Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

霊峰富士 世界文化遺産登録と民度

2013-06-23 16:57:02 | 社会・経済

久し振りで良い報が入って来た。我らが誇り、霊峰富士の世界文化遺産登録が正式に決定したのだ。

国際連合・教育科学文化機関UNESCOの、カンボジア国首都プノンペンにて開会中の、世界遺産委員会にて、当初予定を大幅に超える、ほぼ1時間近くに亘る厳正な審査を経て決定の由。

当初は、距離があるなどの理由で除外が適当とされた、静岡・駿河湾そばの「三保の松原」も、多くの委員国より「我国の信仰の対象と芸術の源泉」であるとして、逆転で構成資産入りを果たしたのは喜ばしい限り。この形での登録に向けては、地元自治体や各関連団体各位の、並大抵ではない努力と尽力があっただろう。登録決定に当たり、全会一致が原則とされる各委員国向けの、分かりやすい説明説得がメインの、所謂ロビー活動も、今回は成功を収めたと見て良いだろう。これを良き経験に、政府、自治体の方々も、中国大陸や大韓民国が実践して成果を収めているロビー活動をもっと重視し、これからの国民市民の幸せを守る国益の保持増進に、是非とも生かして頂きたいものである。

さて霊峰富士に話を戻す。我らが誇りの世界文化遺産登録が決まったからと言って、勿論手放しで喜べる訳ではない。登山家 野口 健さんによれば、今回の決定で富士登山者は一気に増え、現状の年間約30万人が、3割は増加するだろうとの予測をされている。既に社会問題化している、全体計画や気象予測を弁えない、無謀な登山も増える恐れがあるし、安易な来訪は、現状以上のゴミ投棄やトイレ下水などの増加を招くであろう。そうした問題と折り合いをつける為には、適度の入山規制と、現状でも検討が進む、入山料の徴収が考えられても良いだろう。当初は、有志より1回1000円の徴収が有力だが、野口さんら専門家の方々の試算では、1回数千円でないと採算が取れないとの指摘もある様だ。まあ、信仰の対象でもある霊峰には「入らせて頂く」との謙虚な気持ちと、「やはり無償ではない」との緊張感が伴う位が適当かも知れない。

更に、過去何度も登頂された、あるベテラン登山家のお話では、「入山料は、登山者だけでなく、五合目までの観光客からも徴収すべき」との事。これも、入山料本決まりの暁には、必ず検討の上、付帯して頂きたい決め事だ。同氏によると、かねて問題のゴミ投棄、トイレ下水の増加は、やはり五合目までの所で深刻な様である由。山上でもゼロリスクでは決してないが、「登山者のみ入山料」では、明らかに不公正。富士を訪れる以上は、同じ気持ちで、管理コストを進んで負担する位の気持ちが必要でないか。又、それを受け入れる素直さも、高い民度の反映ではないだろうか。

とまれ、そうした適正な管理規制のあり方が取り上げられないままでの世界文化遺産登録には問題が大きく残りそうだ。関係各位には、そこの所を早めに詰め、良い方向性を示して頂きたく思う。見る者達の人生を変えてしまう程の魅力魔力を有する富士。懲りずにその英姿を捉えようとする俺達が、末永く霊峰を仰ぎ続けていられる様でいる為にも。

Mtfuji300

コメント (4)
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