今回は「ブラック・ハット(CS)」です。
「ヒート」「コラテラル」のマイケル・マン監督が、「マイティ・ソー」「アベンジャーズ」のクリス・ヘムズワースを主演に迎え、ネットワークに不法侵入する謎のハッカーを相手に繰り広げられる攻防戦を描いたサスペンスアクション。
主演:クリス・ヘムズワース
共演:ワン・リーホン、タン・ウェイ、ビオラ・デイビス、ホルト・マッキャラニー、アンディ・オン、リッチー・コスター、クリスチャン・ボール、ジョン・オーティス、ヨリック・バン・バーヘニンゲンなど
<ストーリー>
何者かのネットワーク不法侵入により香港の原子炉が爆破され、アメリカの金融市場も大打撃を受ける。アメリカと中国の共同捜査チームは事件解決のため、違法なハッキング行為で投獄されていた天才プログラマーのハサウェイに協力を要請。犯人は以前ハサウェイが開発したプログラムを応用しており、ハサウェイは捜査チームとともに犯人を追いかけ、シカゴから香港、マレーシア、ジャカルタを駆け巡る。
2015年の作品である。
ネットでの評価がエラく低かったので、気にはなっていたのだけど、予想以上にヒドい内容だった。
内容は、「ネットワークに不法侵入する謎のハッカーを相手に繰り広げられる攻防戦を描いたサスペンスアクション」とあるが、その謎のハッカーに挑むハッカー役がクリス・ヘムズワース、という時点で違和感はあった。
彼は、マイティ・ソーなどでアクションを披露しているが、あの声(バカ声?)なので、決して頭脳派には見えない。
しかも、ハッカーのイメージはブヨブヨしているかヒョロヒョロのどっちかであって、彼のような筋肉隆々のイメージなど、どこにもない。
だから、違和感を持ったまま物語は進むのだけど、心配は無用(?)だった。
中盤以降は、完全に頭脳と頭脳の戦いではなく、肉弾戦となる。
つまり、クリス・ヘムズワース演じるハサウェイは、ハッカーなどではなく、完全にCIAの工作員か諜報部員である。
実に行動的で、やることに抜かりがなく、しかも殴り合いにも強い。
まるでイーサン・ハントかジェイソン・ボーンを見ているかのようだった。
そして、終盤に差し掛かるに至って、その様相はヒドくなり、あろうことかハサウェイと共に捜査していた元同級生の中国人民解放軍情報部のダーワイ大尉やFBIの捜査官たちが、テロリストたちによって一挙に殺される。
つまり、これ以降はダーワイ大尉の妹でシステムエンジニアでハサウェイの恋人であるリエンとハサウェイの二人だけの戦いとなる。
ただ、このシーンも変だった。
ハサウェイがダーワイとマレーシアに行くために空港に向かう途中、妹を降ろして話をしている時に、車に残ったダーワイがテロリストの機関銃による銃撃を受けるのだが、ただのハッカーが拳銃なんか持っているわけがないのに、テロリストたちは遠目から銃撃を続けるだけ。
何してんの? もっと詰めろよ。
しかも、バカな妹が銃弾が舞う中を兄のところに駆け寄ろうとするし、そこへ駆けつけたFBIの捜査官たちも、二人の救出に向かうのかと思っていたら、何と車から降りて拳銃で応戦してやんの。
機関銃相手に勝てるわけないやん。
案の定、二人とも撃ち殺されてしまう。
実に驚くべきシーンなのだが、いったいどういうつもりでこんな展開にしたんだろう。
そもそもこの二人の恋愛シーンが随所に出てくるのだけど、正直どうでもよくて、何でこんな設定にしたのかわからないほど時間の無駄だった。
そして戦いの場はマレーシアに移るのだけど、ここからの展開はさらにムチャクチャとなる。
冒頭で香港の原子炉が爆破されるのだけど、これは単なる予行演習であって、本当の目的はマレーシアにある錫の鉱山を爆破は、錫の値段を吊り上げようするものだったことがわかる。
はあ???? である。
警備員も誰もいない錫の鉱山のパイプを爆破するのに、同じパイプを使っているというだけで、どう考えても警備やシステム管理が厳重なはずの原子炉で予行演習をやるなんて、頭がおかしいとしか思えない。
しかも、連中はすでに大豆の先物取引市場をシステム操作することによって莫大な利益を得ている。
市場操作ができるのだから、わざわざ鉱山爆破なんてことをやらなくても、錫の価格を操作すればいいだけなんじゃないの?
