曜名作座
( 画像は 菜の花 2/28 )
2月28日(日)
今日は 2月の最終日
しかも日曜日
私が
毎晩楽しみに愛聴している番組に
NHKラジオ「新日曜名作座」がある
毎晩 どんなドラマがあるか
風呂に入って楽しみにすることが多い
今回は
あの青春小説などで有名だった
石坂洋次郎さんの傑作短編集からだ
今夜は「婦人靴」だそうだ
映画に「チエミの婦人靴」があり
内容は似ている
内容は 靴職人見習いの又吉と
女工の美代子が
ある雑誌の文通投稿欄で知り合い
意気投合して
造り上げた赤いハイヒールを
プレゼントするが‥という話だ
(携帯もスマホもなく、電話も高価で
あまり普及していない頃の話だ)
私が高卒後就職した工場は
多摩の日野市にあり
大きくて従業員も多かった
その中にいわゆる女工さんも
部署によっては多くいた
私の部署は 伝送部といい
やや専門的な電気部門だったから
女性はチラホラだったが
ポケベル部(携帯通信の走り)は
女子の行員さんが
結構多く勤めていたと思う
(昼食時や退勤時に
大勢の女工さんたちを見かけた
たいてい中卒や高卒の人だったと思う)
この「婦人靴」の時とは
少し時代は違うが ドラマに
何だか懐かしい感じを受けた
というのも この私は
「女工さんとの文通」で
ほろ苦い思い出があるのだ
私は 会社退職寸前に
工場内で見かけるポケベル部の
女工さんが気になり
背が高くすらりとした
彼女と知り合いになりたくて
もう会えないのだと追い込まれた挙句
思い切って職場を訪ね交際を頼んだ
すると 彼女は
文通ならばいいです と答えてくれた
そして 間もなく私は
大学受験のため故郷に帰り
浪人生活をしながら
しばらく彼女と手紙のやりとりをした
彼女の手紙は
たどたどしい文面ながら
優しい人柄が伺えたが
何しろ浪人の私の現状がひどく
思い返せば 電話の一つもせず
会ったのもそれっきりだったから
彼女にとっては尻切れトンボ状態で
何通かの手紙のやり取りで
いつの間にか自然消滅とあいなった
二人とも まだ十代後半
携帯もスマホもない時代
電話代も◯◯秒が◯◯円の時代に
ポケベルや電話関連機器を
造る仕事に携わっていた若者の
淡く切ない泡のような エピソードです
そして 手を握ったこともない
カスミのようなこの恋?を語るのは
私の人生で初めてのことです‥
ps 2021.2.28 草稿
NHKラジオ 新日曜名作座
石坂洋次郎短編集 第2回放送
そして なぜか 私は
かの名歌「煙が目にしみる」を
思い出していました
歌うのは ザ・プラターズや
女性シンガーのアイリーン・ダン
懐かしいメロディーと歌詞の内容
ノスタルジックなレコードーの音
女性の淡い初恋を歌い上げる名曲です
※ 下記は 参考にしたネット記事です
ストーリー
(「チエミの婦人靴」)
※結末の記載を含むものもあります。
「僕は靴造り、ハイヒールが得意、チエミファンの僕に御文通を……」という、靴つくりの又吉の投書が雑誌に載って間もなく、早川美代子という娘から彼の許に「私もチエミの大ファン、お互いに励まし合いながら若い日を生きて行きましょう」という手紙が舞いこんできた。ボロ靴の修理ばかりやっている又吉は大喜び。屋根裏部屋で彼女宛の手紙を書きながら、美代子と会う日を空想していた。やがて美代子は、又吉にぜひ一度会いたいと言ってきた。又吉は親友三ちゃんやトンちゃんに励まされ、ある日、彼女と感激の対面をした。驚いたことに美代子はチエミと瓜二つ。再会を約して別れる頃には、二人共すっかり意気投合してしまった。又吉は造ったこともないハイヒールを彼女に造れるといった手前、美代子にハイヒールをプレゼントしようと決心、翌日から仕事に没頭した。次の日曜日、又吉の贈った赤いハイヒールを美代子は大変喜んだ。ところが、その日から美代子の文通がプツリと途絶え、又吉の落胆はひどかった。或る日、彼女から又吉のハイヒールで足をくじいて寝ていたとの手紙が来た。元気をとり戻した又吉は、親方に暇をもらい美代子の家に飛んでいった。松葉杖をひいて出て来た美代子は自分の家は貧乏で兄は不良、自分は女工という身分をかくしていたことや、又吉の投書を見て、ハイヒールをプレゼントしてもらえるかも知れない、と思って文通したことを打明けた。「今の私は、あなたに嘘をつきたくない」という美代子に、又吉も自分のウソを打明け、彼女を疑ったことを謝った。「私達、もう一生、嘘をつくのを止しましょう」という美代子の言葉に又吉は力強く頷いた。
江利チエミ、井上大助、中村是好ほか
1956年 東宝映画
Movie Walker Press より
チエミの婦人靴|MOVIE WALKER PRESS
チエミの婦人靴|MOVIE WALKER PRESS
『乳母車・最後の女 石坂洋次郎傑作短編選』(石坂 洋次郎,三浦 雅士):講談社文芸文庫 製品詳細 講談社BOOK倶楽部