Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

「正義と言う名の不正義」ではないのか

2016-01-26 19:25:44 | 国際・政治
コナサン、ミンバンワ!昨日のTV番組などで知った事だが、全国的に鹿(ニホンジカ)による農産物食害が深刻化している様だ。

元々が生息域ではない北海道は別として、東北や日本海側など、冬季に雪の多い所では、これまでは生活がし難かった事もあって、鹿は生息していなかったのだが、近年目立つ温暖化の影響などもあって、前述の様な所でも生息が可能となり、又、林業人口の減少などもあっての里山荒廃の影響もあり、鹿が増殖、そして人里に現れがちになり、為に農業被害も増大している様だ。

既に鹿の食害だけで、農業被害は年間200億円を超え、農業各位はその対応に追われる為、生産性は大きく後退させられていると聞く。
昨夏、新潟県下で野生動物による農業被害の深刻さを地元の方から伺ったが、想像を超えるダメージの大きさに暫し言葉を失ったものだ。
大きな農業被害は、放置すれば我々国民市民の食卓を直撃しかねないだけに、その対策は当然急を要するものだ。拝見した番組では、ある一地方や一自治体の対応だけではだめで、同じ問題を抱える近隣の自治体が連携して事に当たらないと大きな解決は望めない事を指摘していた。

当然かな、とも思う。猿や猪など、他の動物による被害もあるが、やはり鹿のそれが突出している様だ。対応に当たっては、近隣の自治体が対立する事態も生じている様だが、どうか国民市民の命と暮らしに関わる事共なので、対立点は早めに調整解決し、この問題緩和へ向け、自治体の「横の連携」が叶う様尽力をお願いしたいものだ。

鹿肉は、又グルメに珍重される事もあり、狩猟の対象としても知られるが、狩猟家の育成は中々進まない様だ。戦後教育の悪弊もあって、鹿は童話やアニメーションでは「良い生き物」と捉えられる事が多く、為に動物愛護勢力よりはその狩猟活動が白眼視され、又やむなく狩りに取り組む方々の健全な意思まで萎ませる結果となっている。ここで我々も、鹿への見方を変えなければならない所なのかも知れない。

春日大社を拝む、奈良公園の鹿達の保護が特に知られるが、彼らは同社の使者としての、例外中の例外の立場。全国に増殖中の連中を、奈良公園組と十把一からげに見るのは間違いだ。最早狩猟によらない大規模な駆除も視野に入れなければならない現状で、一概に鹿の保護などを主張するのは「正義」を装った「不正義」と見られても仕方がなかろう。こんなのは、日本及び日本人に対し「飢えろ」と言っている様なもの。
安易な正義の振りかざしは、くれぐれも慎んでもらいたいものだ。

前置きが長くなってしまった。ここから本題。前述の鹿問題と同様の事共は、形こそ違え、政治の世界でも生じている様だ。
先日来、安倍政権の主要閣僚、甘利経産大臣事務所の政治資金疑惑が問題化しているのは承知している。この件については、甘利大臣も当事者である以上、事態を的確に把握して、国民市民と野党勢力に最低限説明する責任はあるだろうし、安倍大臣も任命責任につき、必要な言及はされるべきだろう。

その事を踏まえた上で、野党勢力の追及姿勢にも問題があるので指摘しておきたい。まず、千葉県下の企業より甘利大臣事務所への資金提供があったのは事実としても、当該企業は資金受渡しの控えや音声とか、渡した紙幣の番号など、詳細な物証を意図的に残していると聞く。
この事実が、これまでの資金提供と違って、安倍政権の重要閣僚の立場を貶め、陥れる為の作為ではなかったか否かまで追及する必要がありはしないか。事実とすれば、従来の政治資金疑惑追及の単調な姿勢だけではダメで、資金を提供したとされる企業側も、不良意図がなかったか、糾す必要があるかと心得るがどうか。追及の先頭に立つ民主党などは、果たしてこの辺りの事を正しく理解しているのだろうか。

と同時に、極めて難しい今の政治情勢にも留意する必要があろう。甘利大臣は、昨年大いに難航した環太平洋経済連携協定TPPの各国大筋合意に尽力された重要閣僚。仮に、これから国会議論と我国内関連法整備に尽力しなければならないこの時に、万一にも辞任などと言う事になれば、我が国益を大きく損ねる事態をも招きかねない。

与野党共に、今、厳しく求められているのは、どの様な問題が起きても、常に「何が一番大事か」を的確に理解把握し、最重要課題を優先して当たって行く強い意思と姿勢だろう。もう以前から指摘している事だが、野党にしても、批判や糾弾の一方で、必要な政治課題にはそうした問題に関係なく、与党に強い対応を求める複線思考的姿勢だろう。政治でもそうだが、どうせ世の諸事は、背反する矛盾に満ちているものである。

「汚職は国を滅ぼさないが、正義は国を滅ぼす」との亡き随筆家 山本夏彦さんの遺された名言もある。政治資金疑惑の究明は勿論必要だが、緊急度は二次的なもの。今は、それを上回る緊急度の高い課題に当該閣僚を当たらせ、少なくとも並行して調査を進めると言うのが正道ではないだろうか。それらが弁えられなければ、野党勢力の追及活動も「国益より党益の為ではないか」と揶揄されても仕方あるまい。疑惑追及に不適切な期限を設けようとする姿勢にも好感できない。余り無理を通そうとすれば、それは冒頭の鹿農業被害問題同様、本来は正義であるはずの事共を、不正義に堕させかねないのではないか。

今回画像は、昨年暮れに訪れた、新潟・山形県境近くの日本海岸の模様。春夏の穏やかさから一転、厳しい表情になるのが又魅力的ではある。
又、この海の彼方に、「北」に拉致されたままの複数の同胞達がいらす事も、ゆめ忘れない様にしたいものであります。
コメント (2)
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