つまり、この謎のハッカーが、いったい何がやりたいのかまったく理解できないわけだ。
わざわざテロリストと手を組んで、中国人民解放軍の情報部員やFBIの捜査官を殺してまでしてやることではないだろう。
そして最後。
ハサウェイは、単身で謎のハッカーとテロリストとの戦いに挑むのだけど、相手の犯罪を防ぐという目的は完全にどこかに行ってしまって、ただただ復讐のためだけの戦いになっている。
しかも、相手が複数であり、全員武器を携えていることがわかっているにもかかわらず、持っていくものはナイフだけで、しかもお腹には雑誌をガムテープでグルグル巻きにして防弾チョッキの代わり(?)にして臨むなど、無謀であることこの上ない。
相手は機関銃をぶっ放してくるのに、そんな軽装で防げるはずがないだろうし、そもそもお腹しか覆っていないので、胸より上を狙われたらどうしようもない。
幸い(?)相手はお腹しか撃ってこなかったので、一命をとりとめるのだけど、あんな群衆の中で撃ち合いをしているのに、群衆たちはたいして驚いてもいない。
「何なんだ、あの描写は!」と思うほどヒドい展開だった。
そしてラスト。
すでに指名手配犯となってしまったハサウェイが、これからどうするのかと思っていたら、謎のハッカーから奪った4700万ユーロ(これもまた簡単に盗んでしまっていたけど、銀行のセキュリティって大丈夫か?)から少しだけ下ろして、恋人のリエンと共にどこかへ消える。
もう唖然としたまま映画は終わってしまった。
ということで、まだまだツッコミどころがありそうなので、年末にもう一度振り返ることにして、評価は「D」といたします。
「ヒート」「コラテラル」のマイケル・マン監督が、「マイティ・ソー」「アベンジャーズ」のクリス・ヘムズワースを主演に迎え、ネットワークに不法侵入する謎のハッカーを相手に繰り広げられる攻防戦を描いたサスペンスアクション。
主演:クリス・ヘムズワース
共演:ワン・リーホン、タン・ウェイ、ビオラ・デイビス、ホルト・マッキャラニー、アンディ・オン、リッチー・コスター、クリスチャン・ボール、ジョン・オーティス、ヨリック・バン・バーヘニンゲンなど
<ストーリー>
何者かのネットワーク不法侵入により香港の原子炉が爆破され、アメリカの金融市場も大打撃を受ける。アメリカと中国の共同捜査チームは事件解決のため、違法なハッキング行為で投獄されていた天才プログラマーのハサウェイに協力を要請。犯人は以前ハサウェイが開発したプログラムを応用しており、ハサウェイは捜査チームとともに犯人を追いかけ、シカゴから香港、マレーシア、ジャカルタを駆け巡る。
2015年の作品である。
ネットでの評価がエラく低かったので、気にはなっていたのだけど、予想以上にヒドい内容だった。
内容は、「ネットワークに不法侵入する謎のハッカーを相手に繰り広げられる攻防戦を描いたサスペンスアクション」とあるが、その謎のハッカーに挑むハッカー役がクリス・ヘムズワース、という時点で違和感はあった。
彼は、マイティ・ソーなどでアクションを披露しているが、あの声(バカ声?)なので、決して頭脳派には見えない。
しかも、ハッカーのイメージはブヨブヨしているかヒョロヒョロのどっちかであって、彼のような筋肉隆々のイメージなど、どこにもない。
だから、違和感を持ったまま物語は進むのだけど、心配は無用(?)だった。
中盤以降は、完全に頭脳と頭脳の戦いではなく、肉弾戦となる。
つまり、クリス・ヘムズワース演じるハサウェイは、ハッカーなどではなく、完全にCIAの工作員か諜報部員である。
実に行動的で、やることに抜かりがなく、しかも殴り合いにも強い。
まるでイーサン・ハントかジェイソン・ボーンを見ているかのようだった。
