縦隔炎・胸骨骨髄炎後に感染が局所で再燃することがあります。大網は感染に強い組織なので、感染に弱い胸骨や縦隔内の感染に関しては強い味方です。最近は陰圧吸引療法(NPWT Negative Pressure Wound Therapy)が有力な武器になっており、特に補助人工心臓装着症例に起こる創部感染などでは、死亡率が多きく減少しているとも言われています。
しかしながら、大網充填した後に感染が遺残、もしくは再燃してしまうことがあります。
過去の経験では胸骨骨髄炎のレベルの感染では感染再発は見たことがありませんが、胸部大動脈瘤や大動脈解離の術後に人工血管感染を伴う縦隔炎に対して大網充填を行ったあとに感染が再燃してしまった症例を経験したことがあります。感染が再燃してしまった理由として、全周に大網を巻いていないので膿瘍のスペースが遺残してしまう、栄養状態が悪い、感染が制御されて無菌化する前に大網充填したことなどが関係していたと考えられます。大網充填術後に感染が再燃している頻度は非常に稀です。再燃した症例の菌種は、コリネバクテリウム、緑膿菌、MRSAです。
それに対する対応として、再度大網を巻きなおす、再度ドレナージしてNPWTを再開する、などの外科的対処が可能なものは行うとして、それ以外はNPWTを装着して祈るくらいしかないかもしれません。長時間を要しましたが、治癒した症例はNPWTを月単位で長期間装着し、適合した抗菌薬を継続、NSTに積極的に関与してもらい栄養管理を行った症例です。
よって、特に人工血管が入った症例で感染の再燃を予防するためには、最初に大網充填するタイミングが重要です。十分洗浄、ドレナージを行って複数回、創部の培養が陰性になってから大網充填を行う事が重要と最近では考えております。最初の培養が陰性であっても、弱毒菌が潜伏感染していることは否定できないため、複数回の培養陰性をタイミングの指標としています。
しかしながら、大網充填した後に感染が遺残、もしくは再燃してしまうことがあります。
過去の経験では胸骨骨髄炎のレベルの感染では感染再発は見たことがありませんが、胸部大動脈瘤や大動脈解離の術後に人工血管感染を伴う縦隔炎に対して大網充填を行ったあとに感染が再燃してしまった症例を経験したことがあります。感染が再燃してしまった理由として、全周に大網を巻いていないので膿瘍のスペースが遺残してしまう、栄養状態が悪い、感染が制御されて無菌化する前に大網充填したことなどが関係していたと考えられます。大網充填術後に感染が再燃している頻度は非常に稀です。再燃した症例の菌種は、コリネバクテリウム、緑膿菌、MRSAです。
それに対する対応として、再度大網を巻きなおす、再度ドレナージしてNPWTを再開する、などの外科的対処が可能なものは行うとして、それ以外はNPWTを装着して祈るくらいしかないかもしれません。長時間を要しましたが、治癒した症例はNPWTを月単位で長期間装着し、適合した抗菌薬を継続、NSTに積極的に関与してもらい栄養管理を行った症例です。
よって、特に人工血管が入った症例で感染の再燃を予防するためには、最初に大網充填するタイミングが重要です。十分洗浄、ドレナージを行って複数回、創部の培養が陰性になってから大網充填を行う事が重要と最近では考えております。最初の培養が陰性であっても、弱毒菌が潜伏感染していることは否定できないため、複数回の培養陰性をタイミングの指標としています。