森林火災や死亡事故の原因となり得る落雷の発生件数は、気候変動が原因で今世紀末までに50%ほど増加する可能性があるとの研究論文が、Scienceに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。この論文は、地球温暖化が2100年までにどのように進行するかを予測する11種類の異なる気候モデルに、降水量と雲の浮力の測定値を適用した結果に基づくものとなっているそうです。温暖化が原因で、大気中に含まれる水蒸気の量は増加する。このことは、『燃料』が増えるほど、点火した時に爆発の規模が大きくなる可能性があるのと同じだというのです。雷が受ける影響についてのこれまでの推算では、降水量との密接な関連性がない間接的な手法が用いられていたそうで、そこから導き出された結果は、温暖化で気温が1度上昇するごとに、雷の発生数が5~100%の範囲で増加するというものだったそうです。一方、今回の最新研究では、大気中の空気を上昇させるエネルギーと降水率とを合わせて考慮する手法に基づいているそうです。降水量と対流有効位置エネルギー(Convective available potential energy、CAPE)という2つのパラメーターを複数の気候モデルに適用した結果、世界の平均気温が1度上昇するごとに、落雷が約12%増加することが分かったそうです。気温が今世紀末までに4度上昇すると、落雷は50%近く増加することになるということです。落雷の発生数が増加すると、死傷者が増える可能性がある上、自然や野生動物に破壊的な影響が及ぶ恐れも。また、落雷率の増加が原因で、乾燥した森林地帯で起きる山火事の件数が増加し、多数の鳥や他生物が全滅したり、近隣の住民が危険にさらされたりする結果を招く恐れもあるとのこと。
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