そして、終盤に差し掛かるに至って、その様相はヒドくなり、あろうことかハサウェイと共に捜査していた元同級生の中国人民解放軍情報部のダーワイ大尉やFBIの捜査官たちが、テロリストたちによって一挙に殺される。
つまり、これ以降はダーワイ大尉の妹でシステムエンジニアでハサウェイの恋人であるリエンとハサウェイの二人だけの戦いとなる。
ただ、このシーンも変だった。
ハサウェイがダーワイとマレーシアに行くために空港に向かう途中、妹を降ろして話をしている時に、車に残ったダーワイがテロリストの機関銃による銃撃を受けるのだが、ただのハッカーが拳銃なんか持っているわけがないのに、テロリストたちは遠目から銃撃を続けるだけ。
何してんの? もっと詰めろよ。
しかも、バカな妹が銃弾が舞う中を兄のところに駆け寄ろうとするし、そこへ駆けつけたFBIの捜査官たちも、二人の救出に向かうのかと思っていたら、何と車から降りて拳銃で応戦してやんの。
機関銃相手に勝てるわけないやん。
案の定、二人とも撃ち殺されてしまう。
実に驚くべきシーンなのだが、いったいどういうつもりでこんな展開にしたんだろう。
そもそもこの二人の恋愛シーンが随所に出てくるのだけど、正直どうでもよくて、何でこんな設定にしたのかわからないほど時間の無駄だった。
そして戦いの場はマレーシアに移るのだけど、ここからの展開はさらにムチャクチャとなる。
冒頭で香港の原子炉が爆破されるのだけど、これは単なる予行演習であって、本当の目的はマレーシアにある錫の鉱山を爆破は、錫の値段を吊り上げようするものだったことがわかる。
はあ???? である。
警備員も誰もいない錫の鉱山のパイプを爆破するのに、同じパイプを使っているというだけで、どう考えても警備やシステム管理が厳重なはずの原子炉で予行演習をやるなんて、頭がおかしいとしか思えない。
しかも、連中はすでに大豆の先物取引市場をシステム操作することによって莫大な利益を得ている。
市場操作ができるのだから、わざわざ鉱山爆破なんてことをやらなくても、錫の価格を操作すればいいだけなんじゃないの?
つまり、この謎のハッカーが、いったい何がやりたいのかまったく理解できないわけだ。
わざわざテロリストと手を組んで、中国人民解放軍の情報部員やFBIの捜査官を殺してまでしてやることではないだろう。
そして最後。
ハサウェイは、単身で謎のハッカーとテロリストとの戦いに挑むのだけど、相手の犯罪を防ぐという目的は完全にどこかに行ってしまって、ただただ復讐のためだけの戦いになっている。
しかも、相手が複数であり、全員武器を携えていることがわかっているにもかかわらず、持っていくものはナイフだけで、しかもお腹には雑誌をガムテープでグルグル巻きにして防弾チョッキの代わり(?)にして臨むなど、無謀であることこの上ない。
相手は機関銃をぶっ放してくるのに、そんな軽装で防げるはずがないだろうし、そもそもお腹しか覆っていないので、胸より上を狙われたらどうしようもない。
幸い(?)相手はお腹しか撃ってこなかったので、一命をとりとめるのだけど、あんな群衆の中で撃ち合いをしているのに、群衆たちはたいして驚いてもいない。
「何なんだ、あの描写は!」と思うほどヒドい展開だった。
そしてラスト。
すでに指名手配犯となってしまったハサウェイが、これからどうするのかと思っていたら、謎のハッカーから奪った4700万ユーロ(これもまた簡単に盗んでしまっていたけど、銀行のセキュリティって大丈夫か?)から少しだけ下ろして、恋人のリエンと共にどこかへ消える。
もう唖然としたまま映画は終わってしまった。
ということで、まだまだツッコミどころがありそうなので、年末にもう一度振り返ることにして、評価は「D」といたします。
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