老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

    句会 あれこれ

2017-12-19 10:42:23 | 俳句

     
       (冬も残っている 茱萸の実)
     🍒    名の木枯る池に渡せる動く橋

 俳句を始めた頃は、句会が楽しかった。
徳島県の俳人で女流俳句賞をもらった、齋藤梅子さんの句会に出席をしていた。
先生は語彙が豊富で、出席をするたびに、先生から言葉を吸収をした。
先生の句には個性が有り、その個性的な句と句会で先生が選句をする句は全く違っていたことに、ずいぶんと後になって気がついた。

     ☆     目の下を舟の通せる暑さかな    梅子

 一番に思い出す句。

 先生の代表句は

     ☆     灯明に離れてすわる朧かな    梅子  

      
       ( つつじ の返り花 )
     🍒    太古のまま低き山並返り花

 句会に出ていない。最近は、結社の師を迎えた、倉敷での句会。
句会はあったが、句友と吟行をするわけでなし、師と共に 同じ対象を見たわけでない。
句会は師の、毎日の生活の中でいかに句を取り込み、句にくみするの教えがあった。
師ならの教えを受けて、句の選評。
ちょっとした緊張感が心地よい。

 最も、心酔をしている、師にはまだ一度もまみえていない。
投句をするのみで6年近く。
僅か、1ページの 「俳句自在」を読むばかり。それでも、この6年間に培った俳句に対する思いと、作句の心得。

最近、師は広島の宮島での句会があった。
その時の句会報告で、牡蠣の名産地ならではの、牡蠣の句が多く出句されていた。
それを目にして、私も我が街の牡蠣のことを詠んでネットに投句をした。

 同じ景こそ見ていないが、吟行に近い臨場感があったのか、その句が抜けていた。
思った。
師と景を同じに同じ空気を吸って、句づくりをやる人の強み。羨ましい。
俳誌にも、ネットの会員にも、あまたのあこがれの人達。
切磋琢磨をして、師と場を共にして、勉強に励んでいる。

 他人を見て心は動くけれど、そこで気づいたのは、私は田舎のおばん。それなりに、田舎に残っている、古い習慣や日本の原風景を素直に詠めばよいのだ。
都会の季節感覚の薄いマンションに住んでいる人はそれなりの苦労もあるだろう。師の追っかけで、いつも身辺にいる人もそれなりの苦労を、、、と理解ができた。

  梅子先生はそれなりに、立派な先生であったと多くの句会に出た経験から再認識を。

  今の師は超一だから、推して知るべし。
「全没から学べ!」 「はい!」 それも大切な教えである。

 しり取り俳句から

    🍒     雪蛍追ふて どこまで行つたやら

     🍒     別かれの時視線が靴に冬の虹

    🍒     己が影濃くなるばかり去年今年

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   冬木立

2017-12-18 10:12:53 | 俳句

   

 普通に歩ける幸せ。
前日に痛い脚に注射をやってもらった。一晩寝ると、脚の痛みが嘘のように無くなっていた。
夫に頼んで、散策に近隣の森へ連れて行ってもらった。
嬉しい。痛みが全く無いといえば嘘になるが、スムースに歩くことができた。

 森は、メタセコイア の黄葉に期待をしていたが、もう葉は散り尽くして冬の様相になっていた。
しかし、寒林、冬の森、蕭条とした景色が広がっていた。

 二十年も昔に訪れた、冬の北海道の景色を思いだした。
雪原でこそ無いけれど、雪が樹々の根方にあると想像すれば、まるで北海道そのものの景色に見えてくる。

    🍒    雪原を銀色に染め夕日没つ

    🍒    行き行けど雪や暮色の地平線

 句にはできなかった想い出が今甦ってきた。

         

     🍒     寒林の烏の声はもなつかしき

     🍒     冬麗や青きしじまに小さき吾

     

 丘を登ると、太古の恐竜の像がでんと構えている。
気候の変動で、地球から恐竜がいなくなる前は、緑の森がこんなに枯色に変化をしてゆく過度期と同じか、、と想像したりしてみる。

    🍒    冬野行く男とも見ゆ女の子

    🍒    名の木枯る木末に雲の簪つけ

    🍒    健やかな二本の脚ぞ冬日沁む

 楽しかった。

 ネットで久しぶりに 全句が選に入った。
昨日は (大吉)だったのかしら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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   俳句王国が行く

2017-12-17 12:22:34 | 俳句

      
        ( 室咲の カンパニューラ )

     🍒    室の花糸切鋏の鈴の鳴る

 

 昨日観たテレび番組 の俳句王国が行く。
俳句の街、松山からの放送であった。ゲストに壇蜜さん、北大路翼さんと、愛媛県出身にのプロレスラーの方達であった。
めったに観ないが、たまたまチャンネルを回すと番組が始まったところであった。
壇蜜さんは、お色気たっぷりのセクシーと、裏に隠された教養のある番組のコメントやエセーに接してファンのひとりである。

今回、出演をしていた 北大路翼さん。
この方は最近のHhKの番組 {歌舞伎町俳句一家、屍派がゆく」と言うのを見るまでは知らなかった方である。

ネットで調べると、、、と彼のプロヒールは。

 北大路
翼(きたおおじ つばさ、1978年5月14日 - )は、横浜市出身の俳人。 ]. 小学生5 年生のとき、種田山頭火を知り自由律俳句を制作。横浜高校にて担任教諭であった 今井聖に出会い有季定型の句に開眼。1996年、今井主宰の「街」創刊入会。誌誌「 ERECTION」参加、週刊誌にて成年向け漫画の原作を執筆。

