心臓血管外科領域で最もお金を持っていて影響力があるのは、何といっても人工弁を扱っている会社です。人工弁は特に最近は生体弁の使用が9割という現状で、人工弁が一つ100万円近くしますし、高齢化によってますます使用数が増加しています。最近は経カテーテル治療による大動脈弁設置術(TAVI=Transcatheter Aortic Valve Inmplantation)もあり、こちらのデバイス料金が480万円あまりと非常に高額です。どうしてもこうした商品を扱う弁会社にはお金が集まるので、医療関係へのスポンサーになっているという現実があり、これによって、医療者側の治療方針も影響されているというのが本音です(だれも口には出しませんが)。
現在、世界の潮流としてかつての機械弁全盛時代から、生体弁全盛時代へと大きく変化したのは日本においても2008年ころに生体弁の使用数が機械弁の使用数を逆転して凌駕してからとしていいと思います。このころ、生体弁の会社の一大キャンペーンが毎年繰り広げられ、生体弁への移行に拍車がかかりました。その後、この10年、いつのまにか生体弁の使用率は9割を超え、より、若い人にも生体弁が使用されるようになり、同時にTAVIもより広範囲の人に適応される方向に今後向かうものと想像されます。
医療費の抑制には、国が主導してコントロールする必要があり、医療者への人件費が少なく、高額のデバイス料金へお金が流れる現在の仕組みから、より安いデバイスを使うと医療者や医療施設へ多くお金が流れるシステムに変えていく必要があります。
たとえば、現在矛盾があるのは人工弁置換よりも、より技術的に難易度が高い自己弁を温存する弁形成術の手技料が安くなっていることです。たとえば、人工弁置換するよりも自己弁を温存した方が手技料が50万円高く設定されれば、より自己弁を温存する症例が確実に増えます。たとえ手技料を50万円高くして、その手術に人工弁輪を使用しても、結果的に10万円以上、人工弁置換よりも総医療費は安く上がります。こうした国の施策が望ましいと考えます。
現在、世界の潮流としてかつての機械弁全盛時代から、生体弁全盛時代へと大きく変化したのは日本においても2008年ころに生体弁の使用数が機械弁の使用数を逆転して凌駕してからとしていいと思います。このころ、生体弁の会社の一大キャンペーンが毎年繰り広げられ、生体弁への移行に拍車がかかりました。その後、この10年、いつのまにか生体弁の使用率は9割を超え、より、若い人にも生体弁が使用されるようになり、同時にTAVIもより広範囲の人に適応される方向に今後向かうものと想像されます。
医療費の抑制には、国が主導してコントロールする必要があり、医療者への人件費が少なく、高額のデバイス料金へお金が流れる現在の仕組みから、より安いデバイスを使うと医療者や医療施設へ多くお金が流れるシステムに変えていく必要があります。
たとえば、現在矛盾があるのは人工弁置換よりも、より技術的に難易度が高い自己弁を温存する弁形成術の手技料が安くなっていることです。たとえば、人工弁置換するよりも自己弁を温存した方が手技料が50万円高く設定されれば、より自己弁を温存する症例が確実に増えます。たとえ手技料を50万円高くして、その手術に人工弁輪を使用しても、結果的に10万円以上、人工弁置換よりも総医療費は安く上がります。こうした国の施策が望ましいと考えます。