Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

日本人は「陥穽(かんせい)」に耐えられるか

2015-06-07 09:35:58 | 日記・エッセイ・コラム

2015=平成27年6月も、宜しくお願い致します。梅雨入り間近を告げる様な曇天の今日。明日午後は外出の予定があるのだが、悪くすると降られそうな気配もする。決して芳しくない事は分るが、まあ拙人生「フラれる」事には慣れているし、梅雨に降雨はつきものなので、相応の準備と覚悟はしておこうと思う。降雨と言う奴、量的には「多過ぎても少な過ぎてもダメ」なものらしい。前者なら水害、後者なら真夏の渇水を覚悟しなければならないからだ。どちらに転んでも、野菜を初め農産物の価格高騰に繋がる所も軽視できないものがあろう。

さて表題。ご存じの様に、国民市民の個人面に関わる情報や、交通面での危機的な問題が相次いでいるのはご存じの通り。日本年金機構の、分っているだけで120万件を超える年金加入者情報の外部流出事件が近年最大のものだろう。主な原因は、外部よりの大規模なサイバー攻撃、具体的には多くのウィルス込み添付ファイルのある電子メール送付に同機構の関係者が気付く事なく開封し、結果、情報用PCやそれを統括するサーバーなどが感染して攻撃側に乗っ取られ、遅くとも先月下旬には、一部のPCが遠隔操作で情報を不正に送信する、所謂「ボット」状態に陥ったのが実態らしい。送付されたメールの題名は、いかにも日本年金機構の業務を装って添付ファイルも安全な様に見せかける巧妙な文面だった様で、攻撃手法が特殊詐欺同様、対応の難しい悪質さを伴っていた事は留意しよう。

ただ、そうであるとしても、日本年金機構の情報保安 セキュリティ対策は、振り返れば大いに杜撰だったと揶揄されても仕方がないのではないだろうか。個人情報の管理利用に際しては、同機構の内規でも必ず個別にPWを設定して保安に万全を期す事が定められていたにも関わらず、流出した情報のほぼ半分弱 50万件以上にこの措置が施されていなかった。これら情報は、一旦外部に晒されれば、当事者本人の意思によらずとも住所変更等ができ、既に年金を受け取っている方であれば、最悪の場合「なりすまし」行為によって、本来の受給者とは異なる人物が受け取るなどと言う事態をも招きかねない。又、最初の異常が見つかったのは先月前半の様だが、この段階で日本年金機構の情報NWを全遮断しておれば、個人情報流出は小規模で防げた可能性がある事も指摘される。恐らくは、年金諸業務の作業能率とコストの見地より、全遮断でなく一部遮断の判断がされたのだろうが、見方を変えれば、それだけ個人情報の重大さと、此度の流出事件の深刻さが自覚されていなかったと言う事だろう。多くの国民市民が「こんな組織に年金業務は任せられない」と憤りを表されるのも頷けると言うものだろう。

塩崎厚労相への報告と、我々国民市民への公表も遅かった。塩崎大臣に対しては、最初の段階から報告が上げられ、以後逐次状況が伝えられていなければならなかったはずであり、そこから我々への告知ももっと早くできたはずだ。それらが適切に実行されていなかったと言う事は、前例のない深刻な事態でも、内部で処理して極力表に出さぬ様仕向ける言わば「隠蔽体質」の様なものがありはしなかったか。同機構の組織は旧社会保険庁時代と大きな変化はなく、上層部には所謂「天下り役員」も少なくないとの報にも接した。今後は速やかに、具体的には今月中旬頃までに、流出事件に該当した方の基礎年金番号を変更すると共に、流出があった事実を当該各位に伝える由だが、事は当事者の人生をも左右しかねない重大事象だ。必要な告知を急ぐと共に、根本的な年金情報の管理運用の見直しと、保安態勢セキュリティの立て直しを、退路を断って真摯に取り組んでもらいたいものだ。折しも、来年初には納税、各種保険などの状況を一元管理できる「マイナンバー制度」が発足する大事な時期だ。その事に国民的不安があってはならない。安倍現政権は、前回の政権が崩壊した直接のきっかけが「消えた年金問題」である事をもう一度自覚し、マイナンバー制度整備の信頼性の事共もしっかり視野に入れて事に当たって頂きたい。些か先走りし過ぎ、見解を求められた3専門家がいずれも違憲の疑いを表された安保法制整備にしても、やむを得ない最低限の所以外は一度保留して引き続き議論する位の配慮があっても良いのではないか。年金情報問題の解決を先行させた方が、政権の安定の為にも好ましいと思うがどうか。

次の話題。先日、那覇空港で生じた、民間旅客機と航空自衛隊ヘリ機とのニアミス事件。離陸許可によらず離陸した空自機が、離陸の態勢に入ったANA旅客機の直前を遮った件。ANA機は急遽離陸中止して緊急停止。間一髪で衝突と人的被害を免れたが、機内は負傷者が生じかねない危険な状況だった様だ。更にANA機が停止した滑走路にはもう1機の旅客機が、着陸やり直し指令が間に合わなかった事もあって着陸。こちらもあわや二重事故となりかねない重大事象であった。

この事象の主な原因は、空自機の機長が、ANA機向けに下された管制の離陸許可を、空自機に向けて下されたと錯覚して発進した為だとされる。ただ、那覇空港は民間と自衛隊が共用する滑走路1本の過密空港の上、無線周波数の民間航空向けと自衛隊向けが同一だった様だ。これは問題視されなければならない。離陸時には、各機長は管制の許可を復唱する義務があるが、同じ周波数なら2機の機長の復唱タイミングが同一なら、混信でどちらの復唱か分らなくなる事態もそれはあり得るだろう。コスト面や管理態勢の事情など難しい面もありはするだろうが、逆から見れば、このままでは時に機密を要する自衛隊機の交信も、民間機の操縦席まで筒抜けと言う事態だって考えられるではないか。この様な大事故を招きかねない事象を機に、民間向けと自衛隊向けに無線周波数を変え、交信の混乱を元から防ぐ位の取り組みがあっても良いと思うのだが。

この他、前回も触れたが、陸上の九州・JR長崎線にあっては、単線行き違い駅にての、上下特急列車の衝突未遂事件もあった。本来あってはならない、一方の列車が待機する線路に対向の列車が誤進入、これも間一髪で衝突を避け得た大変重い事象だが、こちらもまだ詳細が調査中。列車運行システムに何らかの障害があった可能性があり、詳細は調査結果を待ちたいが、それにしても万全と思われる世の中の色んな情報管理システムにも意外に陥穽(落とし穴の意)のある事が分ったこの所であった。果たして、我々日本人はこの状況に耐え、乗り越えて行けるのだろうか。「間違いは絶対に起こらない」の思い込みを越え、ある程度の間違いはあろうとの姿勢を取り、併せて「多少の事は、自の対応で守る」事ができる様になるか、具体的には昨今大韓民国にて流行の兆しがあり、我国にては今の所は防ぎ得ている、肺炎の原因ともなりかねないとされる、コロナ・ウィルスによる中東呼吸器症候群が万一にも上陸した時、好ましい対応ができるか?とか、今、それが問われている様な気がします。

 

コメント (6)
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