老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

暑い一日だった

2015-07-20 18:24:22 | 俳句

   🐢  風入れやぞろりと並ぶ木偶衣装


家にいても、いやなことが、あるもんだ。偶然に届いた宣伝のパンフレットを捨てようと思いつつ封を切った。 イヤーな名前が目に入った。
一晩、寝たけど、その名前と過去の記憶が、心の片隅を過る。

先日、祗園祭りの句会も、台風のせいで流れてしまった。憂さを発散するには、夫に頼んで、どこか ドライブにでも連れて行ってもらうしかない。

 今年は、まだ気のきいた、夏服を一枚も買っていない。趣味と実益を兼ねて、徳島へ行き 藍染めの生地を買うのと、海辺のドライブと、美味しいものを食べれば、嫌なことを束の間でも忘れることができると思った。

   🐢   青ふくべ彫り師に似たる木偶の顔   

 徳島県藍住町が、藍の染物が盛んなのと、八十八カ所の遍路寺があるから、吟行も兼ねることが出来ると欲を出し、そちらの方面に行くことに。
藍染めの生産と販売の店を見つけて入る。もう15~6年はお逢いしていないが、昔、俳句の仲間だった人の、事務所の看板が、同じ敷地内にあることに気づく。
今日はお休みだけど、元気ですよ、と藍の店の方が言う。まこと、偶然。ここに彼の事務所があるとは知らなかった。メモを残して置く。
藍染めの生地も気にいったのを見つけた。洋服を作る新しい楽しみが出来た。

    
       

 目指していたのは、藍の館 。 昔の藍の豪商の館が、今は資料館となり藍染めの歴史の説明や実演をやっている。
 が、なんと館に入ろうとすると、湘風先生の堂々とした阿波の青石の句碑が 門前に建っている。まさかここに先生の句碑があるとは。義理をかいていた、無精者の自分を叱ることになった。
   

  ☆   炎天となる静けさの藍を干す   豊川湘風

 館の中で、見学していると、今度は、近くの公民館で 橋本夢道 の展示会をやっておりますから、そちらの方もどうぞ、と教えてくれる。  夢道が、東京に出る 16才まではこの藍の館で働いていたという。そちらへ、廻りたかったが、夫が 服地を買う間も 藍の染めの見学も じっーと待っていてれ、昼の食事時間もだいぶ過ぎている。 夢道 はあきらめた。

 故郷 て何だろう。 いやな事も故郷がらみ。偶然に師の句碑にめぐり合う嬉しさや、句ともがらにまつわる楽しい発見も、故郷がらみ。

  🏡  草で切る傷あと朱夏をゆかしけり   




  













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