Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

中東事件、正しい向き合いを

2015-02-01 15:56:32 | 日記・エッセイ・コラム
2015=平成27年2月も、拙ブログを宜しくお願い致します。

今朝、極めて残念な報道に接した。昨年来、中東の国際イスラム軍事組織に拘束されていた2邦人、軍事関連事業家Yさんに続き、人質交換の候補でもあった報道家Gさんも殺害された模様との情報である。我国政府も精緻に照会を行っているはずだが、同軍事組織による殺害予告動画では、Gさんご自身の可能性が高そうだ。事実とすれば、とも角も、このお二方への弔意を一言申し上げたい。

その事を踏まえつつ、やはり相当の危険が予め予想できた状況であり、我が知友の方も触れていらしたが、我国の主要メディアの、特に報道家Gさんの弱者側に立った報道姿勢を敬うとしても、行き過ぎた美化は如何なものかと俺も思う。ご自身でも、過激で残虐と言われる軍事組織の支配地域入りに際し、「ここからは、何があっても私の自己責任である」事を明言されていたし、万一に備え、相応の保険加入もされていた様だ。まだ幼少のご家族もあり、当然の備えであろうが、長期に亘る紛争地域取材のご経験もある事から、此度の事態を想定する事は、例えある程度でも可能だったのではないだろうか。

もう一つ、救出を図った安倍政権、そして与党の側にもやはり課題が残った。まず、素人の視点もあり恐縮だが、この事態が発覚した当初、多くの人質を取られながらその全ての救出を果たし、我国とも長年友好関係にあり、かつ軍事組織とも往来があると言われる、トルコ共和国の力を主に借りるべきではなかっただろうか。救出と言う事では、同様に空軍飛行兵を人質に取られたヨルダン王国の協力を仰ぐ事となった経緯をざっとでも知りたい所だ。同国の世論は、当然ながら自国の同胞たる飛行兵の救出が第一であり、我国邦人の救出はそれに次ぐ事になる。飛行兵の安否は今も不明であり、その事が事態を悪化させた所がありはしないか。トルコ国民の間よりは、軍事組織の非人道的な所業を厳しく非難すると共に、我国政府の対応に時間がかかり過ぎた事への疑念も表されていると言う。

それと、事件発覚前の安倍内閣総理大臣の態度表明も拙かった気がする。軍事組織に空爆などの攻勢をかける、欧米メインの所謂「有志同盟」への直接の支援としか思えない様な、巨額の資金援助の申し出。この表明の直後、2邦人の拘束が露見したのではなかったか。人道支援であれば、中東向けの大規模な基金もあるとされ、この基金への拠出なら、軍事組織のつけ入られる隙を作らずに済んだかも知れないのである。わざわざ表舞台で表明しなくても、隠密裏に「有志連合」に様々な協力支援を申し出る方途はあったのではないか。この辺りが、安倍大臣と言えども我国内向けの演説と大差ない拙さが露呈され、その事が軍事組織にとり、恰好のカモとなってしまった印象が拭えないのである。Gさん落命が事実なら、我国にとり最悪の結末であるだけでなく、当該軍事組織は、空爆を初め攻撃に出ない国をも標的にしているとの国際的印象をもたれても仕方がないと言う事だろう。尤も、我国も「有志連合」に加担してしまっている印象を持たれているのかもだが。

さて、勿論我が国民にこれ以上の犠牲を生じる事は何としても防がなければならない。安倍政権の目指す、在外邦人の自衛隊による救出に道を開く努力もそれは必要だろうが、同時に、今後も生じる可能性のあるテロ行動から自身を守る為の注意喚起や教育啓蒙も勿論必要だろう。更に、将来我国内にての軍事行動の可能性も、この過激な連中なら否定できないであろう。既に都市部を中心に、我国の主要箇所でも防犯カメラが広く普及し始めてはいるが、在外邦人向けと同様の防御教育を模索する必要も、これからは生じるかも知れない。特に2020=平成32年には東京五輪(障害五輪を含む)開催が決まっているから尚更だ。

長期課題にはなるだろうが、自己防御の心がけと共に、こうした過激軍事組織が蔓延る元凶となる、国際的な経済格差の是正にも、気長に努力する必要があるだろう。その意味で、功利万能のアメリカニズムは、やはり我国とイスラム圏にとっての「共通の敵」であるのかも知れない。

今回画像は、以前交流のあった方より頂戴した代表的旅客機、ボーイングB787離陸の模様。航空機、新幹線などの高速鉄道、そして艦船の防犯カメラも広まりつつあり、こうした事件を考えると、やむを得ない所ではありますね。
コメント (2)
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