 新宿歌舞伎町でアウトローは人もまじえて俳句で大活躍をしている。色々の賞も受け、知らぬは私のみか。

 その彼を混じえての番組進行。
いつも、ゲストと開催地の俳人の戦いになる。観客が、赤白の団扇を掲げて俳句の勝敗を决める。ご当地の観客は地元の人の作った俳句に贔屓の引き倒しをする。
昨日は、一回戦は壇蜜さんが勝ったけれど(本当に良い句であった。)
 良い句より好きな句を選んでいると思えば、郷土愛も結構なこと。

二回戦からはいつもながらに、地元の俳人の勝。北大路さんの句が良いと感じたが、地元の俳人に負けてしまった。

 番組の二段目は、出演者全員の投句を トーナメント形式で良い句が勝ち残ってゆく。
 最後に北大路さんと、俳句甲子園で活躍をした、若手の俳人の句が残った。
決勝が决る瞬間の前の 北大路さんの顔の表情を見て驚いた。
 少年のような澄んだ眸が、、、真摯に俳句に向き合って構えている表情がなんとも清々しく映った。ほんの一瞬であった。彼が、、、
ここで優勝を決意していたに、期待をしていたに違いが無い。そんなそぶりはやらないつもりであった?

 いよいよ結果発表で彼の句が優勝をした。
アウトローらしく、昨日の姿は山頭火を模した、ちんちくりんの着物姿。
それでも、俳句は、立派に、誰にでも理解ができ、隠された事象を読み手の想像にまかせる良い句であった。
姿や活躍の場がどこであれ、世間は彼に注目をし、決して才能のある作家を見落としはしない。
良かったと思った。


 しり取り俳句から

     🍒   うつつにて聞いたよう泣く雪女   (な)

     🍒    露の世をしみじみ遺品整理して  (て)

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  小春日をかこつ

2017-12-15 11:38:05 | 俳句

   

 歩きに行きたい。
脚さえ痛くなかったらこんな小春日和の暖かい日を家に籠もらなくてもよいのに、、、、
 先日、風邪をひく前に歩いた、サッカー場。
誰もいない、サッカー場をひとり占めして、五週する。最後に斜め、そう対角線に歩いた。
足裏にやさしいから、痛い脚にも刺激が少なくて良いだろうとの素人考えであった。

 夫は、おしゃれをして出かけた。お洒落?せいぜいセーターの見栄えの良いのを着ただけであるが。
友人と飲み会?真昼間からそれはないであろう、お喋りをして食べるのが専門か?
男性も歳を重ねると、中性化をして、女のように、姦しくなる。
傍で聞いていると、同じ事を何度も繰り返し、同じところで、さっきと同じように笑い声をたてる。
病気の数を競っているのを聞いていて、何でも多く持っていればいいもんじゃないと、茶々を入れたいのをがまんしたことも、、、。

今日は竹馬の友のお誘い。仲間の元気な顔を見るだけで楽しい、、、か?

    🍒     小春日をかこってをりぬ猫膝に

しり取り俳句から

            🍒     赤い帽で院長回診クリスマス   (クリスマス) 

    🍒     外に出でよ冬の大三角形美し    
       ( 星をつないだけれど、推敲をするとこの句になった)

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  😺    猫ちゃん   😻

2017-12-14 10:14:27 | 俳句

     

 無償の愛情を注げれるのは この猫以外には無い。
昨夜も夜中の二時に「うんちをした」と起こされた。ベッドの下に来て鳴きつづける。
寒い。これから未明にむけて一番部屋が、寒くなりかけた時。いつもは、夫がうんちの始末をやってくれるのだが、気づかずに眠っている。
うんちの整理を終わり、抱いて階下の猫の寝床に連れて行く。階下にも猫トイレを置いているのだけれど、ここにはおしっこをやっていた。それが嫌で二階まで登って来たのだ。

毎日、抱くたびに、体重が減っていると感じられる。身体を撫ぜると、掌に猫の背骨が当たる。これも段々ときつくなる。痩せてゆくのが、伝わってくる。

犬も癌で亡くなった。
無くなる前から、いやな咳をしていた。それと同じような咳を今 「姫」がしている。獣医から癌の細胞が有ると聞かされている。歳をとり、自然体で老衰に向かっているのに接しているより仕方がないと諦めている。

いつ寝転んでも暖かいように、一日中、電気の毛布を敷いてやっているけれど、今はパソコンを打っている私を追って来て、足元の猫ハウスで鼾をかいている。
片時も私から離れようとしないのである。

 愛しい。。。としか言いようがない。
実際は昨夜も二階に上がってくるまでの階段に「うんち」をぽとぽと、ぽととみっつばかり落としていた。気がつかなければ、踏んでしまうところであった。お尻の締まりが悪くなっているのだろう。
腹が立つより、可哀そうだと、、、思のである。


しりとり俳句から

    🍒    爺さんの夜咄の席空いたまま   (夜)

    🍒    狐火の話せがまれ日向ぼこ  (狐火)
   
    🍒    虎落笛奈落のごとき石切場    (虎落笛)    

     🍒    天窓の一角へ雪吹き溜まり    (窓)

 情はこもっていぬが、景が見えればよいとしり取り俳句を作っている。今の私の精一杯の楽しみ方である。

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