磁石を使って血液から細菌や毒素を取り除く装置を開発したとの研究論文が、Nature Medicineに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。これにより、敗血症や他の感染症患者に救済の道が開かれる可能性があるそうです。脾臓のような働きをするこの装置には、「マンノース結合レクチン(MBL)」と呼ばれる人間の血清タンパク質でコーティングされた磁性微粒子(ナノビーズ)が使われているそうです。病原菌や毒素はMBLと結合するそうです。この「バイオ脾臓」は、敗血症を治療するために開発されたそうです。敗血症の患者数は世界で毎年1800万人に上り、死亡率は30~50%。敗血症を引き起こす病原菌は抗生物質に耐性がある場合が多く、体内で速やかに拡散してしまいます。論文によると、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)や大腸菌などの有害な細菌に感染した、生きたラットを用いた実験では、この装置によって90%の細菌を血液中から除去できたそうです。また人間の血液を用いた実験では、多種の細菌類や毒素がバイオ脾臓で除去されることも示されているとも。あとは人間に対する安全性が示されれば、この『バイオ脾臓』を用いて患者を治療できるようになる可能性があるそうです。
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