最新の画像解析技術の発達は目覚ましいもので、実際のMRIや造影CTの画像から、血管内の血流解析を行うことで、血管のどの部分の壁に負担がかかっているか、などを個別の患者様で知ることができます。たとえば、解離性大動脈瘤の大動脈の中で、やはり偽腔の壁に負担がかかっている部位がこの解析で判明したとすると、この部分が将来的に拡大して、破裂の危険が高くなるということが予測できます。大動脈瘤や大動脈解離において、将来破裂や拡大のリスクを正確にしることができれば、無駄な手術や検査も省略できますし、何といっても患者さんが安心して日常生活を送ることもできるし、また手術のタイミングも検討できることになります。現在は研究段階ではありますが、これが日常診療レベルで、電子カルテの中で簡単に解析できるまでに一般化すれば、さらに手術における置換部位の決定などにも応用でき、より確実な治療にも将来つながっていくものと思われます。
血流を扱う循環器診療においては将来期待の大きい分野と思います。
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