老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

         秋遍路

2019-09-23 11:38:03 | 俳句

     

 

納経所に人が途切れたところで話かけた。

「F君ですか?、、、Mです。」

「ええ~ひや~ M君のお母さん~。お元気ですか?もう心臓は大丈夫ですか?眼の方はいかがですか?」、、、と矢継ぎ早に私の体調をたずねてくれる。

「有り難う、、」

それから色々の話題に。

息子とは一年半、合っていない事。今のお寺さんの事情云々、、、

年寄りのご両親を抱え、それなりの苦労があって、息子に一年半も逢っていないと残念そうに言う。

僅か一年半逢っていないことが、不惑も終わろうとしている仲の良い友達間では大事な事か?と面白かった。             

仲の良い友達とは知っていたが、私が彼と逢うのは初めて。

我が家の事、彼のお寺の事、二人の間では、どうも筒抜けらしい。息子と一緒になって、私の身体の事も心配をしてくれたらしい。

息子は一度だって、私に哀しい素振りは見せないし、心配をしている事も、しかし友達には、何もかも打ち明けて哀しみや、あれこれを共有していたらしい。

彼から初めて聞いた。私が納経帳に朱印を押してもらい、少しづつ遍路寺巡りをしている事を、体調が良い事を、たいそう喜んでくれた。

  

 

< 彼のお寺の本堂の天井画の龍。>

人間世界を下に見て、いいや人間達の苦しみを背負い今にも空へ捨てに行くのか?

本堂の天井に、京都で学んだこの町出身の画家が30年も昔、奉納をした龍の絵。

しばらくぶりに観た。高い山から見る街の景色と同じでちっぽけな自分を想い知らされる。小さなことに一々動じないで、自然体に生きなさいなんて言われたような気がした。

 

   🎑    秋遍路猫のしっぽの話など  ( 長崎から来たお遍路さん)

   🎑    曼珠沙華の莟みぽつぽつ遍路道

   🎑    実むらさき目指すお寺の塔見ゆる

    

 

 

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    目高

2019-09-22 10:57:42 | 俳句

 

    

 

遍路道に、、、

「目高」を売りますの看板が。

庭が広く、その奧の屋根のついた駐車場みたいな所に目高の泳ぐ水槽が並んでいる。

 

      

 

懐かしい。目高は私が子供の頃は田んぼの傍を流れる小川にはたくさん泳いでいた。童謡の「メダカの学校」そのものの光景が眼前に広がっていた。

目高の異名も多く、2000種とも、3000種類ともあるそうな。

平成1年にか環境省より絶滅危惧種に指定された。地球の環境の悪化が目高の世界まで及んでいる。

 

     ☆     振りし手の影に仰天目高散る     波出石品女

 

子供の頃に小川に泳ぐ目高をしゃがんで見ていた。立ち上がろうとして目高を驚かせたのか一斉に目高がちりぢりになる景を想いだした。

 

     

 

眼を転ずると川を挟んだ向う岸に、目高の水槽とおぼしき青い箱が並んでいる。それなりに目高を愛する人々の需用が多くあるのだろうな。

 

      ☆    目高飼ふベッドの母の目の高さ    南 恵子

 

想いだした。この家は茶の花の垣をめぐらした私の記憶の中では一番に心の残っている家だ。

庭をながめながら濡れ縁に座ったお婆さんが日向ぼこをしていた。道を通るお遍路さんごとに声をかけて「お気をつけなさって」、、と言っていた。


      

 

今は実をつけた茶の花垣が少しだけ残っている。花の時季にはそれなりに咲くであろう小さくて可憐なお茶の花が、そしてあの頃に戻れることができたらなぞと、出来もしない希を。なんてこっちゃ!

 

      🐠     千金の願ひ母ゐる日向ぼこ      

      🐠     昼の鳩竹伐る音のとだえたる

      🐠     水槽を天上天下目高かな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 へちま、、、、食べれますよ 

2019-09-21 09:26:11 | 俳句

      

 

遍路道を歩いていて、へちまの花が咲いているのを見つけた。

壁に沿い竹を組んだ矢来の上に上に糸瓜を咲かせているのが伸びている。もう花は終わりかけている。残っている花は鮮やかな黄色で人目をひきつける。

 

         ☆     糸瓜咲いて痰のつまりし佛かな    

 

   ☆     痰一斗糸瓜の水も間に合はず

 

   ☆     をとといのへちまの水も取ざりき 

 

