フィンランドのNokiaが11日(現地時間)、米ニューヨークで4,100万画素カメラを搭載したスマートフォン「Lumia 1020」を発表しました。(マイナビニュース参照)
センサーは裏面照射型CMOSで、サイズは1/1.5型とのこと。こんなに小さいセンサーで4,100万画素の画像が撮れるというのが驚きです。
画素数だけから見ると、3,630万画素のフルサイズ一眼レフ、ニコンD800も真っ青。デジタルカメラを浸食しているスマホのカメラ機能もここまできたか、という感じですが…
はたして、詳しく見た場合、どこまで性能面で凌駕しているのでしょうか。(下はNokia「Lumia 1020」のプロモーションビデオ)
◇画素数
まず、4,100万画素とはいうものの、マイナビニュースによると、有効画素数はアスペクト比16:9の場合で3,360万画素(7,712×4,352)、4:3の場合で3,820万画素(7,136×5,360)となるそうです。
4,100万画素というのは有効画素数ではなくて、総画素数のことなのでしょうか?
センサーをどのアスペクト比で使用するかで画素数が変わるのは当然のことなのですが、アスペクト比を変えれば4,100万画素の画像というものが実際に撮れるのかどうか… よくわからないところがあります。
◇レンズ
ツァイスと協業して開発したレンズはガラス1枚、プラスチック5枚の計6枚構成。やはりスマホだけに軽量化に重点を置いて、プラスチックを多用していますね。F値はF2.2。けっこう明るいじゃないですか。
焦点距離は、35mm判換算で25mm(アスペクト比16:9)または27mm(アスペクト比4:3)の広角。
光学ズームでなく、高画素を生かしたデジタルズーム。
◇実写例
都市を俯瞰した作例(アスペクト比16:9)を見てみました。
3,360万画素(7,712×4,352)の画像、確かにすごいものがあります。ただ解像度はよくありません。ビルの外観などもエッジの切れが悪いですね。せっかく3,360万画素もあるのにレンズ性能が良くなくて生かし切れていない印象。さらに周辺部になるとさらに解像度が目立って落ち、輪郭はぼやけ、像も流れています。またザラザラしたノイズも多く、それを塗りつぶしたようなノイズリダクション処理(?)が目立ちます。
同じ3,000万画素超の画像でも、ニコンD800の緻密な画像とは全く比較になりません。
オーバーサンプリングという技術で画素を合成した500万画素の画像も並べられています。こちらの方が解像度も良く、ノイズが少ない感じがします。
夜景の作例もありました。ノイズが多いですが、パッと見は美しい。スマホでここまで撮れるのは立派というべきかもしれません。
◇本格的なカメラ設定
シャッタースピード、露出補正、ホワイトバランス、ISO感度、マニュアルフォーカスなども設定できるようです。
また、オプションの「Nokia Camera Grip」を背面パネルと交換すれば、グリップ、三脚穴、シャッターボタン、外部バッテリを追加できるとのこと。
おやおや、ここまでくると全く普通のカメラと同じでは…
こんなのが発売されると、一眼レフはともかく、低価格コンパクトカメラは完全に要らなくなりますね。
ウ~ンやっぱりデジタルカメラの「最強の敵現る」。価格は299.99ドル。
最初は米国、それから中国、欧州、南米で販売されるそうです。カメラファンとしては、こんなの、日本にだけは上陸してほしくないですねェ。
追記
dpreview CONNECTに「Lumia 1020」の公式サンプル画像がいくつか掲載。コメントも多数寄せられています。