定型発達児は怒り顔を非常にすばやく見つけ出せるのに対し、自閉症の児童は怒り顔をすばやく見つけ出すことが困難であることが明らかになったそうです(財経新聞)。自閉症の子どもが他人とコミュニケーションを取るのが困難である理由として、一般的には「他者の心情を理解することができない」といった高次な認識や推論に問題があると考えられてきたそうですが、今回の研究でこれまでの仮説とは反対に、自閉症の子どもは基本的な表情の読み取りが苦手であることが、他人とのスムーズな交渉を阻害しているのではないかと考えられるようです。怒り顔は、向けられた者にとっては、身の安全を脅かす信号であるため、それに対し迅速に対処しようとすることは生物としてきわめて適応的な反応で、その情報処理はほとんど意識下でなされるものと考えられるそうです。ですが、自閉症の子どもでは、そのした表情を意識下でよみとり、状況ごとに対応を変化させる柔軟性が乏しいことが判明したというもののようです。
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