老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

春立つ

2016-02-05 15:12:22 | 俳句

  昨日散歩をしていて、こんな風景に出会った。
白梅と紅梅が並んで咲いている。
たいがい、白梅は白梅だけ。紅梅は紅梅だけ。珍しいと思った。
公園は別。それでも、遅速があって、こんな風に咲いているなんてのは。

        

 後ろは竹藪である。
小鳥が枝を移りながら、しきりに鳴いている。
二本の木の前は疏水が流れている。流れる水の音は、春の小川はさらさらと唄の一章節みたいだ、まことに平和そのものである。
夏は、ここで喉が渇いた 殿 に水を飲ました場所である。
早春に、二本の梅が並んで咲くのには、気付かなかった。
いつも、殿 のお尻ばがり、見て歩いていた。
互い違いに出す、右足と左足の運びが、可愛いいのである。
前から来る車に注意したり、山道から足を踏み外さないように注意をしていた。
そちらに気を取られて、見落としていた景が多い。

       

殿 が生きていた時の散歩道である。
ダムの下の公園にも、 殿 を連れてよく遊びにきた。今日も犬を連れた人が散歩をしている。飼い主と、犬の信頼関係が見てとれて、殿 のことを想い出して、少し淋しくなる。

    殿くん 殿くん お鼻が黒いのね
    だって、母さんも 黒いんだもん

 象さんの替え歌を歌いながら歩いた。

    ちんたらほい ちんたらほい
    疲れて 殿くん ちんたらほい
    可愛い お目で ちんたらほいほい ちんたらほい

 ちんから峠の替え歌。
後ろを振り返り、母さん、何? と小首をかしげる 殿 のことを想い出す。

             

 たんぽぽが咲いて、仏の座を見付けて、確実に春はきている。

    
     ☆彡   福豆ひらふ生まれたままの善の顔

     
     ☆彡   寒明ける町に一軒提灯屋

 
コメント
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