言うまでもなく有名な子規さんの絶筆の俳句として知られている。

糸瓜の茎から採ったへちま水は痰をとる薬だった。   

 

 

写真を撮らせてもらっていると、自動車で、どこからか帰っ来たご主人が「糸瓜をさしあげますから採ってあげまかしょうか?」と声をかけて下さった。

黙って撮っていてすみません、糸瓜は結構ですと丁寧に断った。ご主人のおっしゃるには、糸瓜は食べれるそうだ。

子供の頃から、へちま水を瓶に取って、水仕の後に手に擦りこんでいたのは知っていた。行水あがりのお顔にもパタパタと付けていた。

今のようにどんな化粧水でも出回っていなかった昔はへちま水は、ご婦人にとって手っ取り早い化粧水の役目は重宝したことであろう。

< それは知っていたが、食べる、、、のは知らなかった。苦瓜や瓜の葉と糸瓜の葉は全く同じだ。>

 

後から調べると、「ウリ科のつる性一年草。円筒形の若い果実は煮食する」、、、と書いているではないか。ああ無知だこと。

遍路道で昨日出会った出来事。涼しくなった。嬉しいことだ。

 

      📷     糸瓜さしあげませうかと声のする

      📷     糸瓜ぶらぶら石の橋架る谷  

 

 

 

 

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  秋の愁い

2019-09-18 09:41:37 | 俳句

 

夏が終わる。

体力の衰えに愕然とした夏だった。来年はどうなっているのだろうと思って、秋愁いの日々が続いた。特に鏡に写る姿に目を覆いたくなった。

ブログなんてさ~。どこの誰だか知れぬ人に生き恥をさらしてと書く気も失せていた。

気づいたのは、身体が思うように動かない自分にとっては最も時間潰し、そう暇つぶしに、もってこいではないか、、、、

夏の初めは洋服も2~3枚縫った。それ以後、裁縫なぞする気もおこらず、私の部屋は納戸or物置にかした。

唯一の手芸は、この上記の花束みたいな可愛いいボール。

市販の防臭剤の器にこれも市販の100円ショップで買った花を接着材でまとめ貼り可愛いボールにした。防臭容器のままだより、ず~と見栄えがいいではないか。

作っている間は何もかも忘れていたが、、、、

 

   

角度の違う方から見ると少し配色が違う。

 

   

 

ああ、ブログのネタになったかな?

そろそろ、散歩に出かけたり、山のような布を利用をしてお裁縫にもとりかかろうか?

 

       🎻     モーツアルト聴三昧や夏館

       🎻     夏惜しむ瀬戸の島々眼の下に

       🎻     三界に家ありてなほ木の葉髪  (理屈)

 

身だしなみを整えな~、今日の歯科の予約日だった。

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 お月さま、、、

2019-09-17 00:53:28 | 俳句

     

 

< お月さまはどこから見ても同じさ。 (興味の無い人は、、、)

< 離れた遠い場所から、同じお月さまを今、この瞬間見ている感激よ。(遠距離恋愛の人、、、、単身赴任で家族が離れている、、、様々、、、)

同じお月さまでも、十人十色の考えがある。感じかたがある。

無粋な私も名月だと言われれば、ベランダに出て仰ぐのだから、なぜか可笑しくなった。

ベランダから首を長く出してカメラを構えた。ちょっと見えにくいのだ。しかしぼろっちいカメラでもこんなに写った。

一昨日の満月。全く欠けた部分のない完全な中秋の名月であった。

この日は崇徳上皇の忌日であった。この讃岐に流され、三人の怨霊のうちの一人である。何となくこの上皇さまの身の上に心がうごき、どのような思いで月を見ていたのかと思いを馳せた。

白峰神社と雲居御所のある坂出市に行ったのもちょうどこの日。何の関係も無い。ふっと思っただけ。白峰神社には西行法師の像が、上皇さまにかしずくように坐す。

上皇さまに仕えていた女御の歌と西行の歌の碑がたくさん建っている。

俳句を詠んだり、短歌を詠む人には、格好の場所だ。

しばらく行ってないが、紅葉の美しい根来寺などもあり、私の好きな場所である。

      

 

ちょうど二年前の生きていた頃の猫ちゃん。今もって恋しい。今一度抱きしめたい。なぞと猫ロストはいつまで?一日中私を離さなかった。猫ちゃんを抱いてお月さまを仰いだ事もあった。

今夜は眠れないから、そんなこんな事を、、、

 

     🌛     上皇の忌や白峰の青い月

     🌛     一つ二つと漁火が月に消ゆ

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