☆ 甕はその重みに坐り朝曇 村越化石

庵治の公園から見える大島。手を伸ばせばすぐ届きそうな近くの島。大島はハンセン病の方を隔離していた、{大島青松園}のある、悲しい歴史を持つ島だ。
この公園から大島行きの連絡船が出ている。医療従事者の通勤や、島にいる患者さんの家族がお見舞いに訪れた時に乗り降りする、小さな港がある。
患者さん達はこの港で船に乗り、一生涯、この港に帰って来れなかったと思われる。
村越化石さんも、ハンセン病の元患者で、闘病をしながら、70年以上にわたり句作を続けた。
群馬県草津町の、国立ハンセン療養所「栗生楽泉園」で91才の生涯を終えた。

☆ ふと覚めし雪夜一生見えにけり 村越化石
☆ 生ひ立ちは誰も健やか龍の玉
☆ 世の端のその端に住み柿吊るす
☆ 冬ごもり見えざるものを見て暮らす
☆ 除夜の湯に肌触れあへり生くるべし

昨日から、からだの調子がおかしい。身体がだるい。海の底へ引きずり込まれそう。
今朝テレビを観ていると、熱中症のこを言っていた。すべて当てはまる。家にいても年寄は熱中症にかかる。この頃、汗が出なくなった。今日はゆっくり、安静に。
窓から海を見る。何時も見える小豆島も曇って霞んでいる。蝉の声だけは煩い。
村越化石さんのことを思えば、これくらい我慢、我慢。
🐰 機織機動きそめたる朝ぐもり