◇「X-Trans CMOS」のRAW現像が改善
市川ソフトラボラトリーによると、デジタル現像ソフト「SILKYPIX Developer Studio Pro5」で、富士フイルムの「X-Trans CMOSセンサー」のRAW現像時の画質向上に成功したとのこと。
メールが来たのでSILKYPIXのサイトを見てみました。
SILKYPIXのサイトによると、以下の通り。
『株式会社市川ソフトラボラトリー(代表取締役社長:市川芳邦 本社:千葉市)は、デジタル現像ソフト「SILKYPIX Developer Studio Pro5」での画像処理アルゴリズムを改善し、「X-Trans CMOSセンサー」のRAW現像時の更なる画質向上に成功しました。
「SILKYPIX Developer Studio Pro5」は、「X-Trans CMOSセンサー」への対応時点(2012年2月16日)から、画質に関して多くのお客様から高い評価をいただいてまいりましたが、今回の画像処理アルゴリズムの改善により、「X-Trans CMOSセンサー」の性能を更に引出すとともに、高解像度を維持したままモアレなどの現象を抑え込むことを実現致しました。
今回の画像処理アルゴリズムの改善技術は既に完成しており、近日中に「SILKYPIX Developer Studio Pro5」のアップデートとして公開する予定です。』
「X-Trans CMOSセンサー」は、独自のカラーフィルター配列のため、ローパスフィルターが不要になるというのは周知のとおり。
解像感が高く、「X-Pro1」「X-E1」「X100S」「X20」に搭載されて人気を呼んでいますが、センサーのしくみが特殊なのか、サードパーティー製のRAW現像ソフトが対応するのに時間がかかっていたようです。
富士フイルムとしても最近、XシリーズのRAW現像対応拡大に取り組んでおり、今月初めには、アドビ システムズとRAWデータの画像処理について協働を開始したと発表。アドビ システムズが新たに公開した「Adobe Photoshop Lightroom 4.4」と「Adobe Photoshop Camera Raw 7.4」では、X-Trans CMOSセンサーの画像の処理アルゴリズムが改善されたとしていました。(4/3記事参照)
今回は、富士とアドビのように「協働」あるいは連携というものがあったのか不明。市川ソフトラボラトリーが独力で改善したのかもしれません。
また今月19日には、『富士フイルムによるXシリーズのRAW現像対応拡大に向けた取り組み---アップル社が「OS X」にてサポートを開始!』(富士フイルムのサイト)というお知らせも出ています。
「X-Pro1」「X-E1」などのユーザーにとって、環境が整ってきているという意味では、良い話です。
◇Xマウントレンズ環境
今月17日にXユーザー待望の望遠ズーム「XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS」(35mm換算84-305mm相当)が発表され、同時にXマウントレンズの新しいロードマップ(下、富士フイルムのサイトより)も発表されました。(ニュースリリース)
これを見ると、当初2013年中に予定されていた中望遠単焦点レンズ「XF56mm F1.4」(35mm換算84mm相当)が「XF56mm F1.2R」と明るくなった反面、2014年にずれ込んでいます。
また、需要が多いと思われる超広角ズーム「XF10-24mm F4R OIS」(35mm換算15-35mm相当)が出るのは2013年末になりそうです。
あまりスピーディーなレンズ整備とは言えませんが、今年中にツァイスの明るい単焦点レンズ3本の発売が予定されているのは、選択肢が広がって、良いニュース。おそらく値段は高いでしょうけどネ…
こうやって、Xシリーズが腰を据えて徐々に充実していくのは日本のデジタルカメラにとっていいこと。海外でも性能面の評価が高いようですが、最近気になる噂が…
『富士フイルムが2/3インチセンサーを採用した新シリーズのミラーレスカメラを準備中?』(デジカメinfo)というもの。
「X-Pro1」「X-E1」は大きめのカメラなので、もう少し可愛いカメラを、ということなんでしょうけど、ただでさえXマウントレンズの数は十分でない状況で、またマウントの違う新しいカメラを出して大丈夫なの?という気もします。