老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

海老さまの助六を観に白日傘

2015-06-05 11:34:12 | 俳句



 香川県の金毘羅さんの愛称のある街、琴平町で毎年 旧金毘羅大芝居が開かれる。
春、花の頃 芝居好きのファンが全国各地から寄って来る。
現存する中では日本最古の芝居小屋。 国の重要文化財に指定されている小屋で毎年 座頭は当代の人気役者、演目も変わり、歌舞伎ファンでなくても心が躍る芝居がかかるのだ。
 公演の前日、金毘羅宮の門前街を、お練りの行列がある。
人力車に乗った役者が、目の前を練って行く。人の波の中、しずしずというより、波にもまれて前に進むことが出来ない。
役者さんを屋号で呼ぶ人、こんなお歳をめした人のどこから出る黄色い声か、役者さんに声をかける。
時に、その声に役者さんが気づき、 おお と手を出し握手しながら、目で挨拶をしている。役者さんの追っかけというべきか、雰囲気でそれとなく解る人がいっぱい。

 役者さんは皆さん俳句をたしなむ.

  
  ☆  雪の日や雪のせりふを口ずさむ  初代中村吉右衛門
  ★  破蓮の動くを見てもせりふかな
  ☆  撫子やふかるるとなく草の中  六世 中村歌右衛門
  ★  貝の音に散らすな闇の八重桜  九世 市川團十郎

立派な句があまた。

  ☆  幾千の木漏日いだき山眠る  松本幸四郎
  ★  打ち出して銀座は薫る月の道  松たか子

 お練りのあった日から 日を改めて、芝居見物に私は行く。楽しい年中行事だ。

  ★  啓蟄の奈落より出づ役者かな  松崎鉄之助

  昨日のしり取り俳句から

  💛   白日傘海老さまを観に金毘羅へ   



 
  
 
コメント
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