健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

グリア細胞とうつ病

2014-12-11 08:30:21 | 研究
手綱核と呼ばれる脳の一部に存在するグリア細胞の機能不全が、うつ病の症状に似た行動異常や睡眠障害を引き起こすことが明らかになったそうです(財経新聞)。脳は神経細胞とグリア細胞によって構成されており、グリア細胞の一種であるアストロサイトはGLT-1遺伝子を発現し、興奮性の神経伝達物質であるグルタミン酸の代謝を介して脳の興奮性を調整していることが分かっているそうです。しかし、グリア細胞と精神・神経疾患との関わりについての詳細は解明されていなかったそうです。今回の研究では、手綱核のグリア細胞のGLT-1遺伝子を欠損させたマウスは、手綱核の神経細胞の発火率が上昇して過剰興奮状態にあり、脳幹部のセロトニンやドーパミン産生細胞の活動が抑えられていることが分かったそうです。また、絶望状態・不安様行動・社会回避行動を頻繁に示すといったうつ病の症状に似た行動異常、そしてレム睡眠時間の延長や入眠からレム睡眠までの時間短縮が観察されたそうです。
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