老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

     奥さんがほしい

2018-08-24 11:49:00 | 俳句
     


  昨日はよく吹いた。
雨戸を閉めて、昼間も電灯を灯して一日中、テレビの前に陣取って颱風の進路とサスペンスドラマの二本立で自堕落な生活態度。
これではいけぬと、夕方になってから、パッチワークを一時間余りやる。


「奥さんが欲しい」

お昼前になると、夫が二階に上がって来て
「今日の昼ご飯は何?」

夕方六時近くなると、
「今晩は何をやるつもり?」
と催促をする。
 お裁縫に無我の境で一生懸命になっていても、この言葉を聞くと、音楽は佳境に入っていても中断をしなければならぬ。
「ああ 奥さんがいたら助かるのに、、、、、、」
私の家事の分担は食事の支度というより、これ以外この家ではお役にたてない、そう現実なんだ。

罪な事を言っている、罰が当たる。

好きなお裁縫をやり、俳句に現を抜かしていても何の文句も言わずに我儘をさせてくれている連れ合いに感謝をしなくてはいけないと解ってはいる。
「奥さんが欲しい」とは!
食事の支度くらいで贅沢を言うな、、、と神の声がした。

 昨日は海も荒れ、空を黒雲が覆い、向かいの小豆島も見えなかった。
颱風一過、近所の家々は外に出て玄関先の道路の掃除に余念がない。


       ☆     雲はみな姿変へたる九月かな     櫂



       🍒     颱風一過疏水に迷ひ来し緋鯉


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     残暑に考えることは痴れているが、、、

2018-08-22 12:07:47 | 俳句

         

十年前、元気だった 殿君。
この頃は俳句は忘れていた。
頭の圏外にあった。


 ちょっと考えた。
総合俳誌を読んでいて、結社の主宰が何人かが特別投稿をしている。

この方達、自分で詠み自選をして、総合俳誌を飾っているのだらうか。
いらぬお世話と思うが、自分は結社の代表者として恥ずかしい句を載せれぬから、ずいぶん推敲をしたり煩悶をした事だことだと想像をした。

あくまで趣味の句づくりだが、容赦をしない、縁の無い読み手がいて歯牙にもかけずページをめくる人もいるかもわからない。

まあ、自己顕示欲がなくては(私を含め)投稿をして、自分の実力を曝しているのである。
そんな事は考えてたいたのでは、俳句や短歌をやっておれぬ。


      ☆     十枚のはがきを選ぶ秋の風      櫂

十枚のはがきは朝日俳壇の選か?
一週間に集まる4~5千枚のはがきから、僅か十枚。

一度、名を秘して、総合新聞の俳句欄に投稿をしてみては、、、、結社の主宰さん。

(総合新聞の選者が万能ではない。そうだ。。。)


      🍒     見えぬ秋昨日まで危険な暑さ
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      百合の花

2018-08-20 09:47:54 | 俳句
      

 書くことがなければ書かなければ良いのに、退屈でパソコンの前に座っている。

玄関の横の庭に咲いている高砂百合の花は、きっと鳥が運んできた?(鳥ではなく虫か)二~三年
前から咲き出した。

     ☆    ひだるさをうなづきあひぬ百合の花    支考

 何がひだるいのだろう。おいら腹がへった、百合の花よ一日咲いてお前ももうそろそろお日さまの強い光線に疲れた頃か、散りたいか、、なぞと勝手な句の解釈をしている。
それとも傍に相棒がいて、互いに貧から抜け出せぬ身を、百合を見ながら合い憐んでいる。


 文章は難解な言葉を使うのが名文?
 平明で解りやすい言葉の文章が名文?
 
 俳句は難解な言葉を使うのが名句?
 易しい言葉でレトリックなぞ使わぬ俳句が名句?

