Blog~続・トイレの雑記帳

鉄道画像メインの「ゆる鉄写真ブログ」のつもりでしたが、
政治社会の事共について記したくなり、現在に至ります。

参院選制度改革 「合区」を躊躇うな

2015-06-14 09:35:08 | 日記・エッセイ・コラム

各位お早うございます。如何にも梅雨らしい、曇り日の朝。気温は低めだが湿度は高く、決して「涼しい」とは言えない今ではある。年金情報漏洩問題は、更に拡大の兆しが見え、北海道を初め、飲酒や暴走行為によると見られる遺憾な交通死亡事故も目立つ。当地愛知でも、「いじめ」絡みと見られる男子中学生の不審死事件などがあった。どの事件も共通するのは、加害側に一握りの用心や、行き過ぎがない様加減する、少しの倫理観と聡明さも見られない事と、被害側にもほんの僅かの警戒心があったれば、とも思われる所だ。勿論、国の制度である年金情報漏洩は例外。加入者個人の秘密保持に全力が尽くされるは当然だが、その為の最低限の措置も実行されていなかった。それらを踏まえるとしても、戦後の「負」の側面は、加害者よりは公を自覚する道徳観念を、被害者よりは己を守る危機意識を奪い去った。その結果の大きな一つが、北海道・砂川にての一家4名が犠牲となった悲劇ではなかったろうか。証拠がある以上、加害者2名は厳重に処分されるべきだが、その背後に、戦後を覆い続けた、便利さ優先の安易な欧米追従の、反日的風潮が横たわっていた事にも留意すべきではないか。勿論、犠牲となった方々には謹んでの弔意を表したい。

さて本題。昨年来国政選挙、特に参院選にての、所謂「一票の格差」問題が大きく取り上げられる様になった。法曹人多数より、この問題を司法の場で審議する様求める動きが活発になり、地裁判決では多くが憲法違反状態、少数だが選挙無効を宣告する判決もあった。一票の格差は、参院選で特に大きいとされ、最大だった平成初期の6倍超程ではないが、前回選挙でも約4.7倍あり、複数の裁判所判例に照らしても、更なる改善が必要であるのは事実だろう。放置すれば、選挙無効判決が増大するのは明らかであり、最悪の場合、巨額の費用を投じての選挙やり直しなどの事態も見込まれるだろう。

各政党も、それぞれに改善案を打ち出してはいるのだが、やはり責任与党・自由民主党の甘さ、タルさが目立つ。同党は、全国の都道府県単位の選挙区を維持しながら、有権者の多少に応じてある程度の選出議員数を加減する「6増6減案」の意向だが、この方法では依然格差4倍を超え、十分な改善とは申せまい。前述の、6倍超の時代が頭にあるので、自由民主党の自己評価では是としたのだろうが。

自民案では到底国民的同意が得られるとは思えぬ一方、連立与党・公明党と第一野党・民主党の改善案は、細部はやや異なるものの、相当な県単位の選挙区の枠を越えて見直す「合区」にも踏み込んだ見直しを行い、一票の格差を2倍以下に抑え込むもの。やや理想論的な所も見え隠れはするが、「本当はこうあるべき」と言う所は見える様な案だ。ただ、現実的には特に自由民主党地方組織の強い抵抗も予想され、すんなり実現とは参りそうにないのが惜しまれる所ではある。社会民主・共産両党が推す「比例代表一本化」や「全国レベルの選挙区ブロック化(11単位にしたいとか)」は殆ど実現の見込みがないので、スルーしておく。

一番の注目は、維新の党が表した「一部合区の10増10減案」だろう。自由民主党の案より更に踏み込んで、有権者の多少に応じての改選数増減を徹底すると共に、特に人口減少の進む島根・鳥取と高知・徳島のそれぞれの県を史上初めて合区し(定員それぞれ1議席)、一票の格差減少を目指すものだ。この案でも格差3倍以内に収まり、倍率はやや後退するも、「初めて合区を行う」事を考えれば現実的と言える。俺は、この維新案を支持するものである。

政権与党・自由民主党が都道府県単位の参院選挙区に拘泥するのは、現状同党が最も恩恵を受けているからで、その言わば「既得権益」を手放したくないのが本音だからと言われる。表向きは「地方の声が良く聞こえる様にしたい」などと美辞麗句を並べてはいるが、やる事はと言えば、多くが国家プロジェクトと言われる大型公共事業の投げ降ろしではなかっただろうか。勿論その全てが成功モデルとは到底言えず、中には九州・諫早湾干拓や当地、東海の長良川河口堰開設などの様に、大きな環境破壊などの負の部分を伴う結果となった案件も多いのである。こんな事が、とても「地方の民意の反映」とは言えまい。しかも、ある程度の合区に踏み切らないと、格差の少ない健全な選挙制度は維持困難との最高裁判決が、遅くとも2013=平成25年には出されているのである。

今、自由民主党は安倍政権の下「一強多弱」とも言われる盤石の態勢を築いている。公明党との連立とは言えだ。冒頭の、年金情報漏洩事件や環太平洋連携問題TPP対応、中韓両国などとの難しい内政外交に亘る諸課題を抱えているのは分るが、維新案による選挙区改革が実行されたとしても、失う議席はたかだか1~2に過ぎず、大勢への影響は微々たるものだろう。それよりも、選挙区見直しの先送りによる、違憲判決や選挙無効判決続出によるマイナス面の方がはるかに大きい。万一にも、選挙無効判決多発により選挙やり直しを余儀なくされた場合の、莫大な出費や政治日程へのダメージの方が深刻であるのは、俺の様な愚者にも容易に分る事だ。

家庭や企業などの組織でもそうだろうが、政治の世界でも、それぞれが少しの犠牲を払い、痛み分けをしなければ回らないのは同じだろう。この問題は、「国益より党益」を優先する印象の自由民主党に、その体質と方向性の変革を迫る良い機会になるだろう。それができなければ、同党と安倍政権の今後には、残念ながら暗影が射す事となりかねないだろう。更に、俺の支持する参議院廃止・国会一院化に勢いがつく可能性もある。どちらにも、困難だからこそ頑張って頂きたい所だが。

 


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