はぶて虫のささやき

日々の出来事について、雑感を書いてます。
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(旧:はぶて日記)

そんなにたくさん天才がいるわけないじゃん!

2018-12-17 | 日記
日曜日に放映されているTBSのバラエティ(ドキュメンタリーではない!?)番組に「消えた天才」というのがある。

ごく最近(10月らしい)レギュラーになった番組らしいが、なかなか面白い(ものがある)ので、結構見ている。

しかし、見ているうちに「こいつは、ホントに天才なのか?」という人も少なくない。

もともとある分野(大半がスポーツだけど)で活躍していたが、わけあってそれを辞めざるを得なくなり、今では別の分野に移った人を取り上げている。

ただ、辞めざるを得なくなった理由が、「それって、単に実力がなかっただけじゃないの?」というものが結構ある。

昨日で言えば・・・

スキー・ジャンプの葛西紀明の憧れの選手だった秋元正博などは、確かに一時期活躍したのは覚えているし、その後消えた理由は知らなかったが、実は人身事故を起こして出場停止になっていた、ということがわかった。

これなら「辞めざるを得ない(正確に言うと、中断せざるを得ないだけど・・・)」理由はわかる。

だけど、その後(前だったか?)に「元木が打てなかった天才」ということで、上宮高校の元エース・宮田正直の話が出ていた。

そして、「消えた理由」として、バッティング投手として登板している時に、打球が頭に直撃し、記憶喪失になった、というナレーションが流れた。

これでは、まるで「打撃練習中に打球が頭に直撃したから、それが影響して第一線から消えてしまった」と言っているようだけど、この事件は入団から9年後のことであり、この時点ではすでにただのバッティング投手である。

それよりも何よりも、この宮田という選手、一軍では一度も投げたことがない。

つまり、プロに入ったはいいものの、何の成績も残せなかっただけのことである。

これのいったいどこが「天才」なのか。

高校時代にしても、元木によれば、「スピードはたいしてなかったが、思ったより伸びがいいので打てなかった」というだけの話で、こんなものプロの世界だと、すぐに見抜かれてしまうので、それで通用しなかった、ということだろう。

高校時代にスゴかったから、と言って、すぐにプロで通用するわけもない。


これよりもかなり前に放映されたものにも似たようなのがあった。

「野村克也に恥をかかせた天才」ということで、当時短距離界のエースからプロ野球の世界(ロッテ)に飛び込んだ飯島秀雄を取り上げていた。

彼は、100m10秒1という記録を持ち、確かに短距離の世界では「天才」だったかも知れない。

しかし、当時のことを何となくだけど覚えている世代の私としては、彼がプロ野球で活躍したという記憶はまったくない。

と言うか、すぐに消えた事実は知っている。

それはなぜか。

単にプロ野球選手としての資質がなかった、つまり「ド素人」だったからである。

しかし、番組では、デビューした年の南海戦で、9回に一つ盗塁を決めていることを取り上げていた。

それが、なぜ「野村克也に恥をかかせた」ことになるのか。

実は、代走で出た飯島は、相手投手が投げる瞬間・・・ではなく、投げ終わってから突如スタートを切ったものの、あわてた捕手の野村が2塁に暴投してしまった、というだけの話。

それなのに、番組では「飯島の驚異的なスピードに焦ってしまった」と言っていたが、そんなもの、ただ「考えられないタイミングでのスタートだったので、ちょっと焦ってしまった」というだけのことだろう。

その後飯島が大活躍したのなら、その洗礼を受けたのが野村、ということになるが、何のことはない、野球の「ド素人」だったのだから、いつもスタートが悪く、走っても走ってもアウトにされた、というのが実際のところだろう。


こんなふうに、ちょっと「天才」を量産しすぎなきらいがある。

単に「あの人は今」くらいにしておけばいいのに、何でもかんでも「あの天才が」という流れにしてしまうので、見ていてちょっと飽きてくる。

思ったより早く終わってしまいそうな番組だ。

ちょっと残念かも!?


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