 さて、支考の句の名解釈を聞きたい。

つらつら夢の中で考えた。解らん。
自分の丈に合った句をつくれば良い。。。。と夢に出てきた母さんが言った。

人さまのブログを読んでいて、句を読んでいて、時々自分がおかしいのか、いいや、人を煙に巻く書き手がおかしいのか判らなくなる。

      ☆     百合の花深く吸ふさへいのちかな     村越化石

 作者が化石さんだと判るとしみじみと心がうごかされる。命の賛歌をおぼえる。


      🍒     百合の花吾見て小首かしぐ犬

      🍒     百合の花今朝は天使の夜泣きの子

 


      




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     「 もんぺ 」 の俳句

2018-08-19 17:09:39 | 俳句

       

 もんぺが仕上がった。
急いで急がぬ趣味のお裁縫のもんぺ作り。
このもんぺは、姉の家から持ち帰った、木綿の布のリメイク。
きっと、義兄のお姉さんが身に着けていたものだろう。
古くなってはいるけれど、出どころは判っているから安心して使った。

      

 生地に張りが無く、もんぺに作りかけたけれど、何かもう一つピンとこなくて10日も仕上げに費やした。

敢えて布を切り、パッチワークの感じにし、小さい四角の布を、ところどころに貼り付けてみた。

それが成功をしたか?自分が思っていたより、満足のゆくもんぺに仕上がった。
穿きごごちも良く、満足、満足。


 もんぺの俳句を探してみた。
もんぺルックは、黒田杏子さんのトレードマークになっている。
彼女のもんぺルックは、リメイクとはいえ、寂聴さんからいただいた着物や鈴木真砂女さんからいただいた着物をリメイクしたものらしい。

しかし、もんぺの俳句を読んでいると、晴れに着るものからはほど遠く、労働着として詠まれているのが多い。

      ☆     もんぺ穿き傘たばさみて子規墓参    高浜虚子
   
      ☆     山下りてもんぺ鮮し春祭    石田波郷  

      ☆     秋高くもんぺの尻の大いなり    永井荷風
       
      ☆     青春をもんぺで過ごし終戦日     木谷尚子     
      
      ☆     春霖や戦時もんぺの江戸小紋     木全富子
                    
      ☆     モンペ裁つかすかな記憶冬支度 目黒はるえ
              (ブラジルの移民の方 )   

      ☆     麦秋や絣のもんぺの女知事   後藤松渓
      
      ☆     継ぎはぎの老母のもんぺや花薺    矢澤正夫


 
 ここで貧しいリメイクに頼るおしゃれをやっている私も一句詠んでみようか、、、

      🍒     たらちねの形見の袷もんぺ縫ふ    

      🍒     盆過ぎてよく鳴る風鈴もんぺ縫ふ

      🍒     秋風やもんぺの女の頭陀袋

      🍒     水を打つもんぺの白い素足かな                  
       


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     たらちねの忌 石仏を拝す

2018-08-18 18:45:08 | 俳句
          

 母の忌を修すため、実家にはお盆の墓参りも済ませているから、今日は町にある磨崖仏を訪ねた。

 何年か前一度、お詣りをしたのだが記憶の磨崖仏とは違う。
お寺の名前もあっているのだけれど、以前は息子に連れて来てもらった場所とちょっと違うようだ。

       🍒     信心の母の忌一と日夏遍路

     

 何はともあれ、蝉時雨の参道を400メートル登る。

       🍒     信仰の丘眼下より風涼し

       🍒     丁石の文字古りけり蝉時雨

            

以前は仏さまのお傍まで車で行った。もう少し小さかった。
どうも、この磨崖仏のもっと奧に新しく彫られた仏さまもあるらしい。夏草が生い茂っているので無理はせず,
新しい磨崖仏を拝するのは諦めた。

仏さまのお優しそうなお顔。
風雪で巌が風化されて、剥落が激しく痛んでいる。
丸みを帯びた、良きお顔をしておられる。


< 西教寺から北へ約800メートル、火山に通じる険しい山道の中腹に「穴薬師」の名で知られる西教寺奥の院がある。堂外の凝灰岩の岩壁の光背をあらわす円形のくりこみをつくり、如来形の頭部と肩から上半身を彫りだしている。面長約50センチで中肉彫り、胸部は薄肉彫り、下部は岩盤そのものが剥落していて当初の状態は確認できない。 >

       🍒      磨崖仏拝す匂へる葛の花  

       🍒      箒草母なき月日顧みる

         

       🍒      段々の山の田猪垣延々と

       🍒      瞑想や夏草の香の山中に

       🍒      初鵙や八十八の石仏に

       🍒      たらちねの慈愛の眼夏逝ける 

       🍒      臭木咲くじぐざぐに下る山の道      


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